初級雪山トレ(2) 釈迦岳〜武奈ヶ岳   (報告/mariko)


■日 程 : 2012年2月11日(土)〜2月12日(日)

■山 域 : 比良山系

■目 的 : ラッセル、ルートファインディング、水つくり

■参加者 :

mariko
(リーダー)

Tankuro
(サブリーダー)

Ryuchan
(装備)

ぶーちゃん
(食料・記録)

○玉
(医療)
■行 動 :

2/11(土) 神戸7:16 三宮7:20 尼崎7:37 大阪7:45 高槻8:01発新快速敦賀行 北小松8:50着 ぶーちゃん9:48着 10:05出発 10:30慕之橋 10:50展望台 涼峠11:15 休憩11:50 ヤケ山12:05-12:15 昼12:35-12:45 ヤケオ山13:50 釈迦岳14:30 就寝21:00

2/12(日) 起床4:30 出発7:05 カラ岳 八雲ヶ原9:45-9:55 武奈ヶ岳11:50 北比良峠13:15-13:40 大山口 イン谷口15:35 比良駅17:15





▲コンパスを確認するRyuchan

2回目のトレーニングは武奈ヶ岳に決まっていた。ルートは決まっていなかった。八ヶ岳の帰り、○玉の提案で縦走をすることになった。数年前日帰りで計画してラッセルで引き返すことになった北小松から釈迦岳のコースだ。トレースがある八ヶ岳とは違ってラッセルもあるしルートファインディングも必要になる。 水も作らないといけないしトイレもない。2日あるし人数も多いし元気なメンバーだ。しかし祝日ということでyukaは休暇が取れずに早くから不参加となった。6名でミーティングを行ったが、isorokuは先週末のスキーで腰痛になり木曜日に不参加を決めた。計画では1日目八雲ヶ原でテント泊、2日目は武奈ヶ岳から西南稜を下ってワサビ峠〜中峠〜金糞岳〜堂満岳〜堂満東稜を下るというものだった。前週から強い冬型が続き降雪が続いている。前の土日には気温が上がり雨も降った。標高1200mまでは雨だった。そして今週再び冬型になり雪が降り続いている。気象庁は琵琶湖の西にも雪崩注意報を出している。ラッセルで予定通りには行けないだろうとは思っていた。せめて釈迦岳まではと最初のエスケープを大津ワンゲル道にした。Ryuchanは初級を修了しているので今回はテント生活を仕切ってもらおうと思ったがやっぱり火器の使用中の事故が心配なのでテント生活は6名で行うことにしていた。Ryuchanはトップを読図をしながら歩くのが楽しかった。ぶーちゃんは今回くらいのお天気が雪山らしくて好きで、トップをラッセルして歩くのが楽しかったそうだ。Ryuchanはこのルートなら次回はリーダーで来れるしテント生活も大丈夫ですと自信満々で言った




2/11 朝出発準備をしているとぶーちゃんから電話が入る。今仕事から帰ってきて準備すると言う。ええ〜〜〜。isorokuの不参加で装備や食糧変更があるのにメールを見ているのかどうか返事がない。心配になって確認の携帯メールを入れたら昨日までのメールは見ていて今日は定時に帰って買い物をすると返事があったのに。買い物はしたそうだ。とにかく早く準備するようにと言って細かな事情は聞かずに電話を切った。集合は敦賀行の新快速、前から2両目の前だ。○玉は時間があったからと芦屋で乗って来た。「ぶーちゃんは?」「遅れるんやって」「寝過ごしたんか?」「寝てないねん」と事情を説明。Ryuchan、Tankuroも同じ質問をする。「それがねえ〜」と説明だ。Ryuchanはテント一式を持っているがエスパースだし、登攀具がないので軽すぎて忘れ物をしていないか心配だと言う。スキー場がある頃はレジャー号と呼ばれて満員だった。去年も混んでいたが、今日は空いていた。敦賀行の新快速は近江舞子からは各停だ。北小松からの登山者はいないだろうと思っていたら結構山スタイルの人が降りた。電車の中ですぐに出発できるように準備する予定だったが、どうせぶーちゃんを待つので、駅でゆっくり準備をする。さて、ぶーちゃんは何時に着くのかな?時刻表を見ると1時間に2本しかない。携帯を見てみると1時間半遅れの電車に乗ったと書いている。1時間半?先に出発してラッセルしておこうかと思ったが、1時間半も先には出れない。それに雪は思ったよりも少ない。前回よりははるかに少ない。意外だ。待つしかないやろ。となる。その前にパーティが出発。慣れた感じの人達だ。

