御在所クライミング  (報告/ちびサンボ)


■日 程 : 2015年5月29日(金)夜発~31日(日)

■山 域 : 御在所岳

■参加者 :

ちびサンボ
(リーダー)


ジャッキー
(気象・記録)

Ryucyan
(サブリーダー)


だいだらぼっち
(30日のみ参加)

カノン
(サブリーダー
・渉外)

S水
(30日のみ参加)

isoroku
(装備)


けい
(30日夕~参加)

はっせー
(食糧・会計)
■行動日程

29日:車輛毎に集合 (1)だいだらぼっち車 (2)isoroku車(はっせー、ちびサンボ) (3)Ryucyan車(カノン、ジャッキー、S水)→22:20新名神コーナンPAで集合、仮眠

30日:3:30起床→3:50出発→5:10裏登山口出発→5:40藤内小屋・愛知岳連小屋前で幕営→6:15全員で出発→6:40前尾根取り付き着→(1)だいだらぼっち-Ryucyan6:55スタート→10:30、P2ピーク到着。(2)はっせー-isoroku7:15スタート→11:30、P2ピーク到着。(3)ちびサンボ-S水7:35スタート→7:42S水スタート→8:00終了(4)カノン-ジャッキー8:00スタート→12:00、P2ピーク到着。(1)(2)(4)パーティー集合し下山開始→14:00全員

幕営地着→休憩後、だいだらぼっち、S水は下山(Ryucyan同行)。14:30~ちびサンボ‐はっせーは一の壁へ→16:30夕飯→22:00就寝

31日:5:00起床→7:10出発 (1)一の壁(Ryucyan、はっせー、ジャッキー)、(2)カリフォルニアドリーミング(ちびサンボ-けい)(3)中尾根(カノン-isoroku)、(1)(2)は13:45幕営地着撤収準備、(3)14:25幕営地着→14:50下山開始→グリーンホテルで温泉、各車輛に分かれてSAで食事後解散




ちびサンボとけいは昨年から御在所岳中尾根バットレス、カリフォルニアドリーミングを登りたいと考えていた。色々あって日程が組めずに今年の春を迎えた。けいとは日曜日しか組めないが、ちびサンボは土日で山行を組める。せっかくだから会のメンバーと一緒に行きたい。アルパインを始めたメンバーのリードトレにちょうど良いと思い会員に声を掛けて計画した。


30日:(晴れ後雨)

(1)Ryucyan-だいだらぼっちパーティー(Ryucyan報告)

P7の1ピッチ目、だいだらぼっちリード・Ryucyanフォロー(以下ツルベで登る)途中立木の左側を稜線めがけて登りしばらくするとペツルの終了点 。2ピッチ目、Ryucyanリードでほとんど歩くだけのルートをP6の取付まで行く。P6の1ピッチ目、だいだらぼっちリード、ノーマルではなくチムニーを選択する。チムニー下で一度ピッチを切ればとRyucyanが言うが大丈夫とそのまま登る。屈折したロープをもろともせずに一気に登ってしまう。ザックはRyucyan到着後に二人分をロープで荷揚げする。Ryucyanがセカンドで登る。去年、小雨の時に滑りたおして時間がかかったが今回はすんなりと登れた。P5からP4途中まではコンテで歩く。途中ざれた砂地がすべって歩きにくい。P4のトラバースは下降気味に安全ルートを歩き、少し登ってきれいなペツルのビレイポイントから確保して登る。P4後半のルンゼをだいだらぼっちがリードで登る。2ピッチ目、ほとんど歩くだけのルートをRyucyanがP3の取付まで行く。P3はルート図では3ピッチでしたが2ピッチで登ってしまおうと打ち合わせ。1ピッチ目、だいだらぼっちリードで登る。

▲だいだらぼっちリード
スラブだがどこでも登れそうと迷う。Ryucyanが簡単なルートを探してと忠告する。終了点を飛ばしてロープほぼイッパイの、ルート図では2ピッチ目の途中にビレイポイントを構築する。2ピッチ目はRyucyanが一気にP3の終了点まで行く。途中、クラックのフェイスがちょっといやらしい。フォローだいだらぼっち到着後、コンテでP2取付きまで行く。P2やぐら、だいだらぼっちリードで上部のハングも難なく超える。Ryucyanがセカンドで上がり、2ピッチ目を確保してもらい安全地帯まで行く。10:30前尾根登攀終了となり後続を待つことにする。


