立山の展望は最高! 初級雪山教室修了山行  立山縦走  (報告/なおみ)


■日 程 : 2012年4月27日(木)発〜4月30日(月)

■目 的 : 初級雪山教室修了山行

■山 域 : 北アルプス 立山

■参加者 :

A班

なおみ
(リーダー/班長)

mariko
(サブリーダー)

ぶーちゃん
(装備)

AP
(気象・食料・会計)

B班

yuka
(班長・医療・気象)

○玉
(アドバイザー)

isoroku
(装備)

maho
(食料・会計)
■行 動 :

4/27 ○玉車・西宮13:00発・isoroku車県連事務所前21:00発・ちびR車・JR大阪駅21:30発〜立山駅駐車場で仮眠、後発はisoroku車3:00、ちびR車4:00着

4/28 4:00朝食 5:00ケーブルチケットに並ぶ 6:00ケーブル・高原バス 8:10室堂出発 9:00雷鳥沢 10:00休憩 10:55〜11:15剣御前小屋 11:30剣沢テント場12:30テント設営 14:00〜15:40 剣班と合同滑落停止訓練 19:00反省会20:00就寝

4/29 4:00起床6:00出発 6:20〜8:00アイゼン歩行・滑落停止訓練 8:15 剣御前 8:55別山 10:00真砂岳 11:15 冨士ノ折立 11:30 大汝山 12:00〜12:20雄山13:00〜13:40一ノ越 14:40雷鳥沢 16:00剣御前 16:30〜17:30剣沢BC 18:00反省会 21:00就寝

4/30 5:00起床 7:00出発10:00室堂 バス・ケーブル12:00〜13:30立山・温泉20:00〜20:30 神戸・西宮・大阪着




今年度の初級雪山教室のメンバーは昨年のAP、yukaにisoroku、maho、ぶーちゃんを加えて5名。年明けから八ヶ岳、武奈ヶ岳、氷ノ山、北八ヶ岳とほぼ順調に山行を重ねることができた。ただし昨年の立山の状況からするとボッカ、アイゼン歩行、滑落停止訓練など十分とはいえない。事前に剣班合同トレとしてボッカ(20kg以上 芦屋川〜有馬三山〜極楽茶屋〜油こぶし〜六甲ケーブル下)、アイゼントレ(地獄谷〜奥高座〜キャッスル下降路〜ブラックフェース下降路〜荒地山〜滝の茶屋)をおこなった。直前でぶーちゃんが風邪をひいていたがなんとか参加することができた。当日は幸い天候に恵まれ、視界良好の中歩くことが出来た。29日は気温上昇し雪質が緩んできたため、雄山往復はあきらめ昨年と同様、雄山から一ノ越、雷鳥平を経て剣沢に戻る周回コースとなった。雪山の経験が少ないリーダーをmariko、○玉にサポート、アドバイスをうけて全員縦走することができた。お二人には本当に感謝です。これまでの経験をふまえて、来期の雪山にむけて、トレーニングを積み重ねていきたい。



4/27 晴れ 剣班と一緒に行動 車3台で立山へ

事前の気象はyuka、APが直前に送ってきた。西日本に中心を持つ高気圧に覆われ3日間おおむね晴れの予報、稜線では次第に風が強まる。気温上昇する為、ブロックや雪庇崩落、湿雪雪崩に厳重な注意が必要との情報。往復は剣班と合同の行動で、○玉車は13時に西宮を出発して夜には立山に着き宴会をしていたらしい。AP特性鯛のカルパッチョは大好評。isoroku車は20時県連事務所前発、ちびR車は21時半大阪駅前を出発した。

