八ヶ岳・河原奥アイスクライミング報告  〜ハプニングとハッピー〜  (報告/mariko)


■日 程 : 2013年2月15日(金)午後発〜17日(日)

■山 域 : 八ヶ岳

■参加者 :

mariko/リーダー
(装備・気象)

ちびサンボ
(食料・記録・医療)

○玉
(会計)

K部(山歩渓)
(食料)
■行動日程

2/15 14:00JR西宮駅北側集合、中央道伊北から小淵沢まで通行止め、18:30小黒川PA着、小黒川の休憩所(喫煙所)でテント泊、夕食は餃子鍋、20:30就寝

2/16 4:00起床、朝食は餅入りラーメン 5:20出発 事故渋滞に巻き込まれる 高速を下りたコンビニでK部さんとたまたま合流 8:00美濃戸口駐車場着 八ヶ岳山荘仮眠室で支度して9:30出発 10:00取り付き着 16:00までアイスを楽しむ 帰りの渡渉で時間が掛かり17:00八ヶ岳山荘着 K部シェフの中華火鍋で大宴会 22:00就寝

2/17 6:00起床 朝食はきつねうどん 7:45出発 8:10取り付き着 氷柱のアイスクライミングを楽しんで11:45終了 角木場のアイスを見学 集合写真撮影をして12:00過ぎ八ヶ岳山荘へ戻る 13:00出発 モミの木の湯に入ってK部さんと別れる 19:30JR西宮駅着




昨年クリスマスに広河原でアイスをやった。なんとかリード出来るようになったちびサンボ。詰めてやりたいところだが、とにかく忙しい身だ。「2月の休暇が決まったらすぐに教えてね」と早々に予定を入れた。山歩渓のK部さんが今回も参加。食担をしてくれるという。話だけはいろいろ聞いていたがお料理をいただくのは私は初めて。楽しみ〜〜。ところが雪のための通行止めと事故渋滞。美濃戸口までの遠いこと。早く着いて餃子鍋でいっぱいやって、快適に睡眠をとるはずだったのにイ。でもクライミングは少々冷え込んだものの風も少なく穏やかなお天気の中、目いっぱい楽しめた。

▲ちびサンボこだわりの集合写真 角木場で



2/15 出発当日、装備の件で電話すると「山間部は雪の予報やで」と○玉。「まあ、南岸やから雪は降るけど、離れているしスピードも速いから影響ないよ。そのあと冷えるし」と答えたら「道中がな、、、」道中?この前の八ヶ岳の帰りのこともあるしな、とネットで調べるが特に雪に関しての情報はない。「ま、行ってみなわからんな」と出発する。夜勤明けの姐さんは一杯プシュッと開けて一眠り。先ずは養老で休憩。養老を出て間もなく電光掲示板に“伊北〜小淵沢雪のため通行止”という情報が入る。でも、もう雪は止んでるはずだしその内解除になるよ。と話しながらゆっくりめに走る。恵那でもまだ解除されない。今日は美濃戸口まで行って餃子鍋で乾杯。K部さんも合流し仮眠室で快適に寝るはずだった。「仕方ない、駒ヶ岳でテント張ろう」たまたまちびサンボに手渡すテントを持って来ている。食事も作ることが出来る。問題ない。夏用だけどシュラフもある。マットがないので恵那SAで段ボールを分けてもらう。ところがハプニング。駒ヶ岳を通り過ぎてしまった。「しもた」と思っても戻れない。次のPAでとりあえず検討することに。そこは小黒川。自販機しかない小さなところだと思っていたら、結構立派。雪はここまで来ると多く、10cm強は積もっている。とりあえずレストランで休憩。伊北で降りて地道を行くか?でも、暗い中地道が分かるか自信ない。前に逆から来たけど覚えていない。カーナビはない。美濃戸まで除雪されてるのか?加藤さんに電話で尋ねる。バス道なので大丈夫という返事。一旦は頑張って美濃戸へ行くことにしたのだが、、、。どうも道が不安。どうしよう?ここは駒ヶ岳SAみたいに東屋がない。どこも雪だらけ。どこかいいところはないか?探し回る。その内解除にならないか?うろうろしていてちょっと明るいけど屋根の下のスペースを発見。「ここでええやん」と早々にテント設営。レストランでお湯もいただき、ほっと一息。食事を始める。ビールも飲めて良かった。K部さんに連絡を取り明朝合流とする。食事を終えて寝るが、寒い。段ボールはテントマットの代りにはならないことが分かった。