だいだらぼっち感想

天気が良く、先頭で景色を眺めながらのクライミングでした。初のアルパインリードでしたが怖さもなく登れました。しかし、ジムでは出てこないスラブとクラックは素人です。外岩に登る強さが必要と感じました。アルパインはカムもナッツも使用して登ることが出来ました。よかったと思います。支点の構築もカムやナッツやスリングで作る経験もさせてもらいました。Ryucyanさんにリードを譲っていただき沢山リードで登れたのはよい経験が積めました。御在所での経験はとても次に生きそうです。 こういう安全でチャレンジする山行はよいと思いました。ちびサンボさん、リーダーありがとうございました。

Ryucyan感想

だいだらぼっち君はアルパインリードが初めてだったので、前半は終了点がわかりやすい所をリードしてもらおうと思いました。結果的にほとんどツルベになってしまいました。登るのは綺麗に登っています。途中、あえて残置終了点を飛ばしてナチュプロで作ってみたらと指示しましたが考えて綺麗に構築出来ていました。アルパインの経験がまだ少ないのに、終了点到着後、フォローが登り出すまでの手順は時間的に常にスムーズでした。感心します。当日は早出したおかげで、待ったり、追い抜かれたりすることなく、天気も良くて快適に前尾根を楽しむことが出来ました。早起きはだいぶ得しました。



(2)isoroku-はっせーパーティー(isoroku報告)

P7ノーマルルート、はっせーリードで出発。はっせーのリードは雪彦以来で2回目だったが、先行のRyucyan・だいだらぼっちチームに習いつるべで登る。

▲はっせーリード
1ピッチ目はクラックを登った所の立木を左に巻くとき、屈曲を減らすために長いスリングでタイオフする必要がある。その上のリッジ乗り越しは左カンテを使うと登れるのを岩が切れる右端まで回り込んだようだ。後続のグループが次々登ってきていたので手間取るはっせーにやきもきする。2ピッチ目、isorokuがリードしたがコンテの箇所だった。P6下のクラックにカムをかませてはっせーのリードでチムニー手前の支点でピッチを切る。P6チムニーはisorokuリードでビレイループにリュックをぶら下げて登ろうとしたが、体が上がらなく登ってからロープで釣り上げた。P6残りをはっせーがリード。コンテで林を抜け、P5はコンテで登れそうにも見えたが念のためにisorokuリードで登る。その後少し歩いてP4取り付きまでのトラバースもコンテで行けたのをはっせーにリードしてもらった。P4isorokuリード。P3の1ピッチ目はっせーリード。ここで、後続のカノンと待つが「ビレイ解除」が来なくて随分と待たされた。2ピッチ目isorokuリード、途中の終了点を超えて頂部までたどり着きたかったのだがロープが足りずにカムでピッチ
を切る。ここはビレイポイントを5m上げると2ピッチで行けたところだ。P2isorokuリード。ヤグラは頂上まで行くものと思っていたが、おにぎり直下の支点で終了となる。Ryucyanチームから遅れること1時間、11:30にパーティーP2登頂。


isoroku感想

御在所前尾根は3年前にRyucyanのリードで一度登ったがほとんど記憶がなく、Ryucyanチームについていけば良いと考えたがP6で離されて、もたついたクライミングとなってしまった。備忘録として、P7は1ピッチ、P6チムニーを登るとしたら3ピッチ、ノーマルルートなら1ピッチ、P5はコンテ、P4は1ピッチ、P3は2ピッチと覚えておきたい。はっせーについては経験が無いので仕方ないが、何事にも時間が掛かっていた。もっと手早く行動する事を今後の課題としてもらいたい。


はっせー感想

御在所岳は初でしたのが楽しめました。リードもさせてもらい良い経験になりました。今回指摘された事項については次回に同様の指摘を受けないよう気を付けたいと思います。皆さまありがとうございました。



(3)ちびサンボ-S水パーティー(S水報告)


