北鎌尾根から表銀座への縦走  (報告/Ryuchan)



■日 程 : 2015年9月18日(金)晩~23日(水)

■山 域 : 北アルプス 槍ヶ岳北鎌尾根から表銀座への縦走

■目 的 : 岩稜縦走及び沢登りの経験

■参加者 :

Ryuchan
(リーダー)

はっせー
(渉外・医療)

ちびサンボ
(サブリーダー)

isoroku
(気象)

ジプシー
(装備)

ジャッキー
(記録)

アムロ
(食料・会計)
■行動日程

18日(金)21:00集合 車で出発

19日(土)2:40道の駅安曇野松川着3:00就寝・5:00起床~6:00大町駐車場(アルピコタクシー)からタクシー移動~6:30高瀬ダム着~6:45高瀬ダム出発~8:10名無避難小屋~9:20湯俣分岐~9:50渡渉開始~10:40撤退(高巻きに切り替え)~11:00高巻開始~渡渉ルート迷い12:00-12:40~13:55出合前休憩~高巻きルート迷い14:30-15:30~17:20 千天出合テント泊~18:00夕食~19:00就寝

20日(日)3:30起床~5:50出発~7:00-8:20滝越え(高巻き)~9:00P2取り付き(P2からの登りは中止)~12:00 北鎌沢出合着~13:30-14:15北鎌沢偵察~15:30夕食~就寝18:00

21日(月)3:00起床~4:30出発~7:15北鎌尾根P7・8コル少し先~8:10天狗の腰掛け(P9)~9:00独標(P10)のコル~10:30(P12・13)のコル~12:30(P14)の尾根~13:25北鎌平~14:40槍ヶ岳山頂~15:45殺生ヒュッテ~16:45夕食~18:30就寝

22日(火)3:30起床~5:15出発~7:10水俣乗越~8:20ヒュッテ西岳~9:55びっくり平~10:15大天井ヒュッテ~12:00喜作レリーフ~14:20燕山荘~16:30夕食~20:00就寝 

23日(水)4:00起床~5:30出発~7:43下山~9:30薬師温泉~10:45帰阪~18:00頃到着




19日(土)

珍しく天気は良さそうです。予報も最終日以外いい感じでした。しかし、出発までの数日、雨がよく降っていたので沢の増水が心配でした。金曜日の夜に予定通りの出発で道の駅、安曇野松川でテントを張り仮眠をとりました。他にも山行の方々がテントを張っていました。結構人気の仮眠場所のようです。道の駅を出発後は大町にあるタクシー会社アルピコタクシーに自家用車を置く事ができて、そこからタクシーで高瀬ダムまで移動です。歩いて1時間程手前の七倉ダムまでは自家用車で行けますが、時間を考慮して高瀬ダムまでタクシーを使うことにしました。高瀬ダムより湯俣温泉まではひたすら林道を歩きます。3時間弱かかりました。途中に名無避難小屋があり覗きましたが畳も敷いており快適そうでした。湯俣に着いて傷んでいる吊り橋を水俣川の左岸に渡ります。ここから徒渉で対岸渡りの繰り返しが始まります。皆が沢登りの装備を装着します。先行パーティーの3人が徒渉をしようと沢に浸かりルートを探っていましたが、水深があり流れもきつい様で引き返してきて高巻きに変更すると言って高巻きしていきました。渓流釣をするisorokuに沢を少し探ってもらいましたが水量が多いからずっと沢を詰めるのは難しいのではとなりましたが、一度この水量、流れを体験したかったのでとりあえず一度渡ってみたいと申し出て対岸に渡ることにしました。

▲湯俣最初の徒渉地点
一応ロープをつけてストックで踏ん張りながら歩きますが一部腰辺りになると流れに持って行かれそうになりました。メンバー何人かが渡り、先の様子を見に行きましたが、同じようにロープをつけた徒渉を繰り返さなければならないようで時間がかかり過ぎそうです。戻って高巻きに切り替えることにしました。1時間程ロスしてしまいましたが私としては徒渉可否の判断要素を確認できて良かったと思っています。後から来た他のパーティーが私達の様子を見ていて引き返して行きました。高巻きでも最後に千天出合で対岸に渡るのですが、この水量だと厳しいのではないのかと言っていました。とにかく私達は行ってみることにしました。高巻きのルートは明瞭でした。偽分岐の様なところが時々出てきますが、いちいち確認すれば大丈夫です。途中、ガレ場で切れているところは慎重に歩きました。1時間程でもう一度、沢に下りました。中東沢の分岐を気にしていたのですが、高巻きの間に過ぎてしまったのかよく分からなくなってしまいました。

▲徒渉
沢の水量は相変わらず多いですが行けそうなので、そのまま沢を歩きます。途中、高巻きのルートの様なトレースを発見して迷いました。ちびサンボが途中まで様子を確認しに行きます。すごく登っていくようで途中からルートがよく分からなくなっているとので下りてきてもらいました。何とか沢を詰めることにしました。腰まで浸かるところが何度も出てくるようになり身長がないものはきつかったと思います。しかし、だんだん徒渉に慣れてきてスムーズに渡り歩くようになりました。どうしても深いところはヘツリます。上の方からお助けロープが垂れ下がっているのですが、すぐちぎれそうで信用できません。壁にへばり付いてトラバースをします。

