キリマンジャロ (報告/ジプシー)


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(・・・つづき)

登山5日目 (11月25日):キボハット(4,720m)→ ウフルピーク(5,895m)→ ホロンボハット(3,720m)

23時起床。ガイド差し入れのカップ麺で小腹を満たし、いざ出発。しかし、外はみぞれ混じりの小雨。昨日はあれほど好天だったのに。自称晴れ男の名が廃る。仕方がないので予定通り出発。気温は高め。頂上でも最低気温がマイナス15度との事前情報なのでアウターはレインウェアのみ。雨なのでちょうどよかったと気持ちを切り替えて登り始める。キリマンジャロはキボハットから本格的な登りが始まる。まあまあの急登。息が上がれば即高山病。ヒューヒューと深呼吸しながら急斜面をジグザグに登っていく。相当ゆっくりのペースだが2名のメンバーが付いて来れない。黒人のガイドリーダーが最後尾に下がり、サブリーダーがトップを行く。サブリーダーに付いて少しずつ登っていくと天気も回復し、きれいな月が出てきた。まだ風流を感じる余裕がある。体調もいい。何よりも気が張っているからか頭がスッキリと明瞭だ。平地より冴えているくらいだ。キリマンジャロの東稜を詰めきった場所がギルマンズポイント。キリマンジャロ3ピークの一つで、ここを登っただけでも登頂証明は発行される。但し、他のピークと差別化され証明書の色が違う。

ギルマンズポイントへの最後の急登は手を使ってよじ登る。しかも雪が多くミックスになっている部分もある。さすがに息が切れそうになるが大きく息をして乗り越える。そして予定より1時間早く4時40分にギルマンズポイント(5,685m)に到着した。寒い。いつもは少し体が温かくなるペースで歩くので寒くならないが、ここでは息が上がらないペースなので寒い。さらに空気が薄いと寒く感じるらしい。レイヤリングは完全に失敗した。ここで寒さに耐えきれず予備のダウンを着込むことになった。  ギルマンズポイントからは火口を右手に見ながらお鉢を左に回り込む。ここ数日で積もったらしい雪が思いのほか多く、ここからのトラバースも右側に切れ落ち気が抜けない。傾斜は緩やかになったが、相変わらず寒い。しばらくして背中の方から陽が登ってきた。太陽の温もりを感じる。ご来光に暫し立ち尽くして見入る。第2ピークのステラポイント(5,756m)を越えて、いよいよ目標が射程内に入ってきた。最後のスロープにさしかかる。以前TVでも見た光景が目の前に広がる。一歩一歩。最後のポレポレ。そして6時50分、目標のウフルピーク(5,895m)に登頂した。

▲マウェンジ峰の方角から朝日が昇る

▲TVでもお馴染みの最後のスロープ

▲アフリカ最高峰のウフルピーク

▲年々少なくなっている氷河

▲頂上からのマウェンジ峰

▲勝利の雄叫び

▲ステラポイント

▲雪が多く緊張する斜面に

▲ギルマンズポイントへ

▲ギルマンズポイントへの急登


登山6日目 (11月26日) : ホロンボハット(3,720m)→ マラングゲート(1,820m)

長いようであっという間の山行も今日で最後。3泊もお世話になったホロンボハットを後にする。登りは2日間だった行程を1日で下る。高度や呼吸を気にする必要もない。どんどん下る。ほかのメンバーも口数が少ない。疲れというよりもいろんな思い出を振り返っているのだろう。マラングゲートでは全員登頂を祝してシャンパンで乾杯。6日ぶりのアルコールに酔いが回る。最後は現地スタッフによる踊りでフィナーレ。最も印象に残っているスタッフは食事担当の通称マジモト(暑いお湯)君。英語はほとんど話せないが、不思議と会話ができた。彼の「マ~ジモ~ト」のフレーズは今でも耳に残る。今回無事に5,895mという高所登山を成功で終えられたのもガイド・コック・ポーターなど彼ら現地スタッフのおかげである。そう思うと6日間の思い出とともに胸の内が熱くなり、感謝の気持ちでいっぱいになった。

▲昨日登ったキリマンジャロが姿を現す

▲ゲートの裏側はConguratulation

▲サブリーダーのレッサリオと

▲現地の踊りでお別れ

登山後

西遊旅行のツアーは帰国日に半日間のサファリ観光が付いている。ここでも人生初のサファリを体験することに。しかもアルーシャ公園では珍しいと言われる白いサルやカバにも遭遇。楽しい思い出がまた一つ追加されることになった。


▲現地人も驚く白いサル

▲カメラ目線のキリン

▲分かりにくいけどカバ

▲定番のシマウマ

特記事項

今回の高所登山で体験し、今までの登山にはなかった気付き点を簡単にまとめてみる。 キリマンジャロは高山病にさえならなければ誰でも登れる山だが、ひとたび高山病を発症すると、どんなベテランでも下山を余儀なくされる。高山病をいかに避けるか。これが高所登山の極意であろう。

(1) 高所登山のポイントは呼吸法と水分補給。 息は大きく素早く吐く。吐くことに気を付ける。水はできるだけたくさん飲む。トイレが近くなるがそこは割り切る。私は2時間に1回はトイレに行きました。

(2) 深く眠ると高山病になりやすい。 個人差があると思うが、熟睡すると呼吸が浅くなり高山病になりやすいとのこと。宿泊地に着いてすぐ寝るのはダメ。浅い眠りと深い呼吸を心掛ける。

(3) 下りでも高山病になる。 何人か道端にうずくまっている人や抱きかかえられて下山している人を見たが、ほとんどが登頂後の下山途中である。下山中も呼吸を浅くすればすぐに高山病になるので要注意。

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メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

屏風岩登攀 明神岳南西稜から明神岳登頂

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