1ピッチ目の大岩でS水左足に痛みを覚えリタイア→1時間安静姿勢をとってからゆっくり下降→9:15 取付やや下の日陰でアイシング、レスト→9:45降り始める→10:50テント場到着


S水感想

我々4組のほかに2パーティーが後ろで待っていた。ちびサンボの後を追い登り始める。足場をしっかり確認しながらというより、手も手のひらも使い、早く登らなければというあせりがあった。P7の下部を越え、木の右側を回って、次の大岩に乗り込むところ。前の人たちが、「右から、右」といわれていたことを思い出し、右側に回るがどうも登れそうにない。ヌンチャクをAOしても上がれそうにない。左に回ってみたが余計に難しそう。カノンが登ってきたので、「このへんからですかね?」と声をかけながら、えいやっと左足を無理に大きく上げようとした時、ふくらはぎで「ブチッ」と音がした(気がした)。てててて、、。結果、ルートを外れリタイアとなる。カノンが残ったヌンチャクを回収してくださった。一番の反省点。自分の動きが大雑把だったことが、この事態を引き起こした。ケガ直前の登り方も、丁寧で注意深い動きとはいえなかった。きちんと取り組んだ結果なら仕方ないが、今回は自分のせいとしかいいようがない。多くの人に迷惑と手間をかけた。すみませんでした。

▲1個丸々担ぎ上げたデザートのスイカ
再発防止のために何ができるか。(1)日常のストレッチ運動(2)歩くトレーニング(3)クライミングのトレーニング(4)自分の動きを常に意識すること(岩登りに限らず)今年、できることなら会山行でバリエーションルートに参加したいと決めた。自分がメラにいる意味のひとつがそれだと思ったから。そのためにも、久しぶりのクライミングシューズ、ハーネスを引っ張り出してきた。しかし、付け焼刃ではやはりダメだということを実感した出来事だった。ケガは翌日安静にし、月曜に医院を受診、一週間後もかかとを完全につける普通の歩き方ができず、かばいながら一本ストックで通勤。自分の身体と対話せざるを得ない。プラスだったのは、やはり、トレーニングで連続してメンバーと行動することで、みなさんと近くなれるし、自分のモチベーションも高まることが実感できたこと。ありがとうございました。



(4)カノン-ジャッキーパーティー(カノン報告)

今回はメラだけで4パーティーとなり、P7取付きでのんびりと待っている。以前登った時は立木でピッチを切ったが今回は皆と合わせて上まで行く。P6までは出だしのみ確保して、後は歩きで移動。P6をノーマルルートで行ってチムニーの上で一旦ピッチを切ってから、もう一段上まで短く登ってビレー解除のコールをしたら、ジャッキーがATCをチムニーの下に落としたようだ。すぐそこに落ちているというので確保して取りに行かそうとしたが、何か変な感じがしたので何メール下に落ちたか聞いたら5mと言う。チムニーの下まで落ちたようだ。もしかしたら降りたら登ってこられないかもしれないので、ジャッキーには今いる場所まで登ってきてもらう。どうするかしばらく考えて、懸垂で降りて取りに行くことにする。今日のチムニーは意外にあっさり登れたが、登り返す時にムンター確保を頼んだが、ジャッキーはムンターが出来ないようなので、クローブヒッチで確保してもらい、フリクションノットで確保して上がる。P5までは歩きで移動して、P5も上部の少しだけ確保してスピードアップを図る。P4に到着するとisorokuパーティーに追いついた。前回と同様に確保してトラバースをしたが、一旦下に降りたら確保なしでも問題なさそうだった。P4を登り、少し下ってP3の取付きに到着。isorokuパーティーのクライミングを見ながら少し休憩。前のパーティーははっせーが最初リードだったがビレイ解除のコールがなかなかないのでみんなでやきもきする。P3を2ピッチとちょっとで終えて、P2に移動。ジャッキーはP7,P6をA0で登っていたので櫓を登るか聞いてみると登るという。結果はあっさり登ってきました。大変失礼しました。自分は相変わらず核心部の上の部分の処理がうまく出来ない。櫓の終了点をトラバースすると皆が待っていてくれた。今回ジャッキーには良い話のネタを提供してもらったので2,3年は使おうかな。