4/28 晴れ 快晴の立山

立山に着いたのはisoroku車3時、ちびR車4時。isoroku車メンバーは気を利かせてテントを張ってくれたが、シュラフを探す余裕もないので朝食を摂って4時半から動き始めた。ちびR、Ryuchanはほとんど仮眠なしの状態だった。それでも若さで乗りきっている。5時すぎケーブルチケット売り場にカノンが行くと20名程並んでいる。5時20分から販売開始でチケットをまとめて購入する。臨時便も出ている。高原バスに乗ると晴れて視界は抜群、GW後半で大日岳に登るRyuchanは写真を撮っている。○玉がルートを説明する。雪の大谷は17mで昨年並みだが雪は少ないという。室堂に到着してザックの重量をはかるとyuka、mariko、なおみ、AP、maho21kg、ぶーちゃん25kg。isorokuはそれ以上だろう。観光客やスキー、スノーボードの人でにぎわっている。装備をつけて剣班と一緒に記念撮影後、剣班が先行して歩き出す。雲一つない快晴、雪は適度にしまっているのでアイゼンなしで歩く。yukaを先頭にB班から歩きだす。

▲4/28 雷鳥沢 yuka先頭で登る
ルートは間違えることはないが、たくさんトレースがついているので○玉が時々アドバイスする。雷鳥荘手前で白い雷鳥が姿をみせる。人慣れしているのか逃げない。鳴き声は蛙のようだ。雷鳥平のテント数は思ったより少ない。途中で雷鳥沢を登っている剣班に追いつく。休憩しているので、yukaもそこで「休憩します」と休もうとするがまだ1時間も経っていない。○玉が「休憩はまだやで」と一言、もう少し先の標竹まですすむ。先頭のyukaはステップが大きいところもあるのでしんどいようでmarikoがステップを小さくするようにアドバイスする。休憩して見渡せる景色は素晴らしい。気温上昇して暑いのでmaho、yukaの日焼け対策はバッチリ覆面状態。
休憩後はきつい斜面が出てくる。yuka、isoroku、mahoは順調な足取り、ぶーちゃん、AP休みがちになる。2回目の休憩後尾根に出てトラヴァースしながら剣御前小屋に出る。ぶーちゃんはこのトラヴァースが苦手だったようだ。剣班も休憩している。眼前には剣岳が聳えている。白馬から唐松までの稜線もくっきりと見える。休憩後ビールを購入して、三田平まで一気に下る。テント場は管理事務所あたり、右下方にトイレを掘り出してくれている。まず、風よけにスノーソーやスコップを使ってブロックを積む、剣班のブロックは整然と積まれている。A班はリーダー含め動きが遅いのでmarikoが次々指示を出している。雪はそれほど固くないので1時間程でテント設営する。マットを敷く段階になってB班のマットを準備担当のAPが持っていないことがわかる。幸い剣班が他にマットを持ってきていたので借りることができたのでよかったが、今後このようなことが発生しないようにしていきたい。
各テントで昼食を摂った後、14時から対岸の斜面で合同滑落停止訓練をおこなう。ぶーちゃんは体調不良でテントにmarikoと戻ることになる。雪が緩んできているのであまり滑らず潜ってしまうが○玉が労山方式の見本を見せる。mahoは岳連方式が慣れているようでくるっと回転してうつ伏せで止めている。isorokuは脇があいているせいかピックがしっかりと止められず滑ってしまう。でんぐり返りや仰向けで頭から滑るなど設定を色々変えて滑落停止をおこない15時40分終了する。その後テントに戻るとぶーちゃんは元気になっていてホッとする。16時の天気図では西からの低気圧の張りだしはなく翌日も晴れる予想。ただし日本海付近の風向は乱れている。夕食メニューはA班APはじめての食担トムヤンクンスープ、B班はmaho担当、秋田仕込みのきりたんぽ鍋、高野豆腐入りはmahoの定番になっている。ぶーちゃん、食欲はあるものの体温は37.8度に上がってきた。食後ロキソニン、胃薬を飲む。夕食後反省会をして就寝。ぶーちゃん就寝前は36.5度。薬が少し効いてきたようだ。暑がりなので一枚ずつ脱いで寝ている。夜空には星が出ていた。23時頃から強風で朝方までエスパース2号のフライはバタバタと大きな音をたてるので、何度も目がさめた。 

