八ヶ岳アイスクライミング  (報告/ちびサンボ)


■日 程 : 2013年12月20日(金)夜〜23日(月)

■山 域 : 八ヶ岳/ジョウゴ沢・南沢小滝

■目 的 : アイスクライミングトレーニング

■参加者 :

ちびサンボ

ベタコ(山歩渓)

Ryucyan

I佐(須磨)

ジプシー

isoroku

maho
■行動日程

20日(金):21:00 JR西宮集合→1:45駒ヶ岳SA着(仮眠)

21日(土):(晴れ後曇り)6:00駒ヶ岳SA→7:00美濃戸口駐車場→7:50登山開始→9:00美濃戸山荘→10:00堰堤広場→11:10赤岳鉱泉着(テント設営)→12:30ジョウゴ沢へ出発→13:10ジョウゴ沢F1着→13:30アイスクライミング開始→15:20撤収→15:40赤岳鉱泉着(テント泊)

22日(日):(晴れ)7:00南沢小滝へ出発→7:45行者小屋→8:40南沢小滝着→9:10アイスクライミング開始→13:50撤収→15:10行者小屋→15:50赤岳鉱泉着(テント泊)

23日(祝):(晴れ)9:20アイスキャンディーで練習開始→11:20撤収→11:50美濃戸口へ下山開始→13:30美濃戸口駐車場着→14:10もみの湯→15:00神戸へ出発→20:40JR西宮着(解散)




クリスマス時期のアイスクライミングは毎年○玉との恒例行事であった。今回○玉が参加出来なくなったが、アイスを始めたいメンバー3人から私に連れて行って欲しいと申し出があった。氷柱なんてリード出来ないし、一人で連れていく自信はないしどうしようか悩んでいると、山歩渓のベタコさんと須磨のI佐さんが参加してくれると声を掛けてくれた。鬼に金棒。初心者が多くギリギリまで計画修正があり大変であったが、天候に恵まれ楽しい山行になった。

20日、I佐車に6人が冬山用の大荷物を持って乗り込むと何とも窮屈な状況であったが、それはそれで楽しい出発となった。

21日、美濃戸口駐車場で装備分担。関東から来たベタコさんと合流し出発。ベタコ、I佐、ちびサンボは汗をかきたくないのでゆっくり歩くが他の四人はどんどん進む。堰堤のところで元気な四人には先に行ってもらってテントを設置してもらおうと思い、ちびサンボが持っていたテントポールの受け渡しをしていると、ベタコさんが「ああ!ポール忘れた!」と言いだした。ベタコさんは自分の3テンを用意していたが家にポールを忘れたらしい。最悪ベタコさん達は小屋泊まりにすればいいという事で出発するが、何となく足取りは重たかった。赤岳鉱泉のテント場はまだ空いていたので良い場所を見つけて、ポールのないテントは天井をスリングでぶら下げ、中心にゾンデを通して、ストックと捨て縄を上手い事使ってテントを設置した。さすが経験豊富なI佐さんは何でも出来ると思った。ジョウゴ沢のF1は氷がしっかり張ってあるが雪も大分被っている。ベタコさんにトップロープを張ってもらってそれぞれ初トライするが、アイゼントレの効果は少なくアックスは効かずに苦労していた。ベタコさん、I佐さん、isorokuの三人はF2を見に行くというが、他のメンバーはここで基本練習をやろうと残った。何本か登るとそれなりに形になった。雪が降り出し天気が崩れてきたのでF2だけ見に行って帰る事にした。F2の氷はあまり状態が良くなかったらしく3人も戻ってきた。夜は6テンに集まって皆で夕食。ベタコシェフの中華火鍋とmahoシェフのキムチ鍋で盛り上がった。

22日、南沢大滝を目指し南沢をかなり下る。先に南沢小滝が現れる。ジョウゴ沢と違って完全な氷柱。

▲南沢小滝
I佐さんが大滝を偵察に行ったが、大勢待っていて登れそうにないのでここでトレーニングをする事にした。ここも直ぐに人が集まりインドアのような状態になった。何とかトップロープ2本張り、皆が5〜7本登る事が出来た。ちびサンボはリード練習でスクリューを打ち込むがレストがなかなか上手に出来なくて苦労した。南沢大滝は見学だけしてテント場へ戻った。今晩はベタコシェフの博多風水炊きとmahoシェフの根菜カレー。2人とも料理が上手いので酒も進んだ。