ジャッキー感想

ジムと違って外山は楽しい。実感です。岩の規模が大きく御在所は初心者から上級者までいろいろ楽しめます。会で参加すると夜の宴会もまた楽しい。秋にも行きたいですが、その時には中尾根に行けるぐらいの実力にならねば。

▲3パーティー登攀終了後



31日:(雨後晴れ、風強し)

一の壁パーティー:Ryucyan、ジャッキー、はっせー (はっせー報告)

・1ルート目(10:00):前日にちびサンボのフォローで登った「3ルート IV+」を登りました。前日に登っていたため、手や足の位置が分かってスムーズに登れました。ルートもさほど難易度が高くなかったのもあるが、全員手こずることもなく登れていたと思います。

・2ルート目(11:00):「右ルート V」をRyucyanリードで登りました。順番はジャッキー、はっせーです。全員が初めてのルートであったが、Ryucyanリードであったため全員問題なく登っていました。

・3ルート目(12:00)「ダイレクトルート V」をはっせーリードで登りました。順番はジャッキー、Ryucyanです。トポにはハングを越える時は、背が小さいと手が届かないと記載されていました。案の定、手は届かず、足もスメアしかない。少しのカチを両手でとり、手をホールドさせながら取りにいきました。その後はガバもあり苦労する部分はありませんでした。

当日は風が強く、終了点が奥にあった事もあり、声がビレイ者に届きにくかった。また、Ryucyanが登っている最中ロープが垂れて、ロープアップの声が聞き取れず、ロープを引くのが遅れてしまいました。今回はリードをさせてもらい、いろんな経験が積めたと思います。自分の課題としては足と手をバランス良く使って登るよう心がけたが、登りに集中するとすぐに忘れてしまい、手がメインになってしまいました。また機会があれば登りに行きたいのでよろしくお願いします。皆さまありがとうございました。

ジャッキー感想

一の壁は難しいと聞いていたので、抵抗感ありつつ岩場へ。1は無理なく、2は最後にルート選択を間違い苦労しましたが総じて気楽でした。3は核心で右スメア左乗り込みという苦手パターンで、A0で越える。意外と登れました。練習すればまだまだ行けると実感しました。

Ryucyan感想

夜中に雨が降ったので濡れていたら嫌だなと思い壁に着くと、風が強かったせいか乾いていました。私たちが到着後に一気に人が増えて、次々とは登れませんでした。待っている間はヨッシー・ちびサンボコンビのカリフォルニアを遠目で見学していました。二人の終了と同時にこちらも昼過ぎにやめました。はっせー・ジャッキーにはフリールート他、色々案内してあげたかったですが、せいぜいV級止まりでした。もっと鍛えねば。はっせーにリードもしてもらいました。多分、登るのは僕より上手でしょう。リード時にビレイポイントでちょっと時間がかかっているのとロープアップがスローなのを感じました。上では忙しいでしょうがフォローのロープアップは常にテンションをかけておいてください。はっせーはずっとトレしているので時が解決すると思います。



中尾根パーティー:カノン、isoroku (isoroku報告)

8:45 P4スタート、10:00 P3スタート、11:20 ツルムのコル着、12:45 ツルムのコル発取り付きは前尾根ルートから左に一の壁に沢を遡るとすぐ右方向に分かれる。ここで中尾根バットレスを登るちびサンボから、荷物をデポするなら一の壁方向から下山するこの辺がよいのでは、と忠告をもらってカノンのリュックを立木に固定した。P4までのアプローチは踏み跡通りに行って迷うことはなかったのだが思っていたルートではなかった。最後の登りがネットの情報通り少し気持ちが悪かったが全般的にはまあまあ歩けるアプローチでした。P4 1P目はカノンリード。

