槍ヶ岳北鎌尾根の報告   (カノン)


カノン


ちびサンボ

■日 時 : 8月21日(土)晴、22日(日)晴、23日(月)晴、24日(火)晴

■場 所 : 北鎌尾根からの槍ヶ岳登頂と奥穂高までの縦走

■参加者 : L=カノン、ちびサンボ

21日 河童橋6:35発→明神7:10→徳沢8:00→横尾8:55→槍沢ロッジ10:20着,10:50発→ババ平11:20→大曲11:50→水俣乗越13:00着,13:15発→北鎌沢出合15:00着

22日 北鎌沢出合5:40発→左俣分岐6:00→北鎌のコル8:10→独標基部10:35→独標頂上11:15→P1212:10→P1312:55→P14(1段目)13:10→P14(3段目)13:50→P15の先の稜線14:40→大槍基部15:10→槍ヶ岳頂上16:00→槍ヶ岳山荘16:30着

23日 槍ヶ岳山荘6:20発→大喰岳6:50→中岳7:30→南岳8:50→南岳小屋9:00着,9:40発→長谷川ピーク11:10→A沢のコル11:30→飛騨泣き12:00→北穂高小屋13:00着

24日 北穂高小屋4:40発→最低コル5:40→穂高岳山荘6:40着,7:15発→奥穂高岳7:50→紀美子平8:55→岳沢小屋10:25→風穴11:30→河童橋12:10着




▲独標基部

▲独標あたりからの槍

今回の目的が北鎌尾根からの槍ヶ岳登頂というのは言うまでもありませんが、トレーニング山行計画中にちびサンボさんから、焼岳から北鎌まで縦走で繋ぎましょうという提案がありました。

無理だろうとは思いながらも、トレーニング山行では焼岳から北穂への縦走を行い、今回は北鎌尾根から北穂にプラスして奥穂まで縦走が出来ました。きっと天気もちびサンボさんのパワーに圧倒されたのでしょうか?夏の山行では、1度も雨に降られる事もなくすべて順調に消化できました。

移動手段として今回もさわやか信州号を使いました。朝の5時半頃に沢渡の駐車場でバスを乗り換えて6時過ぎに上高地に到着。早々に準備をして出発し徳沢と横尾で少しずつ休憩し、槍沢ロッジに到着。事前に10時から昼ご飯の用意が出来る事を調べておいたので、ここで私はラーメンを食べて水を補給。ババ平のキャンプ場、大曲を経由して水俣乗越に。今年は非常に暑い日が続いていますが、この日も例外ではなく、温度計で30度を上回っていました。バテながらも水俣乗越に到着。少し休憩して下っていきます。最初の急な下り坂はさすがにバリエーションは違うと思わせる場所だったように思います。草むらの高さが段々高くなっていき、林の中からでると先ほどとは違う沢の場所に出てきました(赤テープ有)。この沢には雪渓が残っていましたが、今回はアイゼンは持っていきませんでしたので、スプーンカットの雪渓をしばらく歩いていると、左側の岸に赤テープを発見して左岸を歩くことにしました。雪渓が終わりしばらく河原の中を歩いていき、また林を越えた所で天上沢とぶつかり、右岸を辿っていくと左側にネットで見たことがある北鎌沢を発見です。夏休み期間中にも係わらずテントは1張もありませんので、一瞬違うのかなとも思いましたが、テント場の跡が所どころにあります。間違いないだろうと思いなおして、今回この為に購入したテント型のツェルトを張り、とりあえず冷えたビールで乾杯です。

食担だったちびサンボさんは、ベーコンが腐らないように凍らしたペットボトルを入れたクーラーボックスを用意して、その中にビールを入れて、ワインも持ってきていました。水俣乗越では大変だった思います。感謝です。一度試してみたかった焚き火にも挑戦し、川で水汲みに行ったりしました。川の水が飲めるかどうか少し心配だったので浄水器を用意していましたが問題ありませんでした。

また水俣乗越あたりからは虫にずっと悩まされ続きます。持って行った虫除けは全然効果なく、ちびサンボさんはかなり噛まれたようで、この後は痒みに耐え続けなければならなかったようです。
夕食は野菜スープとアルファ米で朝はラーメンと餅を食べました。それから夕食中に貧乏沢から来られた単独行の方が到着されました。

