阿弥陀岳北稜   (おー寒む)


カノン

ちびサンボ

おー寒む

■日 程 : 2011年1月8日(金)夜発〜9日(日)

■山 域:八ヶ岳・阿弥陀岳北稜、石尊稜(敗退)

■参加者:L=おー寒む(気・食)、ちびサンボ(医)、カノン(記録)

■コースタイム:

8日  7:10茅野駅着→8:00美濃戸口→11:30〜12:30行者小屋着(幕営、準備)→14:00第1岩峰→15:00第2岩峰→15:50〜16:10阿弥陀岳頂上→17:00過ぎ 行者小屋着

9日  6:40 行者小屋発→8:20〜8:50石尊稜取付→10:20〜11:30 雪上トレ→12:10〜13:20 行者小屋(テント撤収)→15:20〜16:40 美濃戸口(入浴)→17:20 茅野駅着



8日午後から天気が悪くなると予想し、短時間で登れる阿弥陀岳北稜を入山初日に狙うことにした。9日朝は強風が吹き、街の天気はいざ知らず、稜線はガスって烈風の轟音が聞こえた。計画当初は10日まで入山予定だったが、天気予報によると10日は早朝まで雪が降り、午前中から回復する見込みだそうだ。阿弥陀北稜を落せたので欲張らず、9日午後に石尊稜を断念して下山した。


1月8日

7時過ぎに茅野駅でカノンとちびサンボの二人と合流し、バスの出発時間まで待っていられないので、タクシーで美濃戸口へ向かった。行者小屋に11時半ごろに到着。テントはXマスに張った場所が空いていたので、整地もそこそこに張り終えて、12時半頃、阿弥陀岳北稜を目指して出発した。

早朝から入山したらしい3〜4パーティが既に稜線に見えた。トレースがしっかりついているので、トレースを辿ってルンゼから右手の樹林帯の尾根に上がった。ラッセルもなく、岩場での順番待ちも思ったより短くすんで、16時に阿弥陀岳登頂を果たせた。

樹林帯の尾根は、幹が手ごろな太さで掴み易い。大した傾斜でもないので1時間足らずでジャンクションピークに出た。先行パーティが樹林のやせ尾根の直下でビレイの準備をしていた。待ち時間を有効に使うため、私達もここでアンザイレンした。われわれが最後のパーティと思っていたら、後から1パーティが登ってきた。慣れている様子で、ロープを使わず先行パーティを追い抜いていった。

ジャンクションピークから数十メートルは、幅が広く平坦な尾根を歩く。風が強いときやガスって視界が悪いときは、左の急斜面側に滑落する危険がある。急なやせ尾根を右側から登って第一岩峰の直下にたどり着いた。ここは、岩峰の左を巻いて雪稜を登ることもできる。私達が到着したのは14時頃だろうか、日暮れまでまだ時間があるので、先行パーティが登っていくのを待つことにした。

ハーケン2本にスリングを掛けてちびサンボにビレイしてもらってスタート。クラックの上のトラバースがちょっといやらしい。ペツルや残置ハーケン、それらに加えてブッシュや岩でランニングを取ってテラスに上がってピッチを切った。ここは広くて快適だ。ペツルの他、残置ハーケン2本もある。今度はカノンにビレイをしてもらう。

2ピッチ目は、2、3メートルのフェースを登り切ると短いナイフリッジを渡って登攀終了。ビレイは枯れた這い松の根で取った。その後、コンテで山頂目指して広い雪稜を登った。15:44に山頂。夕日に赤く染まる稜線が美しい。みんなで写真に撮りながら、しばし360度のパノラマを楽しんだ。16時過ぎに山頂を跡にし、テント場に17時過ぎに戻った。今日1日の行動時間は、美濃戸口から行者小屋に戻るまで約9時間だった。私がこれだけ歩いたのは、入会して初めてではないだろうか。


1月9日

早朝から強風が吹き、稜線で風速28m/sとのこと。3人で相談し、出発を5時半から7時に変更した。1日行動できるので石尊稜くらいなら何とか登れると思っていたが、あまかった。テント場を出発するころから雪がちらちら。一般道からはずれ、沢沿いにルンゼを詰めていく。こちらも先行者がトレースをつけてくれているのでラッセルは不要だった。樹林帯の中を抜けるので、風も気にならずトポでは鉱泉から1時間のところを30分ほどで下部岩峰の下まで来られた。

Kさんパーティが一足先に到着していた。声をかけると、風がきついので登るのをやめて懸垂下降の準備をしているとの事。私達も下部岩壁のビレイ支点を確認して登るのは断念した。岩壁に近づくにつれ風がきつくなり、雪も少しだが舞い、上部はガスって15〜20m先が見えない状態。石尊稜の経験者がいないことと、私達自身が冬期登攀の経験が浅い。取り付きに一番乗りを果たしたにもかかわらず、残念だがこの天気では無理だと判断し降りることにした。私達の他に3パーティいたが、若者3人組が果敢に登っていった。後から来た大阪パーティも、下見に来ただけだという。

一般道に戻った後、中山乗越しの急登の手前の雪の斜面で、滑落停止、シッティンググリセード、スタンディングアックスビレイの練習を11時半まで行い、今日下山することに決定した。





〜 感想 〜


カノン : 私にとってはバリエーション抜きにしても初めての阿弥陀岳登頂でした。事前に調べた所によると、このルートはかなり眺望もすばらしい様子で結構期待もふくらみます。それだけに、だんだん天気が怪しい感じになってきていたのでかなり心配しました。特に風速が30mを超える予報も出ていたので、少しあきらめムードでもありました。しかし、もしかしたらとの思いもあり、密かに一眼レフもザックに入れておきました。家を出発後に携帯メールでおー寒むさんから初日に阿弥陀に登るという。体力的にどうかなと思いつつも出発する。何とか遅れながらもみんなについて行くが、かなりしんどかった。今回のコースはバリエーションとしては簡単なルートなのかもしれませんが、クライミングあり雪稜あり、しかも、すばらしい景色ありと、私的には、かなりお気に入ったルートになりました。


ちびサンボ : 初の厳冬期登攀。アイゼントレもバッチリだったし、体力も何とか持つだろうと思っていた。しかし、いざ登ろうとすると、手足がかじかんで思うように動かせない。また、分厚く大きな手袋では岩がしっかりつかめなくて、「まじ〜。大丈夫やろか・・・」と緊張。すごく怖くて不安だったけど、次のパーティがすぐ横で待機しているので、自分に落ちるなよ!と声を掛けながら登攀した。取り付いてみるとそれほど難しくは無かったけど、妙な緊張感が私を支配していた気がする。頂上に着いた時には360度のパノラマで、すごく気持ちがよかった。反面、もう終わり?!という、非常に残念な気持ちでもあった。早朝からここを登攀して、そのまま赤岳、横岳・・・と縦走出来たらもっと楽しいだろうなぁ〜と思った。今回は、毎週神戸でトレーニングをして下さったおー寒むさんのおかげです。そして、カノンさんの癒しトークで緊張がほぐれました。お二人には感謝です。本当にありがとうございました!


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

2010 タイ・クライミングツアー 御在所岳 鋸岩アイス・一ノ谷本沢

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