▲中尾根P4
じゃんけんで勝ったカノンが始めにリードする。左に走るフィンガークラックも使って登っていく。途中で岩が挟まった狭い間を通る。フォローのisorokuはカノンから、途中でクラックに支えてリュックが邪魔になると聞いて、中間でハーネスのビレイループにリュックをブラ下げ直して登る。P4・2P目ピッチを切らなくても良さそうな短い2ピッチ目をisorokuがリードする。登り初めのクラックがかぶさる所が少ししんどい。終了点はP4頂点下にあってフォローのカノンがそこを過ぎた頂点まで登る。そこからクライムダウンでP3取り付きまで降りる。P3・isorokuリード。クラックは2本走っていて、主に左側のワイドクラックを使って登って行く。クラックは徐々に狭くなって最後は背中を押しつけてチムニーを登るような状況で終了点に到達する。リュックを背負ったカノンは終了点の手前で支えて、isorokuが垂らしたロープでリュックを引き上げた。2P目の終了点も頂点より下で、フォローのカノンがそのまま上まで延ばして頂点でピッチを切る。頂点では古いリングボルトと、新しいグージョンアンカーがあった。風が強い。懸垂でP2取り付きへ降りる。ツルムのコル着。2番目に降りたisorokuがロープを回収していて、結び目がクラックに挟まって止まってしまう。色々と回収を試みたが無理だったために、isorokuがクラックを登り返して外す。コルでレーションを摂るが風が強くて立っているとよろけそうになる。11:45カノンがP2取り付きのクラックにナッツキーをかませてアブミを掛け、乗り込んでその上にナッツを噛ませようと何度も試みるが決まらない。その後にisorokuも見てみたがクラックが開いていてナッツが決められるように見えなかった。何とか登れたとしても強風にあおられて落ちる可能性があったため12:15登頂を断念する。コルの左からP3取り付き方向へ回り込むと懸垂支点があり、45m懸垂したところから一の壁方向に巻き道を下山した。

カノン感想

P2の登り方をちゃんと確認できていなくて、ナッツだとばかり思いこんでいた為、isorokuには申し訳ないことをしました。自分は既に懸垂下降の段階で強風の為テンションが少し下がり、ロープが挟まりまた下がりで、頑張って登ろうという意識が低かったのも要因かなと思います。P4,P3は事前の情報通りでザックがあっては登るのは大変です。特にP3はザックが邪魔になる手前はスタンスがあまりよくなくてついつい登ってしまった感があります。手で頑張って登るようなルートではないのですが足が疲れました。

isoroku感想

今回の御在所は目的にしていた中尾根が登れなくてとても残念です。P4、P3のクラックは想定したとおりでしたが、想定外だったのはP3の取り付きあたりから風がとても強くて、P3の頂点では何かを持っていないと怖い状態でした。次に、P2のコルに下りて何気なくロープを回収したのが間違いで、ロープが止まってしまって登り返すことになりました。さらに、とても風が強くて登るかどうかカノンから聞かれ、さらに、自分でもアブミに乗って広がったクラックを下から見上げた時に、こんな所に小さなナッツを噛ませて、もし今乗っているナッツが外れたらと思ったら、こんなものに命を賭けられるか、と断念することにしました。結果としては、支点の掛け方を間違っていたようですが、次に登る時はこのクラックを使わないルートを選択したいと考えます。



中尾根バットレス・カリフォルニアドリーミングパーティー:ちびサンボ、けい (けい報告)

全員でテントを出発。8:00にカリフォルニアドリーミング取り付きに到着。3人パーティーがバットレスの左側の方から登っており、ちょうど1ピッチ目を終えるところだった。カリフォルニアドリーミングの1ピッチ目にはロープが掛かっており、先行パーティーがいるのかと思ったが10人程のクライマー達でトップロープをしていた。荷物を置いてトポを出しバットレス全体を眺める。当初の予定では4ピッチ目はA1で登りカリフォルニアドリーミング全ピッチを登るつもりだったが、2人で相談して今回は下部3ピッチを登る事にした。トップロープをしているパーティーにあと何人ぐらい登るか聞くとまだ登りたい人がいるという事で、きりの良いところでロープを避けて登らせてもらう事にしたが結局1時間近く待った。曇って風も強く、体がすっかり冷えてしまったのでレインウェアを着て登った。

