初級雪山補講報告 八ヶ岳(渋の湯〜美濃戸口)  (報告/mariko)


■日 程 : 2013年2月9日(土)〜11日(月・祝)

■山 域 : 八ヶ岳

■目 的 : 縦走、読図、歩行、テント生活

■参加者 :

mariko/リーダー
(装備・気象)

けい
(食料・記録・渉外)

○玉
(会計・医療)
■行動日程

2/9(土)13:30JR西宮 ○玉、mariko出発 14:40阪急三国駅 けいピックアップ出発 16:00黒丸PA 天気図作成 19:00 駒ヶ岳SA着 夕食後仮眠

2/10(日)4:30起床、朝食 5:50出発 6:30茅野駐車場着 7:00発バス乗車 8:00渋の湯着 8:30出発 9:35唐沢鉱泉分岐 10:35〜10:50黒百合ヒュッテ 10:58中山峠 12:12天狗岳着 12:55根石岳 13:14箕冠山 14:00夏沢峠着 テント設営15:30 17:00夕食 20:00就寝

2/11(月)4:00起床 6:15出発 7:53硫黄岳着 9:40赤岳鉱泉 10:20堰堤 11:05山の小村 12:10美濃戸口 13:20発バス乗車




土曜日、昼過ぎまで仕事があるけい。なかなか会の泊り山行に参加出来ない。5月の修了山行には参加出来るというが雪山実技トレの回数が少ない。この3連休、補講として八ヶ岳に行くことにした。2週間前には後発で武奈ヶ岳山行があったがアクシデントで実施出来ていない。もう1回は雪山へ行って欲しい。


9日

13:30にJR西宮を○玉、marikoが出発。高速を使ったので三国駅には14:00過ぎに到着。けいは昼食中。しばらく待って出発。○玉の提案で16:00の天気図を描くことにする。黒丸PAに入って車の中で天気図を取る。駒ヶ岳SAに19:00着。夕食を済ませ乾杯して寝る。普段寝不足のけい7時間も眠れるので幸せ。


10日

4:30起床、朝食後すぐに出発。諏訪湖SAでガソリンを入れて諏訪ICで降りて茅野駅へ向かう。駐車場に着いたのは6:30。パッキング、装備などをつけていると駅まで10分かかるので大忙し。トイレに行きたいmariko、けいは先に出る。○玉はギリギリ間に合う。見ると新しいブルーのアウターを来ている。パンツもおニューだそうだ。なんか色々買ったみたい。まだまだやる気十分だね。これで最後という言葉にうなづく。お天気はよく甲斐駒が見える。蓼科山、横岳はきれいに晴れているが天狗には雲がかかっている。渋の湯が近づくと路肩に駐車がずらり。バスが通過できず車を移動することも。運転手がいたから良かったものの、あまりのひどさにびっくりだ。「駐車場あるのにねえ」「満車なんや」そういうことか。けいのポットにSAでお茶を入れ忘れたので自販機でお茶を購入。アイゼンをつけて出発。トレースはバッチリで読図が難しい。が一応地図を確認する。けい、○玉、marikoの順で歩く。最初から急登。アイゼンは正解。踏み固められて滑り易い。出発時は寒かったがすぐに暑くなる。ゆっくりゆっくりと言いながらも汗が出てくる。とうとう我慢しきれず途中でアウターを脱ぐ。サングラスも曇る。○玉は頑張って分岐まで先行する。下山する人も多い。明日もお休みなのに。唐沢鉱泉分岐で待っていた○玉が下山者に聞いたところによると天狗からの下りもトレースがあるそうだ。今朝天狗に登ってきたという男性はやはり風が強く景色は見えなかったと言う。黒百合ヒュッテに着くと登山者もテントもいっぱい。トイレを済ませレーションを食べ防寒対策をして出発。青空が見えてはいるが雲がすごい速さで流れている。汗を一杯かいて登って来たのに、気温は低く手袋を外すとすぐに手が冷たくなる。中山峠まではすぐ。けいは行き過ぎそうになる。○玉が声を掛ける。ここからは左が切れているので要注意。