▲南沢大滝
23日、赤岳鉱泉のアイスキャンディーをしてみたかったので本日はここで帰るまでガンガン登る予定。だが、いきなり被りの氷柱で1本目から腕がパンプした。もうあかん。皆、2日間の腕の疲れもあり同じような状態。それでも休憩しながら全員が3本登った。みな満足したので終了する事にした。

今回の計画段階は初心者3人がいるのにリーダー私一人でとても無理だと苦しんでいました。だけど、県連仲間のベタコさん、先輩のI佐さんに参加していただき、適切な指導・アドバイスがもらえて実のあるアイスクライミング山行が出来たと思います。夜はI佐さんの経験豊富な話に耳を傾け、皆が今後の自分の山行スタイルや方向性について語り合い、いい時間が持てたと思います。皆さんが怪我もなく思いっきり楽しめたのはリーダーとして良かったと思います。私の目標はリーダーの出来る仲間を増やし、力量が揃った仲間で厳しい山行を計画し登る事が出来るようになる事です。皆で力をつけて高みを目指して頑張りましょう!



<ジプシー感想>

初めてのアイスクライミング山行。装備もアイスアックス1本+ピッケル1本+普通の12本爪アイゼンで大丈夫じゃないかと思っていたが大丈夫ではなかった。アイスアックスはアックスの角度がピッケルとは別物だということが分かった。やはりダブルアックスでないと登れない。ほとんどRyucyanのアックスを1本借りてしまって申し訳なかった。もう1本購入します。2泊3日の合宿は天気もまあまあ良く、ジョウゴ沢F1、南沢小滝、アイスキャンディー合わせて10本ほどクライミングでき充実の山行だった。近場でのトレーニングは毎週のようにやっているが、アルプス方面へはGW以来久しぶりで楽しかった。単純なことだがもっとたくさん山へ行かないといけないと思った。今回の山行計画をしてくれたI佐さん(須磨)ベタコさん(山歩渓)、ちびサンボにはお世話になりました。ありがとうございます。今後もいろいろなところへ連れて行ってほしいです。そうすれば次は私が会のメンバーを連れて行けるようになるでしょう。よろしくお願いします。

▲F1:普通のアイゼンとピッケルで登るジプシー


<maho感想>

天候に恵まれ、3日間とも予定地でのアイスクライミングをすることが出来た。ジョウゴ沢F1での一本目ではアックスが重くて上手く振えず、腕はパンプし、アイゼンを履いた足も滑って全く感覚が掴めなかった。南沢小滝F1では手の冷たさと痛さに驚き、グローブの重要さを感じた。南沢大滝は見学しただけだったが、とても大きく見えた。いつか登れるときがくるだろうか。最終日、アイスキャンディーの少々被り気味のルートで、腕が途中からパンプし、TRにテンションしながらも登りきったとき、「その状態を一回は経験しといた方が良い」とベタコさんに言われたことは印象的だ。いくら腕の力が尽きても、アックスを落とすことはできないし、何が何でも登るしかないと無我夢中になった心境は忘れられない。スクリューを打ち込みながらリードで登るなどまだ想像も出来ないが、今回初めてのアイスを経験できたこと、上手く登れなかったけれど面白いと感じたこと、左手の弱さや装備に関して課題も感じたことなど、とても有意義で楽しい3日間でした。又、この冬は出来るだけアイゼントレ、アイスクライミング山行に参加して精進したいです。

▲アイスキャンディーを登るmaho


<isoroku感想>

ちびサンボからお誘いを頂いて、興味に先行した昨年のアイスクライミングがもう少しでも進化できればと思って参加できた今回は、結果として自分にはとても意味深いクライミングになったと考えています。I佐さんの状況に的を射た指導と、ベタコさんの個々に具体的な実行能力はとても参考となりました。おかげさまで、今回の山行まではとても無理だと思っていたアイスクライミングをリードすることも少し可能性がありそうな気がしております。登りながらのアイススクリューのセット方法や、アックスは打ち込むのでなく掛かりそうな所に先端を差し込むだけで止まることなど、経験になりました。それとは別に3日間を振り返って思い返すと、いつも初回のクライミング時は指先が冷たく麻痺してパンプしそうになるが2回目になるとそれが和らいだように感じたのですが、腕や体が温まってから通常に登れるようになるのはアイスも普通のクライミングと同じでアップが必要だと感じました。