1ピッチ目8:50ちびサンボリード。

▲カリフォルニアドリーミング1ピッチ目
出だしは左の岩との間の凹角から登り、下から数えて2番目のハンガーでクリップする。昨晩降った雨のせいか凹角が濡れているため、腕やシューズの底も濡れて最初から気が抜けない。核心に着くとスタンスもホールドもしっかりしたものは無い。カンテ沿いに登るがカンテも丸くてスローパーのようだ。少し上に上がると保持できそうな膨らみがあるがちびサンボのリーチでは厳しく、粘ったがテンション。A0で核心を抜けた。その後もバランスが悪く滑りそうな箇所が出てくるがうまく登った。今回は全ピッチ登る事も考えていたのでダブルロープとアルパインヌンチャクだ。細いダブルロープだとフォールした時に伸びて落下距離が延びそうで怖い。核心部ではヌンチャクにカラビナを追加してロープを2本掛けた。2ピッチ目9:40けいリード。カリフォルニアドリーミングのオリジナルルートは壁の左寄りだが、2ピッチ目はウインドサーファー(10b)を登った。

▲ウィンドサーファー2ピッチ目
出だし少しハングしたフレークを使って登るがここはリーチで差が出たようで、フォローのちびサンボはA0でなければスタートできなかった。フレークに上がるといつの間にか空も晴れていて、ルートを見上げると青空と白い岩がとてもきれいだった。ピン間隔は長く、はっきりしたホールドは殆んど無いので僅かな凹みや膨らみを見つけてスメアを効かせ、数手先のホールド目指して慎重に高度を上げていく。時間は掛かったが無事オンサイトする事ができた。ちびサンボも出だしのAO以外はノーテンで登った。3ピッチ目10:25けいリード。

▲カリフォルニアドリーミング3ピッチ目
トポには載って無い真っ直ぐなルートがあった。2ピッチ目と同じぐらいのグレードに見えたので登ろうと試みるも出だしが難しく諦めて、本来のカリフォルニアドリーミングを登る。後から分かったがまっすぐのルートはトカゲ(11d)だった。左に少しトラバースして左に斜上したフレークを使って登るが1ピン目がかなりランナウトしてバランスも悪く怖い。ルート研究で色々調べた時は3ピッチの中では一番快適のような事を書いていたのだが…。今回カム類は持たずに登ったがフレークにはキャメロットの0.4か0.5が使えそうだった。1ピン目にクリップして次のスタンスを探るが砂が乗ってるような感じで上手くスメア出来ない。バランスが悪く体重を乗せてる方の足も疲れてきたので一か八かで乗り込んだら見事に滑ってテンション。足の位置を少し変えれば何て事はなかった。11:00ちびサンボが登ってきて3ピッチ目終了。終了点で記念撮影をして今回は登らなかった上部を見ると、4ピッチ目はピン間隔が短いのでアブミがあれば確実、上手くやればA0でも登れそうだった。ダブルロープだったので懸垂は2ピッチ目の終了点で切って2回で降りた。

今回、全ピッチオンサイトはならなかったが、これぞスラブと言う感じのとてもいいルートだった。常に緊張感を持っての登りだったので3ピッチでもとても充実した感じが得られた。上部には5.12や10dのクラックと、まだフリーでクリアするのは難しいピッチがあるがエイドでも結構登られている。3ピッチ目のリベンジもしたいし是非また気持ちのいい時期に登りたい。ちびサンボさん、今回もありがとうございました。また登りましょう!



ちびサンボ全体の感想

今回の目的は自分がカリフォルニアドリーミングを登る事、ステップアップを目指すメンバーにアルパインクライミングを経験してもらう事、本チャンでリード出来るメンバーを育成する事、そして、会の仲間と親睦を深める事であった。計画してからギリギリまでメンバーに変更があり、気苦労の絶えないスタートになった。色々課題も残ったが、皆いい経験になったと思う。いい景色を見て、次の目標を見つけて頑張ってもらいたい。初日の3時半起床は皆キツイと感じたかもしれないが、経験上、トップを取らないと大変だと思っていたので有無を言わさず決定した。結果、登れたメンバーは快適な登攀が出来て良かったです。S水は直前のボッカトレで少し無理したのではないでしょうか。焦らなくても大丈夫です。櫓を登りきるまで、私がまた御在所に同行しますよ!御在所は日帰りも可能な場所です。また皆で登りに行きましょう!!皆さま、お疲れ様でした!


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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