4/29 晴れ  別山〜富士の折立〜雄山〜一ノ越〜雷鳥平〜剣御前〜剣沢BC

4時起床、晴れて剣岳がよく見えている。ぶーちゃん、あの強風の中でも少し眠れたようで「行けます」との返事。朝食はしっかり食べているが少し心配なので朝の雪上訓練、剣御前までの登りで判断することにする。剣班は5時すぎ元気に出発。昨夜の強風で雪は凍っている。立山班もアイゼンをつけてisoroku先頭に出発する。早いスピードなのでAPが遅れがちになる。剣御前手前の斜面でバケツを掘り、○玉、marikoの指導でアイゼン歩行、直登下降、斜下降、斜登高、トラヴァース、方向転換、フロントポイントでの登下降、滑落停止をおこなう。

▲4/29 滑落停止訓練
昨日あまり止められなかったisorokuは止めることができるようになっていた。yukaはピッケルの持ち方に戸惑っているため瞬時に持ち替えできるよう注意が必要だ。mahoは岳連方式で止める。AP、ぶーちゃんアドバイス受けながら練習する。8時まで練習後、剣御前に向かう。休憩後ぶーちゃん先頭に別山に向かう、その後もぶーちゃん「行けます」と元気な返事があったので、行動することに決める。先頭は交替しながら歩く、AP先頭で別山への登りではガレ場が出てくる。mahoのアイゼンが外れてしまう。修理しようとするが、isorokuがサブザックに変えて修理具、無線を忘れたことに気付く。結局修理しないまま歩くがその後はトラブルなく最後まで歩くことができた。心配した別山の下りもトレースがあり問題ない。真砂岳では夏道も見えているが稜線に出ることにする。富士の折立手前で休憩する。

▲富士の折立への登り
雲が少し出てきている。暑いが休憩すると肌寒いので上着を着る。富士の折立への登り半分ほどの地点で登山者のスピードが遅くなっている。折立の取り付き付近で、左方にはクレバスもあり、降りて来る登山者が雪にはまって仲間が助けている。夏道と冬道が出て来てルート取りを間違えると行き詰まるのでmarikoの指示で○玉と先頭を変わる。結果夏道通して今年は楽に歩けたようだ。岩場を抜けて富士の折立通過できたが、雪も緩んでくるので雄山から往復は難しいと思われた。
雪質により往復か周回にするかは実際来て雪質をみなければわからないことを再確認した。これからは広い雪の尾根、東側には雪庇が見える。大汝山から雄山までは昨年かなり下をトラヴァースしたようだが、今年は広い雪面にトレースが多い、トレースを辿ろうとするとmarikoが雪庇やクレバスがあるので注意するよう声がかかる。雄山神社へのトラヴァースを過ぎると岩が出てくる。登りきると大勢の登山客、小屋の前で休憩する。表銀座から槍ヶ岳まで見えて気持ちの良い眺望。正面の雄山谷を滑るスキーヤーも見える。