▲休憩時、現在地を確認
そして山ガール達が楽しそうに準備してストレッチをして出発する。ヤケ山まで行くそうだ。携帯には続きがあって、新幹線に乗り換えてくるので9:48に着くそうだ。ストレッチをしたりトイレに行ったり、駅周辺の地図を見たりして時間を過ごす。 Ryuchanは地図を見ている。ヤケ山ってどこですか?ちゃんと自分で地図に書き込んできているのに。ここやん、と言うと「焼山」だと思っていたとか。そうこうするうちにぶーちゃんが到着。装備、食糧の受渡しをする。お餅がダブっていることが分かった。が持って行くしかない。Ryuchanトップで出発。お天気は良く暑い。すぐに汗が出てくる。若い二人は元気でそれにTankuroもちゃんと付くて行く。橋の手前の小屋で衣類調整。ここまで雪は全くない。ここからぶーちゃんがトップだ。今回はこの二人に順番にトップで歩いてもらう。雪が少なくむしろ歩きにくい。前回はやっとの思いで到着した展望台もすぐだった。涼峠手前くらいからしっかりした雪道になる。Tankuroが丁寧に現在地確認の説明をしている。mariko、○玉は歩くのに精いっぱい状態だ。年配の男性2名が下って来た。寒風峠へ回ろうと思ったけど、トレースがないのでやめたそうだ。ヤケ山は展望がいい。ヤケオ山が良く見えている。山ガール達は順調に登ってまだ先へ行ったようだ。稜線の雪庇が良く見える。フジハゲも雪庇になっている。釈迦岳はここからは見えない。少し歩いて昼にする。稜線は風が強そうだ。

▲釈迦岳への稜線 
ここでアウターを着る。時々雪が降る。雨で雪が締まり深いラッセルはない。Tankuroはぶーちゃんには歩き方を教えている。山ガールパーティーが楽しそうにきゃっきゃっ言いながら雪の斜面を下ってくる。ヤケオ山まで行けたそうだ。その前のパーティーも日帰り装備だったというから、そのうち出会うだろう。今日はトレースを追うことになってしまった。フジハゲの手前で引き返してくるパーティーに出会う。6人パーティーだった。釈迦まで行ってきたそうだ。ラッセルのお礼を言って別れる。釈迦からもトレースがあると言う。そうなんか、困ったな。天気図も書きたいし、トレースが風や雪で隠れるかもしれないので今日は釈迦岳でテント泊とする。Ryuchanはもっと歩くと何か不都合があるんですか?と質問する。テント場まで行こうとすれば暗くなる。トレースがあるので暗くなっても行けるだろうが難しところだ。ピークにこだわるか、トレーニング目標にこだわるか。トレースがなければ今日程度のラッセルでも釈迦岳までギリギリだっただろう。Ryuchan、ぶーちゃんは二人でテントを設営する。Ryuchanがちゃんと指示している。設営中に男性がやってきて休憩する。堂満から来たそうだ。ということはトレースがきっちりあるということだ。設営が終ったのでぶーちゃんに雪用のビニールを出して、と言うと、なんとスーパーの袋を4枚出す。「え?雪用の袋やで」「これじゃダメなんですか?」そうなんだ。ぶーちゃんはこの前の八ヶ岳が初めての雪山で水は小屋でもらったので知らないんだ。座学で説明しなかったかな、、、。Ryuchanが大きな袋を持って来ていたのでそれを使う。吹き溜まりでは膝くらいまでの雪だ。上の雪を除けて少しでも締まった雪を入れる。準備が出来たらRyuchan達の1号テントへ移動して水つくりを始める。16:00の気象通報を聞いて天気図を書く。この辺りは等圧線が広がり冬型は緩んでいる。明日は高気圧が接近していいお天気になりそう。ぶーちゃんは天気図はどこで買うのかなんて聞いている。八ヶ岳でも聞いていた。本当に買う気あるのかな。さて夕食の前にお茶、イヤ、乾杯だが今回はウイスキーと焼酎だ。そして食事の準備を始める。ぶーちゃんが初めての食担。ハンバーグカレーだが、カレーはなんとフリーズドドライ。軽くて簡単で味も結構いいのだが、レトルトの3倍以上の価格だ。夕食後もおしゃべりは尽きず21:00に就寝。雪が降り続き一晩中風が強かったが、このテント場はあまり風が当たらない。


