(その1) Aフェース・魚津高ルート報告   (country gentleman)


Ryuchan

AP

country gentleman











▲Aフェース


1ピッチ目 出だしの凹角から右に移る所が核心。濡れていてイヤであった。A0できるように、ヌンチャクを長めにしておくが、APはフリーで越えてくる。更に凹角を登り、左上の終了点を目指す。ルートはやさしいがランナウトするので気を使う。ルートが屈曲するので、支点の取り方にも注意が必要。終了点に着くと、Cフェースの様子がよく見える。あちらも貸し切りのようです。

2ピッチ目 カンテ沿いを豪快に登る。高度感があり楽しめる。ただし、ところどころ岩が動いたり、ランナウトする部分があり、緊張感を伴う登りが続く。前回は、左のちょっとしてテラスで切ったが、今回は、もう少し上までルートを伸ばす。こちらが正解か?終了点手前は、浮き石が多く、気を使う。

3ピッチ目 やさしい登りでAフェースの頭へ抜ける。最後左のフェースを登ろうかと考えたが、右のやさしいリッジを抜ける。フェースは難しそう。ハイマツのビレー点で、AP、Ryuchanを待つ。二人とも快調に登ってきました。3人で握手を交わす。この瞬間は何度味わってもいいものです。

順調に終了したので、Cフェースの仲間の登りを観察する。3人で、あーや、こーやと勝手な解説しながら、仲間の登りを見守る。あちらから、こちらのAフェースの頭を見ると結構な景色やろなと想像する。下をのぞき見ると完全に切れている。こちら側にルートを取ることができればすごいルートになりそう。また、5峰の針峰を見ながら、あのクラックは登れるのだろうかと思いをはせる。

mariko―ちびサンボパーティが登りついたのを見届け、下降にかかる。ここからは無線をオープンにしました。終了点から右手に下ったハイマツを支点に10mほどの懸垂下降。クライムダウンもできるようだが、無理せず懸垂下降する。まっすぐ降りるとブッシュの中に入ってしまうので、右に修正しながら降りる。回収も上手くいく。次の懸垂下降支点も立木を利用したもの。スリングも新しくなっている。バックアップもしっかりある。APに言わせると信用できるの?というものであった。ここは、懸垂下降の態勢になるのに、一旦降りないといけないので苦労する。しかも降りる足場は悪い。落石を誘発する。これまでのトレーニングでは、懸垂に移るまでは安定したテラスでの作業ができたいたのが、本ちゃんでこの悪条件に苦労していました。しかも、降りはじめは、ブッシュが気になる。足場も気にしなければいけない。45mほどの懸垂でXVIのコルに到着。APは、バックアップを効かせすぎ苦労していました。態勢が悪い中での懸垂で、いつも以上にバックアップを巻きすぎたのでしょうか?時々落石を誘発してしまう。ロープの回収も無事できました。でも、まだ油断はできません。雪渓までの下りも悪い。ガレガレです。2009年よりも悪くなっている?落石しないように、慎重にルートを右に左に取っていく。結構神経を使いました。雪渓にたどり着く手前で、チャゲと無線交信できる。お互いの状況を報告し合う。もう真砂まで降りてきているとのこと。交信でき一安心です。ここから、Cフェースの仲間の懸垂下降の状況も確認できる。節目、節目で無線交信することを確認し、先を急ぐ。アイゼンを着け、長次郎の雪渓を下るが、朝よりも落石が増えているように感じる。剣沢の雪渓の登りもきつい。Ryuchanは元気、APも順調に続いている。雪渓から夏道へ変わるところで雨に降られる。一瞬まとまって降るが、すぐに止んでくれて助かった。テント場への登りを乗り切り、テント場に着いたときはほっとしました。お茶を飲んで、レーションを食べて一息つく。長次郎の雪渓の下り以降、Cフェースパーティと無線交信するもうまくいかない。2時間遅れを予想し、食事の準備をRyuchan、APに依頼し、Cフェースパーティのもとに向かう。雨も本降りになり、しんどい登りになっていることでしょう。小屋と雪渓の間くらいで、ヘッドランプの明かりが見え、Cフェースパーティと無事合流する。長い一日となりました。明日は天気も悪いので源次郎尾根は諦め、別山尾根、奥大日、立山三山と別れての行動を確認し就寝。周りのテントには遅くまでしゃべり声を響かせ迷惑をかけてしまいました。

