2日目が悪天予報なので初日に行けるところまで行くことにしました。沢渡に到着後は4人が車で仮眠をとった程度で早めに上高地に向かいました。タクシーで上高地に到着後、速めの歩きで横尾に向かいます。T4尾根取付きの他パーティーの数が気になります。横尾に到着後は取り急ぎ、テントを設営してから登攀に出かけることにしました。しかし、テントを袋から出そうとすると、冬用の外張りが出てきました。もう一つは夏用の外張りです。袋と中身が違うものが入っていました。私が出発前に確認をしていなくて、大失態をしてしまいました。とりあえず、ツエルトを1つのみ張って出ることにしました。
▲横尾テント場
取付きまでのアプローチは横尾の橋を涸沢方面に超えて15分程度で岩小屋跡の表示やケルンが出てきます。そこから河原を2度徒渉しました。浅いところを探せばさほど靴は濡れずに済みました。徒渉して目の前のルンゼを1時間弱登りました。思っていたより長く疲れました。最後の方の部分はガレていて落石をもたらします。100m程手前から、country
gentlemanはブッシュの中の踏み跡を歩いていましたが、そちらのほうが良さそうです。帰りはそこを歩いて下りました。
▲屏風岩東壁とT4尾根
取付き手前で2パーティー程、T4尾根を登っているのが見えました。更に取付きには2パーティー待っていました。横尾でテントの件でもたもたとしてしまったのがあだになりました。取付きに我々2パーティーが立つとスペースはいっぱいで窮屈になりましたので、私は少し下がったところで待機しました。ゆっくり登攀準備をして到着から1時間程でcountry
gentleman-カノンペアが登ります。そのあとをちびサンボ‐Ryuchanペアが続きます。T4尾根は4ピッチ(3P目は歩き)で、書籍ルート図には1P・IV級、2P・V‐級とありましたが、それほど難しくはないです。しかし、途中に浮いている岩もありましたので注意して登りました。4ピッチ目は簡単なチムニーとスラブを登ります。雲稜ルートの取付きに着きますと、よく写真で見る凹角が目の前にあります。テントは4人用を2張りは出来そうです。
▲雲稜ルート1ピッチ目
待っている間、前のパーティーが登っているのを見ると中間ぐらいの小さなハングと1P目最後に少し右に折れるところのハングで苦戦していました。実際に登ってみると中間の小ハングはそれほどでもないですが、最後はさすがに疲れてきてAOでハングを超えました。2P目のビレイ点は1箇所しか取れなくて、また待つことになりました。更に時間を使い、あとでちびサンボにアドバイスを受けましたが、少し手前の残置支点やナチプロを使ってでも構築してちびサンボを上げるべきだったと思います。2P目は最初のピナクルを超えて右上していきますが細かくて厳しいところでした。次のピナクルで左に折れるので最初のcountry
gentleman、次のちびサンボ共、そこでピッチを切りました。そこから簡単なバンドを左上すると安全な扇岩テラスに着きました。3ピッチ目のビレイ点をもう少しだけトラバースするとビバークスペースがあります。小さなテントでしたら1張り出来そうです。タイムオーバーで3P目は諦めました。ルートを眺めると絶対にアブミ無しでは登れません。
▲雲稜ルート3ピッチ目
懸垂下降をしますが、雲稜取付きまでダブルロープをいっぱいまで使います。実際にほんとギリギリなので最下部にお助けの残置ロープがありました。1セットのロープで4人が下りますが、そこからはロープを回収する者、次の懸垂ロープをセットする者と仕事を分担して手際よく出来たと思います。T4尾根上部からはダブルロープで3P目の歩けるところまで懸垂、2P目の終了点まで歩いて、またそこからダブルロープで懸垂、T4尾根取付きまで届くかなと思いましたが3m程届いていませんでしたので中間の1P目終了点で切って、再度ダブルロープで懸垂しました。最後の懸垂下降は私でしたが辺は暗くなっていました。装備をある程度片付けて下って行きましたが、暗いせいなのか横尾谷の河川までとても長く感じました。横尾に着くと真っ暗ですがテント場はまだ賑わっている時間でした。テントが無いのでフライをターフ代わりにして、食事場をバタバタとこしらえました。ビールと食事を美味しく頂き、時間も遅くなったので早々に切り上げました。Ryuchan、ちびサンボはツエルトでcountry
gentleman、カノンは避難小屋の入口で寝ることになりました。翌未明から雨風が強く降ってきました。3時頃からはツエルトが壊れるのではと、あまり眠れませんでした。翌朝はとりあえず6時に起きましたが雨が強く外に出る気がしません。7時過ぎに少し小降りになったので一気に片付けて上高地に帰りました。上高地で朝ごはんのカレーパンを食べました。
▲扇岩テラスにて
念願の屏風岩を触りましたが、今回も途中敗退してしまいました。しかし、今年は2日目の天気が悪いことが分かってはいましたが、とにかく現地に行くことにしました。1日目に可能な限りとなりましたが行ってよかったです。自分にはいい経験となりました。また来年は新たな仲間とも!