穂高周辺岩稜歩き   (カノン)


ちびサンボ

Ryuchan

カノン

ZONO

■日 程 : 前日移動9月18日(土)〜20日(月)

■山 域 : 穂高

■参加者 : カノン、ちびサンボ、ZONO、Ryuchan

■行 動 : 

17日 22:00西宮北口発→3:30沢渡岩見平駐車場

18日 7:00 上高地発→13:30 涸沢到着

19日 5:15 涸沢出発→6:30 5・6のコル→7:30 5峰→9:00 4峰→9:15 3・4のコル 2時間弱停滞→12:45 3峰→13:00 2峰→13:30 前穂到着14:00 前穂出発→16:00 奥穂高着16:15 奥穂高発→16:45 穂高岳山荘着17:00 穂高岳山荘発→18:30 涸沢

20日 4:30 涸沢発→6:00 取り付き→6:30コル→8:15着 北穂高 8:30発→10:30 涸沢着11:45 涸沢発→13:45 横尾着→16:30 上高地着





▲朝の穂高
このコースは、前穂を7月の連休に、北穂を10月初めに両方ともにガイド山行で私は歩いた事があるルートでした。またちびサンボも北尾根を6月に歩いています。ZONO、Ryuchanは穂高自体が初めてでした。事前にネットや以前登った時の写真でコースを思い出したりしながら確認をしました。他のメンバーにもネットやDVD等で事前にコースの研究をしてもらっておきました。最初は小屋泊まりや食事だけ小屋で食べる事も考えていましたが、打ち合わせではテント泊まりで自炊する事に決めました。また持ち物や登攀方法の確認も行いました。

集合は21時に西宮北口だったので、いつもよりは少し余裕がありました。ところがちびサンボから「遅れる」という連絡が入ったので21時30分に集合時間を変更しましたが、結局は22時頃に出発となりました。途中の養老でご飯を食べました。なんと明日はZONOの誕生日だと言う事で、0時を回った所で、みんなでお祝いをしたのですが、この後何かにつけ「お祝い」され続ける事になりました。車は東海北陸道経由で沢渡岩見平前の駐車場に3時30分ごろに到着。少し遅目の出発を考えていましたが、駐車した場所がタクシー待ちの隣だったので、朝早くから無線の声がうるさくてじっくり眠れません。しょうがないので朝飯を食べて6時過ぎにタクシーにのりました。心配した雨はあまり強くなく降ったり止んだり、今日の雨は予め予想されていたのであまり気にはしていませんが、明日の予報は曇りなので悪い方にぶれない事を祈りながら7時頃に上高地を出発。ちびサンボが先頭で歩くがペースが早い。相変わらず誰かが前を歩いていると抜かしたくなるようだ。横尾から少ししてRyuchanが差していた傘が壊れるアクシデントが発生したが、他には問題なく1時半頃涸沢に到着。テントの大きさに合う場所がなかなか見つからない。あまり良くはなさそうだが張れそうな場所を発見して設営準備に入いった所でまた雨が降ってきた。テント設営している途中で、私のリュックの取っ手の部分が千切れる。まだ半年しか使っていないのにショックだ。ちょっと早いが4時ごろには晩御飯を作り始めると雨が強くなってきた。やることもないので寝る準備をすると、なぜかテントは6人用なのに斜めになっているせいか、明らかに偏っていて私とRyuchanのスぺースが狭いが、晩の7時頃には一応就寝する。ZONOとRyuchanは始めての涸沢なので、せめて涸沢からの景色だけでも、綺麗に見れると良いのだが明日の天気はどうだろうか?