▲天狗岳「あの岩場どうした?登るんか?」「巻くんかなあ」登りました。
岩場が出てくるまではけいがトップで歩く。風が強くなり時々立ち止まることも。岩場になると○玉のスピードが上がるのか、こちらのスピードが落ちるのか?とにかく○玉は元気だ。ピークには人がいっぱい。

▲2/10 12:12 天狗岳で 背景は阿弥陀岳
記念撮影をお願いしたらこの寒いのに手袋を外して素手で撮るので恐縮。それも2回もシャッターを押してくれる。早々に下ろうとしたが、○玉は南アの山の名前を聞かれて答えている。聞いた通りトレースがある。○玉が行ってみる。雪はそこそこ安定していてザイルなしで行けそうだ。けいが続きすぐ後をmarikoが下る。時々風が吹くのでその時はストップ。前回より雪は少なく鎖も少し見えている。尾根を進むが岩が出ている所が多い。バックステップは短い距離だった。そして根石岳を目指すが今回も風が強い。足元は石がゴロゴロしているし歩きにくいことこの上ない。けいはピッケルを使わずに歩いているので風上にピッケルをついて歩く様に言うがその声も聴き取り難いようだ。途中でけいが立ち止った。足首に力が入らない。すぐに外傾するという。アイゼンに大きな石がはさまっていたのでそれを外すがそれでも違和感があるという。歩けると言うのでそのまま進む。根石岳で一息つくが休憩できる状況ではない。「樹林まで行こう」と頑張る。樹林に入ってもしばらく歩き続ける。箕冠山で休憩。ホットする。地図を見たけいが「もうすぐですね」。夏沢峠へのトレースもあって問題ない。大きな上り下りもないし。快適な樹林歩き。けれど左が切れていてトレースがギリギリの所があった。夏沢峠の小屋に到着。ザックを降ろしテント場を捜すがなかなかいい所がない。樹林の奥へ行ったり硫黄の方へも行ってみるが狭い。硫黄から降りて来る登山者も結構いる。今から天狗まで行く人や本沢温泉からピストン。夏沢鉱泉からのピストンも。元に戻り樹林の出口を整地する。通路にかかるので避けたかったのだ。さっき天狗へ向かった人がいたが、時間を考えると、もうこの時間から通過する人はいないだろう。と思っていると若い男の子たちが3人通過する。「テント場探しとンか?」と○玉が声を掛ける。樹林をへだてて小屋側に学生らしきパーティーも整地を始めた。大きな穴を掘っている。そういう方法もあるのか?そう言えばどこかで穴を見た。掘り過ぎないかと心配して覗く。大丈夫だ。テント設営は完全な樹林の中ではないので風が強い。なにしろ反対側は切れているので飛ばされたら回収が困難。神経を使う。ピッケル、バイル、スノーバーも使って止める。このテントはフライを張る時にポールの先をアイレットに入れるので、再度ピッケルを抜かないといけない。結構面倒。ポールも尾根が切れているので落とさないようにと声を掛ける。フライがきちんと本体から離れるように底の中央もしっかりペグで引く。○玉にペグを渡すと「だけが作ったペグや」と聞く。「水野さん」「丁寧に作っとうなあ。面取りまでして」「そうか、面取りしとんや」しっかりしてて、スリングも十分な長さがあり(この長さは防風ブロックを作った時に必要)、結び目もずれない。そして手に優しかったんだ。面取りなんて考えもしなかった。ひとしきり水野さんの話で盛り上がる。「好きなことはきっちり出来るんやなあ」と3人で絶賛。狭いかと思ったが平らで快適なテント場になった。天気図を作成し食事の準備を始める。寄せ鍋だ。ビールで乾杯。けいが盛んに換気に気を使っている。「今日は大丈夫や」そうそう雪も降ってないし、3人だし。夕食は少々多目で満腹になった。山では調理したものを捨てるわけにはいかないので分量が難しい。最近多目のような気がする。少し減らした方がいいかも。トイレも要注意。出口から右へ行くと切れているので念押しする。早く到着した割には寝るのが結構遅くなった。20:00になっていた。それでも8時間は眠れる。