▲ヘツリ
徒渉を繰り返していつの間にか左岸の歩きがメインになってきました。左岸に落ち着くまでに幾度も徒渉を繰り返し、ロープも1回だけ使いました。おそらく千天出合までもう少しのところで休憩をしました。その先、千天出合までもう少しなのでしょうが、沢は激流となってきて進めそうにないです。高巻き出来そうな入口を見つけて試みますが、ひたすら登ります。一山越えそうなぐらい登って、ズルズル滑るし、ルートもはっきりしなくなり引き返すことにしました。後で考えると、もしかしたら北鎌尾根P2付近までカット出来たかもしれませんが分かりません。戻ってから付近でおそらく正解の高巻きルートを見つけることができました。そこも切れていて危険なので一応ロープを出しました。リードで詰めていくと千天出合いに到着出来ました。何度か安全優先でロープを出しましたが7人ですのですごく時間がかかります。ロープを出す判断が難しいと思いました。17時を過ぎていたのでここで幕を張ることにしました。天気はいいので外での食事にしました。若干、激流のミストシャワーを浴びながらで寒くなってきました。早々に就寝となりました。


20日(日)

予定より遅れているのでこの先の行動予定を確認しあいました。普通に行ければP2まで1時間ですので予定通りにP2から登ろうと、P2まで必要以上に時間がかかってしまったら北鎌尾根P2からの登りを諦めて北鎌沢出合までこのまま沢を詰めようとなりました。最初は高巻きで左岸を歩きます。歩き出して15分程で沢に戻りました。少し沢を詰めると早速行き詰まりました。昨日の最後に引き返したような大きな高巻きでした。途中まで行って、おかしいんじゃないかとなり、戻って他のルートを探したりして意見も別れましたが、やはりそこを登るほうが安全と判断しました。途中から傾斜のある草付きのトラバースになりロープを出すことにしました。昨日から私がリードしてフィックスを張り、間の5人はプルージックでの移動、最終のフォローとしてきましたが時間がかかります。結果的に最後となった高巻きを終えてP2の取付きらしきところに到着しました。千天出合を出発して3時間かかってしまいました。P2から登ると後の行程が微妙な感じになってきました。私を含めてメンバー総合的な体力、技術を考慮するとP2からP7までは研究はしてきましたが未知のルートです。本日、どこまで進めるか想像が出来ませんでした。リーダーの判断でP2からの登りは諦めて北鎌沢出合までこのまま沢を詰めることにしました。P2取付き、ビバーク適地を確認してから名残惜しいですが沢筋に下りて沢歩きを再開します。その後も何度も徒渉をして途中、はっせーがドボンとなったりしましたが3時間程で北鎌沢出合いに到着しました。まだ12時で時間的に中途半端だったからなのか、ほとんどテントが張っていませんでした。いい場所を2張り分探して設営します。設営後、しばらく休憩をしてから北鎌沢の途中まで下見に行きました。右俣・左俣の分岐まで行って引き返しました。

▲北鎌沢出合にて
早めの夕食の準備をして焚き火にあたりながらリラックスをした食事をとることが出来ました。疲れているのか皆さん本日も早めの就寝。Ryuchan、ジャッキー、ちびサンボは少しお酒の残業をしましたが、明日も早いのでほどほどにしました。


21日(月)

暗がりをヘッドランプつけて出発です。既に何パーティーか出発していて北鎌沢の上の方に明かりが見えます。ジプシー先頭で登り始めます。ルートは基本的にずっと右通しです。コル手前最後のみ左だったはずです。「ゆっくりね」とジプシーにお願いをします。400m弱を一気に登るので結構きついです。右俣・左俣の分岐を超えてから先頭のジプシーが右に進む所を左に行ってしまいましたが、まあ右を意識していれば戻れるだろうと思っていました。しかし、左に進むいっぽうで途中から右方向に強引にガレ場を登り修正しましたが、案の定、7・8のコルはショートカットしてP8を登る途中に出てきました。結果オーライになりました。ジプシーは途中メンバーと離れてしまって強引に正規なルートに修正して7・8のコルを見てきたようです。P8までも結構な登りです。途中ガレ場もあり上からの落石も何度かありました。

▲P8より独標
ちびサンボは拳ほどの落石をヘルメットと耳をかすめました。危なかったです。P9の天狗の腰掛けの辺りにくると景色がいいです。天気がよく槍ヶ岳までの稜線がくっきりと見えます。

