上松から木曽駒ヶ岳、桂木場への縦走 (ココノール)


■日 時 : 2020年3月20日(金)~22(日)  

■目 的 : 雪山縦走

■場 所 : 中央アルプス・木曽駒ヶ岳

■参加者 :


ジャッキー

ココノール

▲金懸小屋
■行 動 :

20日:名神高槻バス停6:15 登山口駐車場10:00 登山出発10:40金懸小屋13:47 ラクダの背14:58 6合半先のテント場16:10就寝19:45

21日:起床2:50 登山開始5:30 木曽前岳9:30 木曽駒ケ岳11:15 遭難記念碑13:45 茶臼山分岐15:00 大樽小屋16:40 就寝20:00

22日:起床3:40 小屋発5:20 桂小場7:30 タクシー乗車8:20 伊那市駅8:56-木曽福島駅10:30 駐車場11:00

▲テントから三ノ沢方面




登山口の駐車場で2台の車が駐車してあり出発準備をしていると新たな車がやってきた。男女二人連れで、聞けば今日は金懸小屋に泊まるそうだ。私たちは広い林道を歩いて行き敬神小屋から針葉樹林の登山道に入った。登るにつれて数センチの積雪が現われるも登山道の雪は融けて凍っているので歩きにくい。そして雪が降り始めて登山道も白くなってきた。金懸小屋の下では20cmほどの積雪であった。小屋のベンチに荷物を置いて休憩した。二人連れはアイゼンを外して小屋に入った。私たちはこの日アイゼンをつけずに歩いた。ここからさらに樹林帯の中を歩いて行く。この日は先行パーティのトレースがあった。翌日には3パーティほど出会うことになる。前回も同じ頃に来たが他パーティには会わなかった。今回は駒ヶ岳ロープウェイが停まっている影響かもしれない。この日は標高2210mの樹林帯にテントを張った。雪は止んで青空が見え始めた。三ノ沢方面の山が見えている。風は断続的に樹林をざわつかせているが、テントは影響を受けない。 朝の出発時は明るくなり始めていたが樹林帯の中はしばらくヘッドランプをつけて歩いた。8合目前後で上部に幕営したパーティに出会いトップを交代しながら歩いた。先行者はあったが足首上の軽いラッセルをしながら上を目指した。森林限界の上に出ると風がでてきたがあまり強くはない。木曽前岳を望むあたりから雪稜がやせて雪庇も出てくる。歩いて行くと先行者が立ち止まっていた。その少し先はナイフエッジに雪庇がついている状態でトレースが途切れている。先ほど下山していったパーティはここで登るのを諦めたのだろう。ピッケルを取り出すためにザックを置き休憩して行動食を食べた。しばらくすると登山口で会った二人連れがやってきた。ジャッキーが、「ここを行けますか?」と聞くとうなずいて通り過ぎた。ところがトップの男性はナイフエッジのエッジに近い部分を踏み固めてまっすぐ進み始めた。「これはえらいことになるぞ」と思ったがしばらく見ていた。ジャッキーも心配して見ている。行動食を食べ終わってザックをかつぐと呼びかけた。「あのお、大変そうなので交代しましょうか」。女性が前の男性に向かって「○○ちゃん、交代してくれるそうよ。どうする?」と2回。結局、男性はトップを譲った。私は左斜面の灌木が出ているあたりまで下りて壁に向かってピッケルを差し込んでアイゼンを蹴り込み横歩きに進んだ。部分的に傾斜は強く凍っているので少し緊張した。ナイフエッジ部分が終わって安全なところで一息ついていると二人連れは「ありがとうございました」と言って先行した。木曽前岳下の急斜面を登っていくと数人が下の方から続いてくるのが見えた。前岳で休憩して下ると小屋が雪に埋没していて屋根の上を通った。このあたりから風が強まってきた。斜面は氷化している部分が多くなった。馬の背がこんな状態やったら手間取るなあと思った。頂上はくだんの男女と我々の4人だけだった。写真を撮り合った。彼らは金懸小屋までもどるそうだ。

頂上から馬の背までは一部にアイゼンの踏み跡があった。今日、西駒小屋あたりから往復したのだろう。伊那谷方面は雪がなく茶色っぽい風景につつまれて、その向こうに南アルプスがよく見えている。足首が沈む程度のラッセルで馬の背まで進んだ。馬の背の急斜面は雪面が固めだがアイゼンはよく効く。そのまま慎重に小刻みに下りたので時間がかかり足首が疲れた。広く安全な尾根をしばらく行くと風が強まり歩きにくい。視界は良い。遭難碑が見えるあたりに来ると体が風に持って行かれそうになる。遭難碑で休憩してからはますます強まり耐風姿勢をとっても体が揺らされる。耐風姿勢ばかりしていては進まないので姿勢を低くして無理矢理歩いて行く。ジャッキーは後ろで立ち止まっている。風が弱まった時に早足で進む作戦のようだ。将棋頭山をすぎると風は弱まってきた。このあたりから登山者数名に出会った。尾根には踏み跡が多いので小屋にすでに入っている登山者が多いのかもしれない。一人と立ち話をしていると、強風のため引き返したパーティもあるとのことだった。

木曽駒ヶ岳をもう一度見て樹林帯に入り大樽小屋に向かって下り始めた。樹林帯は無風で静かだ。トレースは踏み固められており歩きやすい。足が疲れていたが小屋泊まりなので気は楽だ。熊笹が雪面から表れてきてしばらくすると樹林の隙間に小屋が見えた。小屋の引き戸を開けると誰もいない。狭いが木の床はゴミもなくきれいである。気温が高いのでテントを張らずに泊まることにした。ここも標高2100mほどある。荷物を広げ放題にしてのんびりと過ごした。体は筋肉痛がある。今回縦走したのは我々だけだった。

 夜明けにアイゼンを装着してヘッドランプもつけて出発した。30分もいくと雪が消えてきた。日陰は凍っている。桂木場に下りて電話でタクシーを呼んだ。20分ほどしてタクシー会社から電話があり、桂木場の下のキャンプ場でゲートが閉まっていて通行できないので下ってほしいと言われた。前に来たときは下のキャンプ場で泊まってタクシーを呼んだのだった。その前は11月末だったのでタクシーが来た。15分ほど下ったらタクシーが待っていた。12月からは通行止めとの表示があった。

▲森林限界をこえて頂上方向へ

▲雪庇の手前

▲頂上から将棋頭山へ

▲木曽駒ヶ岳頂上

▲馬の背を振り返る

▲ 将棋頭山から


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

セルフ・レスキュー訓練報告 朝日岳山行報告

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