11日


▲硫黄岳 標高差340m
風の音が一晩中していた。4:00起床。今朝もそれほど寒くはなかった。朝は鮭雑炊。2合の雑炊も少々多かった。1合のお米にお餅がいいという結論。2時間で出ることを目標にしたが15分オーバー。今日はペグもすぐに掘り出せたしポールも凍っていなかった。食事に時間がかかったかも。水や戻したアルファー米の保温を考えた方がいいかも。まだ暗い中、アイゼン、ピッケルで出発する。最初から急登だ。けいは重たくなったテント一式を背負っているが快調。○玉はゆっくり歩きたいと最後尾を歩く。marikoは身体が重い。ザックが引かれるように感じる。もう登攀具はいらないと下の方にパッキングしたのが悪かったのか?最初の急登を越えたところで先行するけいに声を掛けて待ってもらう。夏沢峠2420m、硫黄岳2760m。高度差340m。とてもこの調子では登り切れないと思った。1600gザイルをけいに、780gスノーバーを○玉に持ってもらう。樹林はけいがトップで歩く。硫黄のジグザグの登りが始まる。けいが戸惑っている。「尾根の右」と声を掛けるが踏跡の様に見える所があちこちにあるようだ。○玉が「ワシが行くわ」と先頭を歩く。樹林を抜けると風が強い。ここも左が切れている。右から風が吹くので飛ばされると危ない。が、そういうところは1カ所だけだった。下から見てどこを登るのだろうかと話していた岩場は右を巻く。その次が危険ヵ所。急登が終ってからもピークまで長い。この登りでも岩が出てくる。だからか○玉は予想外に元気。ケルンや夏道の鉄棒が目印になる。時々二人に待ってもらいながらやっと到着。写真をと思ったら電池切れ。すぐに下山を始める。今日は風は強いが天気は曇りなので雪が目に入るようなことはない。mariko、けいはゴーグルをしている。○玉はゴーグルもサングラスもしていないのでまつ毛が真っ白になってる。見えるのかなあ。視界は30mくらいか?。ビヴァーク訓練をしたところからはやっぱり分かりづらいが、少し進めば標識がなんとか見える。赤岩の頭に来るがここからの降り口が不明。とりあえず少し左寄りにと思って歩き出した時に登山者が雪庇を崩して登ってきた。ラッキー。そのパーティーが全員登り切るのを待つ。最初の下りが雪が不安定。結構積雪量も多い。ピッケルが全部埋まってしまう。けいに少し間隔を空けるように言う。樹林を順調に下る。登って来る人に出会うことが多くなる。どうも今日はトレースがなかったようで時々変な道になっている。かなり下ったところで休憩。赤岳鉱泉まですぐだった。もう、テントは少ない。休まずに堰堤まで歩く。バスの時間を見ると11時台は無理。次は13:20。ならゆっくり下ろうという気になる。アイゼンはつけたまま。やまのこ村で休憩。お天気は良くなりつつある。薄日もさす。ショートカットを使いながら林道を下る。今週末来る河原奥の氷を確認する。美濃戸口で1時間の待ち時間。もしかしたら臨時のバスがあったのかも。留守本部へ下山報告をしようと携帯を出すと電池切れ。替りにけいにメールしてもらう。けいのデジカメの電池は満杯に復活したそうだ。雪山の電気機器の電池、なとかならないかなあ。1時間とはいいながらも装備の片づけなどをしていると結構時間が経つのが早いものだ。早めに着いたバスに乗り込む。美術館からは茅野駅まで直通。駅にザックを置いて○玉は車を取りに行く。諏訪湖SAで温泉と食事、反省会を済ませる。多賀から渋滞にかかり西宮に着いたのは22:00前になっていた。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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