▲北鎌尾根
P10の独標はピークを目指さずに千丈沢側をトラバースします。トラバースの入口には明確な緑ロープがフィックスされています。ある程度トラバースしたところで一度稜線に戻るのですが(3年前に来た時も。)異様にガレていて気を使いました。上からも何度も落石がありました。稜線に出てP11を稜線通しに進みP11を越してから進行方向右側のルンゼを下ります。P12辺りでまた千丈沢側をトラバースしてP13を経てP14下部の白く脆い岩壁の大きなクラックを登ります。本当に脆いのである程度、間を空けて一人ずつ登りました。P14は段、段、段と3段あって1段目の白く脆いクラックを登ってから2段目は明瞭なトラバース道を千丈沢側にトラバースしてしまいました。確か、3年前に来た時は2段目も稜線通しを登り3段目からトラバースしたはずでした。2段目をトラバースすると余りにも右方向に稜線から遠ざかっていくので、ここらで修正しようと稜線に戻る岩壁を決めました。3級程度でしょうか?ジプシーが難なく登りましたがアムロが不安そうです。「ロープ出そうか?」そうこうしているうちに上で待機していたジプシーがもう少し歩けばルンゼ状の登れるところがあるとのお知らせ。ちょっとガレていましたが皆が安全に登れます。稜線に出てから少し歩くとまた千丈沢側にトラバースします。このトラバースはP15を超えるまでするのが安全です。少し長めのトラバースです。その後は適当な安全そうな所を探して稜線まで登ります。稜線に出て少し歩くと北鎌平に到着です。ビバーク適地で休憩もゆっくりしたくなります。ここで槍ヶ岳をバックに全員で記念撮影!

▲北鎌平にて
残りあと少し、頑張ろうと出発!私は最後尾で歩いていると、更に後ろから「ヘルメッ ト忘れてるよ~!」私がかぶっていないではないか!取りに下ると向こうも登ってきてくださって、丁寧にお礼を言う。そして、慌ててメンバーに追いつく、疲れた~。北鎌平を超えると岩稜が大きな岩の塊になってきて安定しているので歩きやすくなってきました。そして最後の山壁にぶつかったところで左に少しトラバースすると「穂先は近い 気を抜かず頑張れ」のプレートが貼り付けられたところに出ます。そのプレート横のルンゼを登って少し行くとチムニーが出てきます。ロープ無しで十分でした。チムニーを登ってもう少し行くと2つ目のチムニーが出てきました。ここも難なく登って槍ヶ岳のピークに着きました。連休ということで、ものすごい列が出来ていました。遠慮気味に記念撮影をしてすぐにおります。といっても下りも渋滞していてテント泊予定の殺生ヒュッテまで1時間以上かかりました。槍ヶ岳山荘で生ビールを楽しみにしていたのですが売り切れていてショックでした。槍ヶ岳を振り返ると小屋から列がずっと続いています。暗くなっても列はあったようです。殺生ヒュッテの手前でテント場を見ていると、張るところがあるのかなと心配になってきました。ダッシュで下りて何とか2張り隣同士の場所を確保しました。設営して他準備をして落ち着いてから缶ビールを買いに行きましたが売り切れ寸前でした。何とか買えた久しぶりのビールを美味しく頂いて就寝としました。


22日(火)

 本日は長い縦走です。またまた天気は良いです。殺生ヒュッテを後に東鎌尾根の稜線まで20分程でした。ちょうどご来光が拝めそうなので早速休憩。見事な雲海と富士山も見れて満足しました。

▲東鎌尾根より槍ヶ岳
水俣乗越まではひたすら急な下りでした。コルがずっと先に見えているのですがなかなか近づきませんでした。300m程下って今度は西岳の山荘までまた登ります。この日はこの前半はキツかったけど後半は快適な歩きが楽しめた印象です。紅葉も始まり、雲一つない最高の天気の中を気持ちよく歩くことが出来ました。そして、この日はそんなに気を張らなくて良かったので終始眠たくなってきました。道中は左にずっと北鎌尾根がありメンバーそれぞれがルートを確認していました。北鎌沢もはっきりと見えていてルート間違いの場所もおうよそ確認できました。

▲東鎌尾根より北鎌尾根を望む
ビックリ平というところの少し先に天上沢に導かれる貧乏沢の入口を見つけることが出来ました。この先ここから取り付くこともあるでしょう。大天井ヒュッテで数度目の休憩をして大天井岳はパスです。快適に稜線を歩き続けて燕山荘に到着しました。何度も休憩をしてゆっくり歩きましたが9時間で到着出来ました。テントをトイレ近くのいい場所に設営してから、皆で燕岳まで手ぶらで行くことにしました。往復小一時間でしょうか、燕岳ピークで記念撮影をして帰ってきました。

▲燕岳にて
燕山荘の喫茶スペースでミニ打上をしました。生ビールが売り切れてないか心配になり聞きに行きましたが、「全然大丈夫ですよ」と心強い回答に安心しました。この山行中、軽量化もあって食事の快適さを抑えてきたので、ここではちょっと贅沢に食べものを頼んだりもしました。私もホッとしてちょっと遅くまで残業をして飲みすぎてしまいました。


23日(水)

5:30燕山荘出発。2時間チョイで合戦尾根をとっとと下りてきました。皆さん本当にお疲れ様でした。薬師の湯で疲れと汚れを落として帰阪しました。帰りは早く出れたおかげで、ほぼ渋滞なしに帰ってくることが出来ました。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

奥又白 屏風岩登攀

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