前の晩の8時にトイレに行くついでに携帯で山の天気を調べると午前中は曇りで午後からは晴れの予報だった。少し期待が持てそうだ。朝起きてみると、ちびサンボが星が出ているという。なんかやる気が出てくる。予定より30分遅れて出発、まだ真っ暗な中を歩き出す。少しの間、岩が積み重なった所を歩くが歩きづらいので雪渓上にルートを変更する。角度が急になって来たところで、雪渓を再び離れて登っていく。岩に「5・6のコル→」のペイントもある。大体雪渓沿いの踏み跡を登っていき、草の中を歩いて右にトラバースして少し登ると5・6のコルに到着。コルからは奥又白池とテント1張が望めた。涸沢は天気だが、下界は雲海に覆われているようだ。
我々の前を歩いていた2人組みは奥又白池に下りていった。装備をつけていると後続パーティが到着。あとで聞くと名古屋と岐阜の労山の混合グループの様だ。ここでちびサンボのデジカメが故障したようで、非常に残念がっていた。またRyuchanの携帯も故障した。準備を整えて早々に出発する。岩尾根の涸沢側を登っていき、途中で奥又白池側を登り、また涸沢側に出てまた奥又白池側に出て岩場を登る。上部の草が生えた場所を歩き、最後に涸沢に戻ると5峰頂上近くのスペースに出て少し休憩。ここからコルへは涸沢側のルートをトラバースぎみに下降していく。4峰も最初は涸沢側をトラバース気味に登っていき、リッジを目指す。ここは少し悪かったので、他のメンバーには別のルートから登るように伝える。リッジ上を登ると奥又白池側へ行けるバンドがあるが、そのまま少しだけ涸沢側を行くと消えかかった「→」がある。記憶ではこの辺りに高度感がある場所があったので、ロープを結んで進むことにする。ここから奥又白池側にトラバースして、直ぐに支点がある場所があり、そこを上に向かって登って行き、岩角にスリングを使ってビレイをする。ここで後続パーティが来たので、譲ってあげるが、あとで少し後悔する事となる。ここからスラブ上の壁を登ってみようと思ったが、見た目より難しかったので、少し涸沢に回り込み、また奥又白池に戻り少し登ると4峰の頂上に着く。

▲前穂高頂上
そのまま真直ぐ歩くと3・4のコルに到着して前のパーティの順番待ちをする。3峰の1P目は、まず簡単なリッジを登り、2P目で本格的な登攀が開始。2P目は前に登った時の記億と全然違っていたが、帰って写真で確認してみるとやはり登っている。その上はチムニーまで歩いていく。右側のチムニーの中を登ると前パーティがまだ登っているので、チムニーの中で一旦ピッチをきる。最後は角度は急だが、ホールドが多い所を登って核心部分は終了。涸沢側に少し回りこむようにリッジ上を登る。ここで前パーティがトラバースしようとしているが我々は中央の部分を登り、テラス上に出て、ハング気味の所を登って、左側から回りこんで3峰に到着。ここから涸沢側をトラバースしていき最後に稜線に出て、2峰の懸垂下降点に到着。全員懸垂下降で降りるが、ロープが引っかかったので登り直して再度懸垂で降りてくる。ここから本峰は直ぐに到着。 13時30分と時間がかかってしまった。30分程休憩、ちびサンボに無事メールを送ってもらう。ここから涸沢までが長いが奥穂では記念撮影をして、穂高岳山荘経由でとぼとぼ降りはじめるが、ちびサンボはまだ元気で先にテントに戻って食事の準備をしてくれた。他のメンバーも何とかヘッドランプなしで18:30にテントに到着。Ryuchanがヘッドランプをいじっている。なんと今度はヘッドランプが故障したという。今回は次から次へとよく壊れる。ビールで乾杯したが、酒盛りするほどの元気はなく21時30分には就寝。