▲アイスキャンディーの前にて


<Ryucyan感想>

今年こそはと意気込んでいました。思い切ってアイスの装備を購入しこの3連休に臨むことになりました。現地の天気は初日が雪でしたが後の2日間はまずます良く、充実した3日間でした。初日のジョウゴ沢F1の滝で先輩方の指導の下、基本的なムービングを意識してとにかく足で登るように心がけました。時間もそれほどなく、それぞれが3本ずつほどでしたが、他のパーティーが沢山いてほとんど登れないのではと思っていたので良かったです。2日目の南沢小滝、大滝に挑む予定でしたが、大滝は大繁盛で登ることが出来ませんでした。前日とはスケールが違って登ってみたいと思いましたが、リードは怖いやろなあと思います。小滝では7本程登れていい経験になりました。リードを意識してスクリューをセットしながら登りましたが、腕がパンプしました。足が安定していなくてぶら下がっているのでしょう。3日目のアイスキャンディーは2日間の疲れもあって腕がすぐにパンプしました。沢の氷とは違って何か氷が軽く感じて、モノポイントを蹴り込んでもすぐに割れてしまう印象でした。壁が立っているので3本でアウトです。3日間で思った以上に登ることができ、成果もあり有意義な山行となりました。年が明けたらもう一回ぐらいは行ってみたいです。次はもっと安定した登りを意識してトライしたいです。今回、他会のI佐さん、ベタコさんにご指導になり大変お世話になりました。ちびサンボリーダーご苦労様でした。


<須磨労山 I佐感想>

今回、メラピーク・KOBEの会山行に参加させて頂き、いつもの所属会とは違ったメンバーとの泊り山行に少しの緊張と新しい出会いにワクワクの2泊3日でした。自分とは一回りも下の山行意欲ある若い人との山行きは、マンネリ化しつつある自らの山行に新たなる刺激を与えてくれ、まだまだ頑張らねばと山行意欲を覚醒させてくれました。また、一緒について行けるように体力トレーニングに精を出さねばと思う。2日目の南沢小滝からの帰りの行者小屋前から見た大同心から赤岳にかけて雪をまとった眺望に、20歳の時の初めての冬山で同じ眺望に感動したのを思い出した。重い荷物を背負って寒い雪の中での行動は正直疲れるが、終えた後の心地よい疲労と充実感は、ともすれば流されがちな日常に刺激を与えてくれ、大げさかもしれないが生きる力を与えてくれる。やっぱり雪山はいいね。今山行は目標の南沢大滝は登れなかったが、小滝やアイスキャンディーで経験を積めた事は良かったが、今後もう少し長い壁を登る為には支点の取り方等についてもっと経験する必要がある。あと、南沢小滝で多くのパーティーが同時に取り付いていたが、混雑したゲレンデでは上部に登っている人がいる時は落氷等に気を付ける必要があります。

▲行者小屋前から見た赤岳


<山歩渓山岳会 ベタコ感想>

県連登攀教育部のメンバーであるメラピークのちびサンボが若手メンバーとアイスに行くとのお話。サブリーダーを務めてほしいとの事。12月初旬にはちびサンボ初挑戦の黄蓮谷右?アイスのパートナーでもあった須磨労山・I佐さんもご一緒との事。快諾の上、山歩渓のM崎・M光の参加も取り付けた。しかし、山歩渓のメンバーは結果的には様々な理由で不参加。メラ5名とI佐・ベタコの7名でのアイスクライミング。初日のジョウゴ沢は前日の雪とまだまだ氷が薄く、F1でのトップロープとF2のトップロープしかできず、充分なトレーニングが出来ませんでした。2日目の南沢では大滝が満杯のため小滝の未のトレーニングとなったが、初心者のメンバーには充分な経験が出来たと思う。最終日はみんなの希望で赤岳鉱泉のアイスキャンディーを経験した。ベタコも実は初体験。トップロープとはいえ、垂壁のアイスは物凄いパンプの連続!初心者の皆さんよく頑張りました!この経験をもとに、アイスクライミングの原点であるフリーの力アップとリードのためのアイススクリューの打ち方など次の目標に向かって頑張って下さい。


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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