第1日目 (21日)
会では毎年恒例である2月の氷ノ山。参加者は年々減少し、今年は初級の受講生を含めて5名。経験者はジプシー1人である。前日はいつもの菊屋さんにお世話になる。夜の11時頃到着して1時までコタツで宴会。ワインを2本分、山へ行く前に空けてしまった。翌朝、氷ノ山国際スキー場へ向け出発する。ここ3年間、スキー場まで迷わずに辿り着けたことはない。つまり、メンバーの誰も正しい道が分からない。案の定、一度道を間違えたがリフトの右側に回り込みゲレンデまで到達。ここ3年間では一番まともに辿り着いた。ゲレンデのリフト脇をさらに登り東尾根の取付きへ。雪が多く、看板や石碑は埋もれている。いつもは夏道に近いルートをジグザグに登るのだが、雪が多いので直登にトレースが付いている。トレース通り直登する。細かい凸凹を雪が埋めてくれているおかげで夏道よりシンプルに早く登れる。東尾根避難小屋の左側にあっという間に到着した。ここからは尾根歩き。左の鳥取側に雪庇が出来ている。明らかに亀裂が入った雪庇もある。できるだけ右側を歩き一ノ谷へ。
▲一ノ谷の急登
一ノ谷の上部斜面がまあまあ厄介だ。ジャッキーが核心で登りきれない。やっとの思いで乗り切ったが相当疲労した模様。千本杉の辺りから風が吹く。強風ではあるがそれほど冷たくない。視界は良好で氷ノ山頂上へ到着した。頂上でKCCのメンバーに偶然出会う。
▲氷ノ山頂上
雪洞を掘りに千本杉の少し下の斜面へ。ここは昨年も雪洞を掘った場所だ。左右二ケ所から横穴を掘り始める。ちびサンボはトイレを作る。ある程度掘り進めたら、奥で穴をつなげようという作戦だ。2時間後やっと穴がつながったが、上下のレベルが合っていない。さらに1時間ほど穴を拡大して何とか5人寝れるスペースを確保。雪洞の掘り方にはまだまだ改良と練習が必要のようである。作業中はどうしても衣服が濡れるので、すぐに着替えられる準備も必須だ。それでも結果的にそれなりに快適な雪洞が作れ、ジャッキー食担の鍋で宴会する。素材が豪勢で手羽先、牡蠣、エビ、鱈、どれも旨かった。いつもより遅くに就寝。
▲雪洞で宴会
第2日目 (22日)
本日は天気予報が悪く下山だけの予定。遅めに起床し朝食を取り出発の準備をする。雪洞の外は小雨がぱらつく。風は強い。バックアップに設営したテントを撤収して出発する。登りには多少手間取った一ノ谷も難なく下る。下りは早い。東尾根の避難小屋までわずか1時間。夏道沿いにトレースが出来ていたのでそれを下る。ほぼ直線的に下り、あっという間に東尾根の取付きへ。帰りは迷うことなく菊屋へ到着し、いつも通り善哉をごちそうになった。
<感想 ジャッキー>
雪山3回目で経験不足が露呈。千本杉前の急登では、上手くステップが切れず、登るのにかなり苦労した。雪が腐りかかっているところでは、両足とも埋まり、なかなか脱出できず。ちょっとした技量の差は、経験値がものをいうのだろう。まだまだ鍛錬が必要です。といいつつ、雪洞は作るのは大変だったが中は暖かく快適で、酒も旨く楽しい2日間でした。食材の保存がやりやすいことが分かったのも大収穫です。次は別ルートで雪の氷ノ山、攻めてみたいです。スタッフの皆様、ありがとうございました。
<感想 はっせー> 初めての雪洞。雪洞掘りがここまでしんどいとは思わなかった。雪洞での宿泊は快適であったが、寝ている時に、雪が融けてしずくがぽたぽた顔に落ち、気になってしょうがなかった。今回の登山で学んだことは、雪が積もった急登攀箇所での歩き方。雪が積もっており、足場がなかなか作れず登るのに苦労した。その横では、ちびサンボさん、カノンさんが簡単に登っていた。経験を積む必要があるなと感じた。また、急登攀場所では、足場をしっかり作ってから登らなければならいと感じました。
スタッフの皆さまありがとうございました。
<感想 カノン>
もう少し雪洞を短時間に掘れるようにならないといけないですね。今回の雪洞は大きく、また堀下げたので少し寒かったですが、その分湿気も少なく水もポタポタ落ちてきませんでした。今回、気温が高めだったせいで雪洞作りではかなり濡れた、オーバーミトンも2セット必要です。急激に寒くなる状況だったら凍傷の可能性もあるので注意が必要だと感じた。はっせーさん、ジャッキーさん、ラッセル頑張って下さい。
<感想 ちびサンボ>
2月の氷ノ山は初めて。また、雪洞での宿泊も初めてでした。ジプシー君は相変わらず「だいたい大丈夫」な行動をするので、結果もだいたい大丈夫だがベストじゃない。稜線に出てからは雲がかかり、耳がちぎれるかと思うほど風がきつくて寒くなった。好天予報でも油断は禁物。雪洞は両サイドから掘るならゾンデで位置関係を確かめながら作業した方が効率的だと思うのに、ロマンチストなジプシー君は開通した時が感動だからと嫌がる。しかし、開通した時、あまりの段差にガックリきた。ここからどれだけ時間が掛かるのだろう…低山だからいいけど、北アルプスならちょっとヤバい。もう少し効率よく雪洞が掘れるようにならないと実践では役に立たないと思った。はっせーさん、ジャッキーさんの体力は問題ないが、荷物が大き過ぎたり、ラッセルやら何やらが大変なのは経験が少ないからでしょう。自分達で調べながら登るともっと楽しいし経験値も上がります。自分達で登らないと本当の力は付かない。今回経験した氷ノ山や比良山は是非、またトライしてほしい。ジャッキーさんの料理はグッド。大縦走に備えて、軽量化、かつ効率的で美味しい食事を教えてもらいたい。山行そのものでは技術を学ぶが、何気ない雑談で思わぬ気付きや学びがある。遠慮なくどんどん質問をしてほしい。山について思う事を語り合って、夢を膨らませてほしい。これからも一緒に山を楽しみましょう!
<感想 ジプシー> ジャッキーさんとはっせーさんは着実に初級雪山教室をこなし、近畿圏の山であれば厳冬期でも登れる自信が付いたのではないかと思う。次はアルプス・八ヶ岳方面にチャレンジしてほしい。アイゼンワークや装備などすべての面でさらに高レベルな対応が必要になってくるだろう。何はともあれ雪山は経験が一番。六甲でのボッカはもういいので、これからもどんどん山へ行きましょう。そして最も雪が多い来年のこの時期にまた氷ノ山に登りましょう。