2/16 寒くて眠れなかったと言いながら起床。ちびサンボが念のためと持ってきていたラーメンで朝食とする。テントを撤収出発するが、今度はチェーン規制のチェックと事故渋滞にかかる。仕方ない、と諦め気分。やっと渋滞を抜けて諏訪南で降りる。コンビニでビールを買っていると、なんとK部さんもコンビニに寄っていた。美濃戸までは除雪されていて無事到着。仮眠室に荷物を運び装備を付けて出発する。寒さが厳しいので羽毛を来て行く。しかしこれは失敗だった。たった30分ほどしか歩かないのに、大汗をかいた。渡渉地点は前回とは変わっていて少し上になってる。滝に誰もいない。ラッキー。貸し切りだ。でも氷は小さ目だし雪だらけ。まあ仕方ない。ビーコンいらんやろ、なんて言ってたが、雪は深い。雪崩そうやな。ただ、上部に雪が無いので大丈夫。○玉がリードで登って左にトップロープを張る。「久しぶりで登り難いわ」と言いながらスクリューを5本打つ。雪を落としながら3人が登って、右にもう1本張ろうとしたところで後続が来た。彼らは左隣に移動して、雪上トレをしていた。K部―ちびサンボ、○玉―marikoで順番にルートを変えながら練習する。時々風で木に積もった雪が落ちる。K部さん「えらい雪が降ってますねえ」お天気はいい。それぞれに2本づつ登った。ガイドのパーティーが来る。右にロープを張らせて下さいと言う。もちろんOKだ。私達は昼休憩する。午後は上部のスクリューを打ち替えてルートが重ならないように少し左のルートを登る。

▲右の滝の左ルートをリードするK部

K部―ちびサンボは左の氷でリードの練習だ。最後にルートを交替し○玉が残置を回収する。出足が遅かった割には登れた。最初はぎこちなかったが思い出した感じだ。

▲ずらりと並んだ調味料 腕を揮うシェフ
K部さんの手料理を楽しみに帰路につく。が、なんと渡渉が出来ない。氷や雪が解けて、水量が増えていて朝の場所が渡れそうにない。困った。K部さんは飛ぶしかないなと、ジャンプ。無事成功だが他のメンバーは無理だ。下流へ行って渡渉できそうなところを探す。ここならと思うが滑りそう。アイゼンをつけることに。ところがさっきのガイドパーティーが向こう岸を歩いている。あれ?どこから行ったん?K部さんにトレースを追ってもらう。やっぱりここか。アイゼンをしているのでさっきよりはまし。無事渡渉成功。仮眠室には一人男性が来ていた。東京からバスで来たそうだ。今回が初めての雪山だそうだ。 装備を片付け早速夕食準備をする。献立は“日本一辛い”中華火鍋。調味料をずらりと並べて、張り切っているシェフ。調味料を加える手つきが違う。K部さんの顔はアイスの時以上に楽しげで真剣。最初に調味料を炒めるのがポイントだそうだ。野菜や肉、魚を煮てゴマダレでいただく。食べたことがないお料理だ。東京の一流中華料理店のレシピだとか。K部さんは研究熱心だ。お料理も、クライミングも。お酒も進む。おしゃべりも進む。東京の情報量はすごい。人間関係も広がる。東京、大阪を行き来するK部さんは忙しいかもしれないけど、世界が広がる。思いもかけない話も飛び出す。ちびサンボの人世が変わるかも!4時間以上も楽しんじゃった。暖房がよく効いた仮眠室で快眠。


