「八ヶ岳・大同心雲稜ルート」 1本のルートで繋がる!  (報告/country gentleman)


■日 程 : 2012年9月15日(土)夜〜17日(祝・月)

■山 域 : 八ヶ岳 横岳西面 大同心

■参加者 :

country gentleman

○玉
■行動記録:

9/15 ○玉宅駐車場に21時00分集合し、○玉の車にて出発。小黒川PAで仮眠

9/16 小黒川PA 出発〜7:20美濃戸口駐車場発〜9:50赤岳鉱泉着 BC設営 10:50発〜12:20大同心雲稜ルート登攀開始〜15:20終了点〜15:50南稜の肩〜16:20大同心基部〜14:20着 赤岳鉱泉(泊)

9/17 5:20赤岳鉱泉発〜7:40美濃戸口〜往路を帰る




9/15 当初予定では、9月1日〜2日であったが、country gentlemanの都合で、3連休の中日出発に日程を変更してもらう。昨年より1週間早いので、寒さもましであろう。なんせ去年の寒さが頭から離れず、防寒対策に頭を悩ませての準備となりました。去年と同様小黒川PAで、座席を倒して車中泊とする。


9/16 16日朝の美濃戸口は車で溢れ、美濃戸への林道は通行止めのゲートが置かれていた。予定より1時間程長く歩くことになったが、3時間足らずで赤岳鉱泉小屋に着いてテントを張ることが出来た。空は雲ひとつ無い。大同心稜は、尾根が細くなったところを越えた所で迷いそうになる。去年も気を付けた個所である。倒木で道が一瞬分からなくなる。迷ったら左へいけば問題なし。基部手前はザレておりイヤなところです。12時過ぎに大同心の基部に到着し、長袖に着替える。

▲大同心全景
雲稜ルート取り付きへは左へ50mほど下ると、取り付きにボルトがあります。踏み跡もあり迷わない。先行パーティが1パーティあり。2ピッチ目の登りにかかっている。昨年は壁にツララが垂れる寒さもあって3ピッチだけの試登に終わった。今回は○玉が昨年フォローした1、2、5ピッチをリードし、残る3、4ピッチはcountry gentlemanがリードすることになった。

1ピッチ 今回は、荷物を担いで登る。出だしから一段上がったバンドまで、支点がないのでビレーも緊張する。そこからは、支点間隔が適度にある。支点もボルトで整備されている。ハング越えも落ち着けばホールドはしっかりある。ただ、荷物に背中が引っ張られる感じでしんどかった。リードはどれほどであったか?ここから左にトラバースであるが、ここが意外と核心。ランナウトするので怖い。トラバース後右斜め上を目指すと終了点。ボルトで整備された安心できるビレーポイント。

2ピッチ目 出だしから被っている。スタンスがよくない。前回どうやって登ったのか?荷物のあるなしの大きさを感じる。持ちたいホールドが動いて更に迷わせてくれる。核心はこの次の浅い凹角。両手を細かいホールドで耐え、右手を飛ばしてガバへ。凹角に足上げして乗り込んでいくというのがイメージ。細かいホールドを保持していると、若干被っているのでそれだけでしんどい。足上げしたスタンスもスメアで止める感じで心許ない。荷物もあるし等いろんな言い訳の元あっさり、持ってください、置いてくださいとぶら下がっているスリングを使ってしまう。凹角を抜け、左へトラバースするところが、またランナウトして怖い。左へ移るとボルトに導かれ右上し終了点へ。終了点手前に浮石があったそうだが、セカンドの気楽さからかあまり気にならなかった。

▲2ピッチ目終了点手前


▲3ピッチ目を見上げる
3ピッチ ここからリード交代。気持ちを切り替える。ルートは直上であろうが、岩が積み重なってもろそうなので、左から逆くの字に登ることにする。しかし、逆くの字に戻るところが、岩が動くし、スタンスが草つきで滑りそうで、違う意味での恐怖を感じる。これぞアルパインって感じ。なんとかやりすごし、傾斜が緩むが、1、2ピッチの安定した岩から、不安定な岩、草つきの処理に悩まされる。顕著なピナクルでビレー。

4ピッチ目 ドームの基部まで2ピッチで切るか途中で判断することとしスタート。出だしは、傾斜を殺すために、ステミングを多用。ホールドもしっかりしているので、思い切って体重移動させる。意外とテクニカルな部分であった。20mほどで終了点。

▲4ピッチ目出だし
ロープは流れるし、コールも届きそうなので、そのままドームの基部を目指す。ここからはバンドをトラバース。よく記録に出ているイナバウアーしなければいけない岩の突起も出てくる。ここは手前にボルトがあるし、ホールドもしっかりしている。恐れることはないが、体がのけぞる感覚はやはり気持ちのいいものではなく、慎重になる。スタンスはバンドでしっかりしているので落ち着けば問題なし。回り込んだところがビレー点。回り込むので、どうしても岩角にロープが擦ってしまう。

▲4ピッチ目 イナバウアー
5ピッチ フィナーレは○玉さんに飾ってもらう。荷物を置いていくか検討するが、なんとかなるやろということで担いで登りだす。核心は2段目のハング。これまでに比べ、ホールドが甘くなる。赤いスリングが持ってくれと言わんばかりに垂れ下がっている。去年もあったよな。右足に乗り込むのが怖い。越えてから小休止できる。最後のカンテは、ボルト間隔も短く思い切って体を振っていった記憶があるが、今回は正対で強引に越えて終了。なんとか登りきることができた。ガスに覆われ、景色を楽しむことはできなかった。

終了点からロープ2本を結束し、ドーム基部へ懸垂下降。途中空中懸垂になる。1本ならギリギリ足りへんかなって感じ。小休止後、念のためハーネスは着けたままで下山開始。ドームの基部を伝っていくと踏みあとが出てくる。大同心沢も落ち着いて下れば、問題なし。どちらかと言うと、右手へ向かう。南稜の取り付きを越え、大同心基部へ。ここで一安心。登ったルートを振り返る。心地よいひと時です。登ったルートを目で追うと、頂上まで1本の線でつながる。登る前には、どこ登るんやろと壁を眺めていたのが、1本の線でつながって壁を眺めるようになるのは不思議な感じ。

▲登攀後、ルートを見上げる

9/17 小同心クラックの予定で、3時30分に起床するが、霧雨である。止むことがなく降り続け、壁が濡れてくるので下山とする。早々と神戸に帰ってきました。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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