朝3時にはちびサンボさんが起き出して外の様子を見ている。なんと今朝も星空のようだ。朝ごはんの砂糖餅を食べて、予定通りに4時30分に出発。5時半頃に南稜との分岐に到着。ここからのトラバースの場所で少し迷うが、分岐を少し上がった所からトラバースを開始。最初は大きな石が積み重なった所を歩いていくが、最後は傾斜もきつくなり、細かなザレた場所を登る。ここからはそのまま谷筋を登る事もできるようだが、尾根上を登っていく。左側に回ると、登り易そうなルートだと思ったが、実際には岩が脆くて気を使う場所だった。途中で、大きく右に回って安定した岩場にでると、すぐに東稜の稜線だった。ここからは槍がきれいに見える。稜線上を登って行くが、記憶には残っていない場所だった。もう少し行くと見覚えのある所に到着した。そのまま稜線近くを歩いていくと核心部分に早くも到着。ここでRyuchanの名前を何度も間違えるZONO事件が発生し、以降「Ryuuちゃん」と呼ぶ事にする。ここはロープで確保して行く事にして、最初はちびサンボリードで、Ryuchanにビレーをしてもらう。次にRyuchanリードでちびサンボビレーで懸垂下降点に到着。ここからは少し頑張って登るだけ、8時30前に北穂高岳山荘に到着。1年ぶりの北穂高岳山荘だが、槍ヶ岳方面の景色が残念ながら雲が多くてきれいに見れない。休憩後、北穂高岳で記念写真を撮って下り始める。疲れが溜まっているようでゆっくりと下山。自分はカップラーメンを食べようと思いトイレ休憩のRyuchanと涸沢小屋に立ち寄る途中で、テントキーパーのZONOを発見し、手を振って名前を呼ぶと返事が返ってきた。きっと帰ってくるのを首を長くして待っててくれたようだ。小屋ではラーメンを食べようと思ったが、食事はまだ出来ないとのことなので、皆でヒュッテでランチとする。時間は10時30分。テントを撤収して出発したのが11時40分頃。ここから横尾までは順調に下って行くが、ここから雨が降り出した。ちびサンボは、飲まなかった焼酎をデポして来週の屏風に備える。雨具の準備をして出発。徳沢で休憩して、明神はパスして上高地に16時半に到着。上高地に到着と同時に雨足が強くなった。帰りには平湯で温泉に入って帰路につきました。  今回もあまり天気予報では良くなかったのですが、予報に反して久しぶりに天候に恵まれて快適な山行となりました。今年は週末になると天気が悪くなるパターンが多かったので、少しイライラが溜まっていましたが、やっぱり天気が良いと気持ちも良いですね、きれいな景色を見ながらの岩稜歩きで一気にストレスが発散できました。また今回はメンバーにも恵まれたおかげで、目的であったコースを予定通りに歩くことが出来ました。

▲ゴジラの背



感想


ZONO

初めて唐沢に行けるということで一週間まえからウキウキしていましたが、あいにく日本全国荒れ模様の天気予報にガックリ!中止になるのではないかと半ば諦めモードに入っていました。しかしながら好一転、行き帰りの車中はバケツをひっくり返した様な大雨となりましたが、晴天の穂高を満喫することができました。張り切りすぎてか?要所々々で鼻血が出てしまい、ティッシュを詰めているせいか呼吸がしにくいのには少しうんざりしましたが、北尾根の絶景と登りを十分に楽しむことが出来ました。またパーティーには何度も46歳の誕生日を祝福してもらい、生涯忘れられない誕生日となりました。



Ryuchan

9月1回目の3連休の穂高の岩稜歩きが待ち遠しかった。今年の後半は仕事が忙しくなり、結構無理をして3連休をとった。その分、精一杯楽しみたかった。ところが、天気が心配であり、行きしなの高速道路ではワイパー ブンブンと全開であった。道路車線が見えなくて怖いぐらいによく降った。

18日未明に沢渡に到着で仮眠をとったが、寝たか寝てないか分からないまま上高地へ出発で、しかも雨模様。正直、出だしの気分はいまいちであった。上高地を出て、一人めっちゃ早く歩く人がいたのでいきなりの汗ダクと顔が雨に打たれているので息がしにくく溺れそうになった。何とか涸沢のテント場に着いたが、一番の楽しみにしていた涸沢の絶景も当然お預けとなった。