17日 6:00起床。十分寝たはずなのに眠たい。K部さんは早速朝食の準備だ。朝はツルツルおうどんと雑炊。ぺロリと平らげ、装備をつけて出発。心配した渡渉も朝は大丈夫。今日は左の氷柱を登る。横から巻いてトップロープを張る。トレースがないのでロープをつける。○玉リード、K部ビレイ。後続がやって来た。神奈川からで常連のようだ。○玉は無事、支点となっている木に到着。ロアーダウンする。まずはK部さんが登る。すごく立ってるのでどうかな?と思ったが難なく登り切る。上部に振られ止めのスクリューを1本打ってもらう。降りて来たK部さん、「もう限界」と言う。そんな風には見えなかったけどな。○玉、mariko、ちびサンボの順に登る。結構登れるもんだ。よく登られているので引っ掛けで行けるところが多い。しかし背が低いと、いっぱいいっぱいになって、体重移動が出来ない。marikoは振られ止めのカラビナが外せない。K部さんは腕がパンプしたと言うが、marikoはその前に冷たさで手が痛い。2本目は反対側のロープで右端を登る。K部さん、ハングはさすがに無理で正面に回り込む。隣りでは神奈川のパーティーの内2名が登っている。引っ掛けがなくて難しそう。○玉はかなり右から登ったがやはりハングの所で正面に回り込む。

▲右端から正面へ回り込む○玉。楽そうに見えるが、メチャ腕力いる。
marikoは回り込むところで振られてテンション。だいぶ下から登り直しだが、なんとか登り切った。ちびサンボは少し上で回り込み上手く登った。3本目は正面突破しましょうとK部さん。足を開き楽々と登るが、背が低い他のメンバーは無理そう。○玉は足を開かずにスムーズに登った。もうすっかりフリーの登り方で、蹴り込みは真っ直ぐなんて言ってられない。右足を切ろうとしたり、キョン気味にしたり。marikoはテンションしたが、頑張って登り切った。最後のちびサンボはキョン気味に足を決めて楽に登った。

▲ちびサンボ こんなアイゼンワークも。腕力がセーブ出来る。レストも可。
○玉はその間に支点の木まで登ってちびサンボがスクリューを回収して降りるのを待って残置を回収してきた。今度はトレースがあるのでロープなしだった。12:00に出る予定なのでこれで終了。帰りに角木場の氷柱を見学に行く。結構登っている人がいた。忘れた集合写真をここで撮る。仮眠室へ戻り装備を片付け温泉へ。K部さんも諏訪南から高速に入るので、入口で別れる。渋滞も通行止もなく順調と思いきや、marikoが胃痛。あわや救急車?と思ったが手持ちの薬でなんとか回復。無事帰神できた。もう1回くらいは行きたいねえとは全員の思い。




反省会(駒ヶ岳SAで 16:00〜)

○玉:右足が上手く利かず、なかなか上手く登れん。ギアのメンテナンスが必要、バイルを研がんとあかん。今後はテンションを掛けながらでもリードで登る練習をせんといかん

ちびサンボ:とても楽しかったです。予習、復習はしてきたが感覚をすっかり忘れていた。2日目の垂壁の3本目は「分かった!」という感じになったが終わってしまった。月2回山行を組んだら、1回は登攀や縦走、もう1回はアイスで計画して毎月継続して行けるように計画を組んでいきたい。

mariko:○玉さんは今日の方が楽そうだった、やっぱり前傾ガバが合ってるんだ。今回は行きの雪での通行止めや色々あったが、お天気が良く楽しめた。1泊の割には充分に楽しめた。大分頑張って登る事が出来た。

K部:アイスクライミングは今年2回目。2回ともメラピークに参加させていただき、ありがとうございました!前回のクリスマスルンゼ横の「武藤がえし」でのリードから2カ月、すっかりイメージが無くなっており、1日目のスラブはとても怖かったです。2日目の氷柱はトップロープだったせいもあり、思ったより怖くなく、後半は楽しいアイスクライミングができました。アイスの季節はあと1カ月なのでもう一回はやりたいと思いました!反省:計画書を読まずにストックを忘れて渡渉に苦労しました。アイゼンを左右逆に着けました。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)


初級雪山補講報告
八ヶ岳(渋の湯〜美濃戸口)
八ヶ岳 旭岳東稜

Copyright(c) 2009- MERAPEAK-KOBE All Rights Reserved.