▲4/29 雄山山頂にて
ぶーちゃんやや疲れている。今後の行動は往復せず周回することを伝える。これからも長い行程だ。12時剣との無線交信、他の電波は入るが谷に入っているのか通じないのであきらめる。休憩後一ノ越への下りも油断できないので○玉先頭にA班から下る。下りが苦手なぶーちゃんペースダウン、ボーダーや登山客が大勢登ってくる。一ノ越の小屋手前で○玉が急斜面を下るよう指示があり○玉、maho勢いよく下る。yuka、AP、marikoも続くが大穴をあけながら苦戦。isorokuはトイレ目指して夏道を早々と下っている。ぶーちゃんは夏道下るので一緒に下る。小屋で休憩。暑い陽射しの中雷鳥平へ下る。グリセードを○玉試みるも雪が緩んで来てあまり滑らない。AP、なおみも真似してみるが途中で止まってしまう。isoroku、mahoはどんどん下る。ブルドーザーの道に出てからは○玉、marikoゆっくり歩く。雷鳥平のテントはかなり増えている。AP、ぶーちゃん、yuka、なおみが休憩しているとmariko、○玉が休まず追い抜いて行く。isoroku、mahoも雷鳥坂手前で休憩している。二人は再び先行するがあっという間に遠くなる。体力があまっている感じだ。後はAP先頭に登る、小さめのステップでゆっくりと登る。前日と比べていいペースで登っている。ぶーちゃんかなり疲れているようで度々休んでいる。剣御前小屋でぶーちゃんトイレに行き時間がかかっているので、みんなに先に行ってもらい一緒にテント場まで下ることにする。トイレから出てきたぶーちゃんはすっきりした表情なので安心する。テント場まで下っている途中で剣班のココノールから無線交信があり、みんな到着したと連絡がある。夕暮れに見える剣やテント場をみながら無事到着できた安堵感が広がる。今年も10時間の行動を体調不良もありながら全員よく頑張った。
剣班は早々と帰って宴会の様子、みんな笑顔が見える。良かった。入れてもらったコーヒーはとてもおいしかった。反省会後夕食準備、AP、ぶーちゃん動きがよくなってきた。ぶーちゃんがぽつりと「テント生活というのはテントでメンバーがうまく過ごす相性のことかと思った。」と言われる。テント泊一緒にするのは初めてだったので予想外の言葉に驚いた。まあ、今回テント生活を気付いてくれてよかった。夕食のポトフは1回目肉団子、2回目ベーコンと工夫され美味しく出来上がったがmarikoが「食欲がない」と食べずに横になる。山で食べられないことが今までに3回あったと言う。相当疲れたのだろう、心労も多かったかもしれない。食べていると明日源治郎を登るちびサンボがやってくる。下見に行ってきたようだ。今年は天候に恵まれてよかったね。この夜は風がなく静かな夜だった。

4/30晴れ 室堂への下山

3時頃から行動している人たちがいる。5時起床。ちびサンボさんたちはもう出発しているだろう。朝メニューはご飯、インスタントの味噌汁、韓国のり、つけもの。mariko少し食欲が出てきた。食事を終えた頃には剣班、A班が外に出ている声がしている。テント撤収。朝はやや雪質堅いのでアイゼンをつけてぶーちゃん先頭に剣御前まで行く。雷鳥が数羽いる。

▲剣御前から下る
剣御前からAPに先頭を変わる。トレースをたどるとバランスが悪い。慎重に歩いていると下りの早いココノール、カノンが追い越していく。急な下りとなりアドバイスしながら、立山班は一歩ずつ慎重に下る。Tankuroも追い越していく。雷鳥平で休憩して、スキー登行リフト横をisorokuが先頭に登る。Tankuroは雷鳥ヒュッテの方向にまわっている。A班と距離があく、APは膝が痛くなる。ぶーちゃんに室堂まで着いたら誰かに荷物を取りにきてもらうよう頼み、AP、なおみはゆっくりと歩く。みくりが池への階段を登っている時、後ろを振り返るとTankuroが階段を下りているのが見えた。Tankuroは私達が後ろと思いゆっくり歩いていたようだ。AP、痛みはあるが室堂まで歩き通すことができた。Ryuchanがむかえにきてくれたが大丈夫なので、Tankuroをむかえに行ってもらう。室堂周辺は観光客があふれている。バスも臨時便が出るので予約の必要がなかったようだ。立山で温泉に入り、3台の車で大阪、神戸の帰路につく。高速から見える風景は新緑となっていた。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

剣岳別山尾根 剱岳・源次郎尾根登攀報告

Copyright(c) 2009- MERAPEAK-KOBE All Rights Reserved.