久住雪山トレ  (報告/ジプシー)


■日 程 : 2012年12月29日(土)〜31日(月)

■山 域 : 久住山

■参加者 :(単独)


ジプシー
■行動日程:

12月29日(土)5:00西二見→(車で)13:00長者原→15:30坊ガツル(テント泊)

12月30日(日)10:30坊ガツル→11:35鉾立峠→12:30白口岳→13:20中岳→13:35御池の小屋→14:10久住分れ→14:40諏蛾守分岐→15:10法華院温泉(坊ガツルでテント泊)

12月31日(月)8:00坊ガツル→10:00長者原




高校の山岳部以来20数年ぶりの久住だ。暖かく、まったく雪がない。ただのボッカトレになってしまうのか。とにかく本日のキャンプ地、坊ガツルに入る。

翌30日、前日夜半から雨が降り止まない。気温もかなり下がっている。ボッカトレから停滞トレに切り替える。一応出発準備をしたままテントで眠る。年末の疲れからか、いくらでも眠れる。

10時過ぎ、小雨になる。法華院温泉小屋まで行ってみる。早めに昼食。雨はほぼ上がった。停滞トレからピークハントに切り替える。主稜だけなら4時間で往復できるだろう。

中岳まで直登したかったが、土砂崩れで通行止めだ。仕方がないので白口岳へ回り込むルートをとる。高度を上げると寒さ厳しく、小雨は小雪となる。オーバーミトンとザックのウエストベルトが凍り始めた。

白口岳から強風に晒される。吹雪だ。とうとう雪山トレになった。インナー手袋は濡れたのでウールの手袋に交換する。暖かい。最初からウールにしておけばよかった。アウターも凍ってきた。


▲中岳頂上(セルフで撮影)
中岳頂上付近から本格的に吹雪かれる。視界30メートルくらいか。山はまったく見えない。そろそろ御池が見えるはずなのだが見えない。避難小屋を発見する。新しいトレースもある。雪山での新しいトレースは単独者には少し安心だ。右側に御池も見えた。トレースを辿り進む。

▲凍りついた御池
風雪強く、ホワイトアウト。息もつけない風が吹く。トレースを見失う。道を失った。単独で雪山に入ったときに一番嫌な瞬間だ。風を避ける遮蔽物もない。まずい状況だ。ザックから地図とコンパスを出す余裕もない。オーバーミトンを捲りあげ腕時計の電子コンパスで方角を見る。御池を左に巻くので進むべきは北から北西だ。鹿の足跡を発見。鹿の足跡は本道に通じる。以前そういう経験をした。方角も合っている。足跡を辿り進む。吹雪が少し弱まる。何となく道のような気がする。いい感じだ。何とかなりそうだ。5分くらいで標識を発見。やっぱり道だった。風雪は収まらず、まだ緊張感は解けない。

久住山の分岐へ出る。ピークハントならこの百名山には登っておきたいところだ。体力は十分。手足は火照るほど暖かい。だがすでに14時だ。この強風下、北千里浜で暗くなれば危ない。久住は登ったこともあるし、来年また来よう。久住分れから、北千里浜へ下る。風雪はだいぶましになったが、北千里浜の地吹雪は不気味だ。

▲北千里浜
15時過ぎに何とか法華院温泉に辿り着く。結局誰にも会わなかった。こんな吹雪の時はあまり出歩かない方がいい。温泉に入り温まる。坊ガツルのテントに帰るとテントが凍りついていた。

翌31日、一晩中強風がテントを叩き、ほとんど一睡もできなかった。テント以外の荷物をパッキングし、靴もゲーターも装着したあと、1、2の3でテントの外に出る。テントから出た途端にテントは強風で潰れてしまった。あわててポールをリリースする。飛ばされないようにテントとフライを踏み付ける。テントと格闘するが埒が明かない。一切合財を引きずり炊事場へ避難するが、ここも強風のシェルターとはなっていない。テントは凍りつき畳むのに相当力がいる。普段の1.5倍くらいの大きさにしか畳めない。パッキングが終わった時には疲労困憊し、手足は冷たく、体には震えがきていた。

8時に坊ガツルを出発。風は強いが雪は降らず。時折晴れ間も見え、山も見える。歩き出すと手足も温まってくる。最近新調した冬靴はいい。足先が冷たいまま下山せずに済みそうだ。2時間ほどで長者原に到着。駐車場は凍り、車は雪を被っていた。久住は秋の穏やかな山から、わずか2日間で冬の山に変わっていた。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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