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(その2) 剱岳VI峰 Cフェース剣稜会ルート登攀報告   (ちびサンボ)


カノン

ZONO

○玉

mariko

ちびサンボ













▲取り付き
Cフェースは2009年7月にガイドに登らせてもらった。その時はCフェース・Aフェースを1日で登った。しかも、登山靴のまま登れたルートだった。

▲4P目核心部のZONO

3時起床、剣沢のテント場4時15分出発。長次郎の長い長い雪渓を登りつめて、取り付きに到着したのは7時半。VI峰Cフェース周辺には雪がまだ残っていた。8時半登攀開始。

1ピッチ目(III級・35m) 支点は無く、雪渓の中からのスタート。岩が濡れていて怖いしザックは重い。カムを二つ使い慎重に取り付いた。そこから直ぐ左方向に登った記憶があったが支点が見当たらない。カムやナッツが使えるほどのスペースもない。やや右方向にある凹角に向かって登った。迷いながらも何となく記憶にあるテラスを見つけ、錆びたハーケンとハイ松で支点を作る。

2ピッチ目(III級・40m) 凹角からハイ松を登って少し左方向に寄ると、PETZLの支点発見。2年前には無かった。

3ピッチ目(IV−・40m) 登り出しの乗り込むところが登りにくかった。左へトラバースするところは何となく覚えている。右へ寄ったり左へ寄ったり、迷いながら上に登るが支点が見当たらない。少し登り過ぎてロープが足りなくなる。ボロのハーケンが信用ならず、岩とハイ松で支点を作った。

4ピッチ目(III+・20m) 有名なナイフエッジ。リードで登ると妙に怖い。支点が悪い。おまけに何故だかヌンチャクが足りない。恐怖心と闘いながらの登攀だった。5ピッチ目(III−・20m)もう頂上は直ぐそこ、13時頂上着。後続のパーティも13時40分に終了した。

下降はV・VIのコルに降りるルートを取った。14時20分下降開始、ジグザグにざれた道を下るが足元が悪い。懸垂支点はハイ松だけ。1回目の懸垂地点は足場がかなり悪く、トラバースするのにお助け紐を垂らした。2回目の懸垂を終えコルに降りると、三の窓側の雪渓が上部まで残っている。その横の濡れた岩場を登るが持つ大きな岩がことごとく動いた。何にも当てに出来ない。○玉先頭で登る、次に登った私は後続者のためにフィックスを張る事を○玉に提案した。支点はカムとハーケンを打って作った。そこからAフェース横を通って、16時半、長治次郎雪渓へ下った。アイゼンを装着するあたりから小雨が降り出した。天気はどんどん悪くなるようだ。剣沢雪渓を登り終えた頃から本格的な雨になった。country gentlemanが心配して迎えに来ていた。

真っ暗な中、20時に剣沢のテン場にたどり着いた。 今回はつるべのつもりだったが、気がつけば全部リードしていた。ザックが無ければもっと快適に登れるんだけど、アルパインはそうはいかない。アルパインはスピードが大事。遅くなると天気が崩れ、暗い中を歩かないと行けなくなる。ちゃんとザックを担いで登る練習をしないといけないと思った。

▲登攀後
6日は別山尾根隊(country gentleman、ZONO、Ryuchan)、奥大日隊(mariko、AP)、立山三山隊(ちびサンボ、カノン、yuka)3パーティに分かれての行動。○玉はテントキーパー。当初の予定は、○玉、marikoがyukaを室堂まで迎えに行き、立山三山縦走。残りのメンバーは源次郎尾根でした。前日の登攀の疲れと天気を考慮し行動予定を変更しました。疲れきって登っても、後に残らないのではないか?長時間の行動が、安全に行えるかを考えたときに不安が残りました。結果としては、天気も悪くなり、別山尾根、奥大日、立山三山と別れての行動は正解でした。ちびサンボ、カノンからyukaを迎えに行きますという申し出は本当にありがたいものでした。剣沢テント場から室堂へ行き、そこからの縦走は大変です。率先して申し出てくれた二人には感謝です。



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