八ヶ岳・横岳縦走 (ココノール)


■日 時 : 2020年1月3~5日  1/3:曇り、1/4:晴れ時々曇り、1/5:雪、曇り  

■場 所 : 八ヶ岳 赤岳~硫黄岳の縦走

■目 的 : 雪山初級教育

■参加者 :


じゅん
(装備、記録)

YUMI
(気象、食料)

ココノール
(リーダー)




1/3(金)

5:30 JR三ノ宮駅の南側ロータリーで集合(じゅん)。
6:00 阪急武庫之荘駅の南側で集合(YUMI)、ココノールの車で八ヶ岳へ
    高速から八ヶ岳を望むと稜線にはガスが厚くかかっている。諏訪湖は凍結していなかった。
11:00 美濃戸口到着。ここで各自装備を確認し、アウター上下、ロングスパッツを身に着ける。ワカンは置いていく。
11:45 駐車場の手続きを済ませ出発。ココノール、じゅん、YUMIの順番。
12:44 美濃戸山荘で休憩。林道は凍結している。
13:50 堰堤広場で休憩。手袋を強化したり、フードをかぶる。途中で元会員のちびサンボさんに会う。
15:00 赤岳鉱泉到着。3時間15分の行程。アイスクライミングをしているパーティーが3組程度。小屋はいっぱいで、テントも混んでいた。小屋横の一段高いところに設営する。雪が浅くて竹ペグが使えないところは、木から控えをとる。
16:00 設営完了。YUMIは軽い高度障害。
17:00 夕食。キムチ鍋、しめはラーメン。食後にお茶を飲みながら海外登山の話をする。各自のテルモスに明日のお湯を詰める。
20:00 就寝。明日は3時に起床、5時出発。赤岳山頂で天候と雪の状態を見て縦走するかどうか判断する。


▲美濃戸口の駐車場で歩く準備
1/4(土)

3:00 起床、朝食はうどん。生めんで美味しい。
5:15 出発、テント場は無風状態。星は出ていない。ビーコンを確認した後スタート。
    YUMI、じゅん、ココノールの順番。文三郎尾根から赤岳へ。
7:00 稜線手前で服装チェックと行動食、ガスガスで何も見えない。稜線にでるとYUMIがグングン高度を稼ぐ。風が強い。雪は締まっている。
8:10 赤岳山頂。山頂手前からガスが取れて快晴。ココノールがYUMIとじゅんに体調を確認すると、二人とも良好と返事をする。硫黄岳まで縦走することに決める。ここから最後までココノール、じゅん、YUMIの順番。赤岳展望荘で休憩。
9:00 地蔵の頭。
10:10 横岳山頂。山頂は快晴。硫黄岳にはガスが掛かっている。硫黄岳山荘で休憩。
11:40 硫黄岳山頂。山頂手前の大ダルミで特に風が強い。山頂に近づくに従ってガスがとれ、山頂で快晴。赤岳鉱泉への下降、ココノールはトレースのある夏道ではなく冬道を選択する。赤岩の頭で山座同定し、景色を楽しむ。
12:55 赤岳鉱泉到着。行程7時間40分。ココノールは美濃戸口まで前進することを選択。
14:10 お茶休憩、テント撤収、下山開始。
16:30 美濃戸口到着。行程2時間20分。林道は凍結している。途中、美濃戸口山荘で休憩。赤岳山荘近くの雪崩事故の慰霊碑に立ち寄りココノールから説明を聞く。
19:30 就寝、八ヶ岳山荘で外食して食後にコーヒー。入浴をすませ仮眠室で就寝。こざっぱりしていて暖房もされている。快適。

▲文三郎道を歩くも視界はあまり良くない

▲赤岳で雲が切れた

▲赤岳頂上

▲赤岳から縦走路に入る

▲横岳方面 風が強い

▲横岳頂上

▲横岳から赤岳と阿弥陀岳 その向こうに南アルプス

▲硫黄岳頂上から 積雪が少ない
1/5(日)

 4:00 起床。そのまま出発。昨晩5cm程度の降雪あり、帰りの高速道路で除雪部隊が忙しく仕事をしていた。
 6:00 サービスエリアで朝食。
9:40 阪急武庫之荘駅到着。解散。帰省渋滞に会わなかった。



ココノール

今回は雪山初級教育で雪山実技は2回目だ。じゅんの教育とトレーニングでは、
初級クライミングを11月に修了しフォローで登りビレイができるようになった。ボッカトレ(自主トレ)、体力は特に問題なし、地獄谷アイゼントレ2回(フィックス通過とビーコン操作を含む)で指摘されたことが概ねできるようになった、近畿ブロック雪崩講習(雪山での講習は未受講)、雪山座学(気象は未)、千畳敷カールから木曽駒ヶ岳登頂と滑落停止訓練(12月)で特に問題はなかった。このたびの教育はじゅんの1名であり、これまでのトレーニングが比較的順調であったので雪山実技の2回目は横岳縦走の計画にした。

YUMIの参加により3人で行けたので実施できた。今冬は積雪が少ないが縦走できるだけの雪はあった。ただ少ないので縦走路の石があまり埋まっておらず、特に硫黄岳付近では石の露出により歩きにくかった。赤岳鉱泉のテント場では竹ペグの埋設に難があった。テント設営は雪を集めて斜面を埋めて踏み固める作業が必要だった。

天気は悪い予報ではなかったが入山日と縦走の早朝は雲が多く、赤岳頂上直下で晴れ始めた。その後は雲に包まれることがあった。風は断続的にやや強く歩行は時として不安定になった。気温は高めなので凍傷の心配はほとんどなかった。