2/12 ○玉が起こす。夜中目覚めると明るかった。月明りだ。雪も降り風も強いのにお月さんが出ている。明け方はやっぱり寒く感じた。Tankuroは夏用シュラフで頑張っている。今回はRyuchanも夏用シュラフだ。寒かったかも。隣りのテントはまだ静か。こちらは準備が出来た。声をかける。少し時間がかかりそうだ。朝ご飯はなんと!ぜんざい。初登場。800gの小豆を450gのお湯で溶くだけだが結構時間がかかる。意外と食べやすい。水がすこし足りなくて朝作ることになる。お餅を19個ゆでるのにも時間がかかった。テント撤収はペグもすぐに掘ることが出来早かったが、出発は7:00になった。トレースは綺麗に消えている。なかなか難しいが基本的には夏道通しなので地図で確認出来る。RyuchanがトップでTankuroに付いてもらう。相変らず○玉、marikoは遅れがちに付いて行く。カラ岳でぶーちゃんとトップを代わるが、地形図にはカラ岳の表示がない。ぶーちゃんは現在地が不明だ。電波塔があってそれも目印になるのだが、登山地図には書かれているのでそういうことは書き写してくるといい。ぶーちゃんはちょっと不安そうに歩き始める。最初は切り開きがあって分かりやすいが、そのうち切り開きが分かり難くなる。それにしても今日はお天気が悪い。ずっと雪が降っている。ぶーちゃんはトレース跡の見分け方や地図の見方などもTankuroに教わりながら歩いて行く。途中でトイレをして追いかけていくと小山の上で○玉が待っている。「あれ?どうしたん?」「あっち行ったけど違うやろ」左にトレースがある。「違うね」「おーい、方向あってる?」と声をかけると「おーい」と返事があった。「まっすぐでしょ」「何を根拠に?」「尾根通しでしょ」「右やろ」確かに右にゲレンデが見えている。GPSで確認すると手前のピークから右へ行くようになっている。3人は戻ってこない。「おーい」と呼ぶが返事がない。ザックを置いて追いかけるがなかなか追いつかない。荷物を背負っているのに早い。トレースは左から右へ戻っている。やっと姿を見つけて声をかけるが届かない。「おーい」と声をかけると返事はあるがまだ歩き続けている。「止まれ」「戻れ」「ルートが違う」大声で呼んでやっと引き返し始めた。○玉が待つところまで戻って休憩だ。後続とは別に離れてもいいが、ついてきている気配を感じながら歩くようにと言っている。3人と2人は体力差が大きく、スピードが全く違う。体力が異なるメンバーでパーティーを組むのは当たり前のことで、どんなパーティーでも体力差がある。問題は経験者ということでいろんなことを教えないといけない立場で参加しているのに、それが出来ない状況になっていることだ。今回はTankuroがちゃんと付いて歩いてやってくれている。Ryuchanが3番目に歩いていたので反省している。Ryuchanはちゃんと地図を見て右ではないかと思っていたそうだ。Tankuroは乗るべき尾根は分かっていたが雪庇を避けて左へ回り込んだと言う。沢が深くちょっと時間がかかっただろう。ぶーちゃんは雪山でのルートが分からない状況に怖くなったと言う。ルートミスは構わない。パーティーが離れすぎたことが問題なんだ。気を取り直し少々ショックを受けているぶーちゃんに代わってRyuchanがトップで歩く。手前のピークまで戻らず途中のコル付近から右へ下ると標識があった。ここから比良ロッジ跡まで登る。ロッジ跡からスキー場へ最短距離で行こうと思ったが樹林の沢へ入り込んでしまった。水が流れている部分もある。北比良峠からの一般道に合流して八雲ヶ原に着いた。ボランティアの人がテントのブロックを慣らしていた。きちんと元に戻して帰らないといけない。樹林の中にはテントが9張もある。釈迦岳に張って良かったな。レーションを食べて武奈ヶ岳を目指す。10:30発だ。予定のコースは無理かな。武奈ピストンでも結構時間がかかる。目いっぱい歩けばギリギリで行けそうだが何かがあれば時間切れになる。今日の午前中で目的は果たせたので良しとするか。武奈のスキー場跡の斜面はぶーちゃんにトレースを外して歩くように言う。「こんなにゲレンデが続いていたかなあ、、、」○玉に何度も言う。「まだ斜面があるで」去年は深いラッセルでこの斜面は交代で登ったのだが、もっと楽に登った気がする。西南稜方面にもトレースがある。朽木から来たそうだ。お天気は悪いけど人は多い。記念撮影して早々に下る。

▲武奈ヶ岳

▲ピークでは降りる方句を確認


トレースの上に雪が積もっている。歩きにくい。北比良峠手前で、折角なのでシャベルコンプレッションテストをする。吹き溜まりで新雪部分が40cmほどありその下に雨で解けて再凍結した氷の層があった。その下も結構硬い層になって弱層はなかった。北比良峠の分岐から南比良峠への稜線に○玉が破断面を発見。そうも見えるがその下にデブリらしきものは見えない。雪が降ればデブリもすぐに消えてしまう。下りながら確認するがよく分からなかった。さてダケ道だが良く踏まれて硬く締まっている。Ryuchanがトップで順調に下る。ぶーちゃんは下りは苦手そう。Tankuroがサイドの使い方を教える。下部では土が出ている。雪は少ないんだ。この下りも長い。○玉、Tankuroはスリップなし、mariko、Ryuchanは1回、ぶーちゃんは3回。初めてにしては上出来。去年Ryuchanは30回くらいこけたそうだ。大山口からも要注意。ここでこけて骨折した人もいる。比良駅まで休憩なしで歩く。一休さんで反省会。



メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

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