▲紀美子平

▲奥穂高岳
翌日、昨日と打って変って好天に恵まれ早朝からテンションが上がる。雪渓脇と雪渓を交互に登っていくが、すごく登っている。雪渓の冷風が気持ちよくて幸いだった。5・6のコルに着くと富士山も拝めて絶景を味わえた。いよいよ前穂にむけて北尾根登攀開始である。少しハイマツ帯を歩くとその後、傾斜がきつくなり、ホールドを掴んで登るが足場が悪いのでボロボロ小石を転がしてしまう。後ろからクレームが出るが徐々に押さえて登る感覚が分かってきた。4峰も足場が悪いので慎重に行った。手足とも岩を押さえて登ることに慣れてきた。3峰では少し本格的な登攀を楽しめた。次回のためにメモを自分なりにとり、ルートを覚えようとしたが、今となっては全然自信が無い。ルートがみな同じに見えて、自分はわざわざ難しいところを登ってしまいそうだ。間違うかもしれないが、ルートファインディングの楽しさが少し分かってきた。2峰を越え本峰に到着、みんなに握手をしてもらい爽快な気分になれた。やはりピークハントは気持ちがいいと思った。

紀美子平まで残念な程に下って行き、後半の奥穂までの登りはさすがにパワーゲージも微量になりきつかった。道中、北尾根全体の眺めを確認でき改めて‘登ったな感‘を感じとれて嬉しくなった。奥穂ではジャンダルムを背景に記念写真も撮ることが出来、大満足だ。時間も遅くなってきたので、さっさと下るがもう足がついてこなかった。やはり慣れない岩稜歩きは余計に負担疲労が早かった。相変わらず一人の人はものすごいスピードで下っていくので、ついて行こうと頑張ったが足がつった。その人は先にテントに戻ってご飯の用意をしてくれました。ありがとうございました。食事時の話で明日をどうするかとなったが(今日が遅くなったので)せっかく頑張って3連休をとったのだから、天気に問題なければゴジラ背に行きたいと申し出た。気持ちは行ききたいのだが、体力は少し不安であった。 翌朝、またまた晴れている!!昨晩、酒も控えて早々に寝たので体力は回復していた。取り付きまでは昨日と同様少しきつかった。朝焼けの東稜がまたステキで、東稜に出ると先には槍がクッキリとあり、「やっぱり来てよかった!!」と感動した。切り立ったリッジが高度感を仰ぎ昨日とはまた違った楽しさがあった。カノンさんの完璧なルートファインディングによりあっさりと北穂に到着出来た。

昨日も思ったが、ルートどりは何か所も出来そうなので(どこでも行けそう)余計に難しいのであろうと思う。

上高地まで下山と思うと気が遠くなったが、雲ゆきがあやしくなってきたので頑張って早々に下って行った。上高地に到着後に豪雨が降ってきた。ギリギリ セーフだった。

メラに入会したころ、穂高山行、特に奥穂が目標であった。今回皆さんに支えられてアッサリと目標をしかもバリエーションルートで達成できた。メンバーの皆さんに感謝いたします。そして、今のところ今回の様な岩稜歩きがまさに自分のしたかったことではないかと感じている今日この頃です。



ちびサンボ

▲北穂高岳

大好きな岩稜歩き。しかも天気が良くなると信じてたからすごく楽しみにしてたのに、5・6のコルへ登る途中で突然カメラが壊れた。バッテリーを入れ直しても直らない。ショックでテンションは半分以下に下がった。やりきれない思いをしながら登ったが、メンバーと楽しく登れたからまぁいっか。奥穂からの下山は皆くたびれた様子だが私は元気。ここで頑張らないと明日は登らないと言われそうだから、皆より先にテントへ戻って夕飯の支度をする事にした。なのに、ZONOは登らないと言う、リーダーのカノンも乗り気じゃない。何でや!!山に来て山に登ろうとしないなんておかしい!ちょっと腹が立ってきた。すったもんだしながら寝て、3時に目が覚めると星が出てる。やった。登れるぞ!!北穂東稜は快適。こんなの大好き!!やっぱり登って良かった。涸沢からの下山はさすがにしんどくて、足が棒のようになった。色んなものが壊れたり鼻血を出す者がいたり、ハプニングはいっぱいあったけど楽しかった。次回は春山を皆で登りたいなぁ。また、よろしくお願いします。


▲前穂北尾根をバックに


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

雨の白馬でのんびりバカンス (近日追加予定)

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