ずっとトレースはあり縦走する登山者に数回は出会った。横岳手前の「難所」では氷はなく固い雪面状態がありバックステップで下りた。

総合的に判断して今回の縦走は悪い条件ではなかった。順調に終えることができて良かった。じゅんは春までに山行回数を重ねて来季はステップアップできるようにしてほしい。



じゅん

八ヶ岳は初めてで、今回のルートを調べると、結構難しいみたい。また、天気はどうなんだろうと不安があったが、前日早めにパッキングを済ませるとすることがないので、家でゆっくりビールを飲んでいた。今年は贅沢な正月だ。

1月3日の早朝に集合するとココノールさんの車で八ヶ岳に向かう。昼前に美濃戸口に到着した。装備の確認をして今日は赤岳鉱泉まで登る。単調で長い林道歩きが退屈だ。小屋につくと、テント場は混んでいた。16時に設営が完了すると、ココノールさんは靴のままテントに入る。座学で習った通りだ。夕食はキムチ鍋。最初に豚肉を茹でてキムチ鍋のもとを入れ、キムチ、厚揚げ、しめじ、カット野菜をほり込む。ぐつぐつ煮込んだ熱々を食べる。しめはラーメンだ。美味しい。正直、食料担当がYUMIさんでよかった。食後にお茶を飲みながら海外登山の話をした。ココノールさんから体験が聞けるから面白い。キムチ鍋が効いたのかシュラフに潜り込むと汗をかいた。

 1月4日、私はもともと眠りが浅く、熟睡はできなかったが、温かくてリラックスできた。朝食は調理済み冷凍うどんだ。解凍するだけだが、これがまた美味しい。今日はYUMIさんがトップでスタート。少し歩くと行者小屋に着く。美濃戸山荘から南沢を通るとここに出ると教えてくれた。稜線手前でYUMIさんが立ち止まりここで休みを取る。服装をチェックして行動食を食べた。稜線にでるとYUMIさんはグングン高度を稼ぐ。調子はいいみたいだ。

8:10 赤岳山頂。山頂手前からガスが取れて快晴になり眺望が楽しめた。ココノールさんから二人に体調確認があり、二人とも良好と返事をした。硫黄岳まで縦走することに決まり。ここから最後までココノールさんがトップで歩く。

11:40 硫黄岳山頂。山頂手前の大ダルミで風が強くて閉口した。3人の普段の行いが良いのか、不思議なことに今日は山頂に近づくに従ってガスがとれ、いずれの山頂でも快晴になった。硫黄岳まで気持ちよく歩けた。ココノールさんの後ろを歩くので気分的に楽だし、梯子と鎖は雪で埋まっていなかったためである。両脚は2本のレール、アイゼンは丁寧に置く、この2点は常に心掛けた。特に疲れた時は注意した。地図はポケットに準備していたが、風が強くて硫黄岳山荘で1回確認できただけ。木曽駒の時、家で地図をよく見て山の概念図を頭にインプットするように言われた。私はココノールさんの教えを守らずインプットしなかったことを後悔した。

赤岩の頭からは樹林帯のやさしい下り道。私はてっきりテン場で終了と思っていたので「小屋でビール」と心で唱えながら呑気に歩いていた。小屋の近くでココノールさんからまだ早いから美濃戸口まで降りるといわれた。冷たいビールが熱いお茶に代わった瞬間だ。それはともかく、美濃戸口まで降りる。ココノールさんからアイゼンを着けずにバランスと体幹を鍛えるように言われた。つるつるに凍結しているところは結構怖く、スリップしそうでひやひやした。かなりくたびれて、八ヶ岳山荘の屋根が見えるとほっとした。

翌日帰りの車中で次はどんな山をやれば良いか聞いてみると、人があまり入っていない山で、ラッセルとルートファインディングの力をつけると良い。そういう意味では八ヶ岳ばかり行ってもダメと言われた。トレースのないところを一人で歩く心細さ、吹雪であっという間にトレースが消える恐怖を思い出した。体は疲れたけど、縦走ができて達成感でいっぱいだ。地獄谷でのアイゼントレから横岳縦走まで、たくさんアドバイスを頂いたココノールさん、猪上さん、YUMIさん、ありがとうございました。



YUMI

いつも高所に行く時は出発の前日から高山病対策の薬を飲んでそなえ、予防の為に山行中も服用を続けるのですが、薬に頼ってばかりでもいけないと思い今回は薬を飲まずに行きました。

美濃口からゆっくりペースでしたが、小屋に着く30分くらい前から症状が出始めテント設営時が1番しんどく、設営中でしたが薬を服用しました。

しばらくするとよくなり、ご飯も普通に食べ、この夜はテントも冷え込むことなくよく眠れました。

次の日は先頭でゆっくりペースで歩かせてもらったおかげか、赤岳山頂まで高山病の症状が出る事なく到着でき自分でもびっくりしました。

文三郎では展望ありませんでしたが、山頂では遠方まで綺麗に見渡せ、強い風の中でしたが景色を楽しめました。

体調を確認され、大丈夫でしたのでそのまま縦走を開始しました。

ここからはココノールさんが先頭で歩きました。体全体を押され時おりよろめきそうになる強い風が吹いていました。歩き続けているのに最後まで体温は上がりませんでしたが、歩行自体は順調でした。難なく横岳、硫黄岳を通過。

赤岩の頭からも雪の状態が安定していました。テントまでの道すがら、昨日ココノールさんが早くテント場まで帰れたら、そのまま美濃戸口まで降りるかも。と言っていたのでどっちになるんたろう?とドキドキでした。

テントに着くと、お茶休憩してから美濃戸口まで降りよう。となりもうひと頑張りしました。

今まではアイゼンを付けてテン場を出発していたのですが、今回は行きも帰りも付けず、また長時間歩行で良いトレーニングになりました。


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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