▲P13の登り                       ▲P14の登り

いよいよ北鎌尾根に挑戦の日の朝です。想定はしていましたが、やはりテントではないので湿気で雨が降りかけていました。とりあえず荷物を全部外に出します。朝は3時30分起床で4時45分出発の予定でしたが計画に無理があったようで、5時半過ぎに出発。最初、北鎌沢を踏み跡がある河原の右側を進みますが、ちびサンボさんが左側の方が歩き安いのを発見してしばらそのまま進むと、左又との分岐に到着。

▲P14を登るちびサンボさん

▲前方のP15
当然右側を進んでいきます。この先少し上からは水量が一気に減ります。歩き易い所を登ってきます。半分ぐらい登った所で「槍ヶ岳山荘」で働いている青年が我々をすごい速度で追い越していきます。もう少し登ると右側に進む踏み跡があり、これが「北鎌の罠」かなと思いながら、またもう少し上ると、また右側に進む踏み跡を発見しました。おそらく上側の方が「北鎌の罠」へ通じる道だと思います。ネット上では、分岐は右にというのがよく書かれていましたが、実際に歩いててみるとまっすぐ広いところを進んでいくだけで右にも左にもいきません。「北鎌の罠」への入り口近くからも見えますが、河原を唯一分岐する島があり、そこは左側を進みます。そのまま道なりに進んで行けば北鎌のコルに到着だったと思いますが、まちがった情報で分岐を左に進んだ後に、少しして不安定は所をトラバースして右よりに進路を変更して草付きを登ってしまいました。途中で間違っている事には気づきましたが、降りるよりは登る方がましなのでそのまま登っていきます。コルの15mぐらい右にづれた稜線に到着して下りていき、何とか「北鎌のコルに」到着です。コルからは正しい踏み跡が確認できます。有名なプレートを見つけてコル到着の実感が沸いてきます。ただ、この辺りで既に気温がかなり高くなってきました。

ここでヘルメットとハーネスを着用します。プレート前の天上側の踏み跡をおっていきます。独標までは、道も比較的分かりやすく難しい所もありませんが、一部少し崩れやすい所がありました。稜線上に出ると景色が一望出来きて疲れが少し和らぎます。独標に向かって稜線上を歩いていくと有名なトラバースルートへ自然にたどり着きます。フィックスが張ってある岩を通過して、道なりに進みます。斜上する感じで進んでいきますが、途中から踏み跡がわからなくなります。適当に上の方に向かって進んでいくと、フィックスが掛かっているチムニーが出てきます。今回は独標に登る予定なので、これを超えて更に登っていくと稜線に出ます。 少し戻ると独標の頂上と思われる場所に到着です。ここから稜線沿いに少し進みますが行き詰まってしまい、千丈側にガレ場を下りていき独標のトラバースルートに戻り進みます。また稜線に戻りますのでそのまま進むと穴の開いた岩のP11に向かっていきます。天上側にも踏み跡がありますが、もう少しまっすぐ進んで下りて行けば良いのですが、間違えて全然違う岩の間を下りようとして行けないことに気づいて元のルートに戻り下りてきます。P12は巻いていきます。

▲槍ヶ岳頂上

▲上段のチムニー
P13は道なりに登っていき稜線に出ると直ぐに千丈側に下りてトラバースします。P14(1段目)は有名なクラックがある脆い岩場です。ここを上ると直ぐに千丈側に下ってP14(2段目)はトラバースしていくと稜線に自然に戻ります。P14(3段目)は直登です。天上側から上り、少し進むともう一段登ります。また少し進むとP15基部に到達します。事前の情報ではトラバースルートの方が簡単だと言うことだったので、ここはトラバースして行くとP15の先の稜線に戻ります。ここからまたよくわからなくなりました。結構明瞭な踏み跡があって何気にそのまま歩いていると結構下って行きます。何時までたっても稜線に戻れないので踏み後は無視して稜線に戻ります。少し進むと大槍の基部についてしまいました。どこをどう間違えたのか北鎌平を飛ばしてしまったようです。ここに来る少し前に、大槍のチムニーを登っているグループを発見しました。槍の頂上で聞いた話では、稜線上でビバーグしたようです。槍の基部からは、あっという間に頂上です。途中で2つのプレートとチムニーも2つ登って行きましたので、だいたいコースとしては皆さんが通るルートを通ってきたと思います。頂上で記念撮影をして小屋に向かいます。昨日は、小屋に着いたら宴会だーと思っていましたが、ビールを飲んだだけで気分が上がらず宴会は終了です。偶然ですが、夕食後に桂姉妹という方々のフルートコンサートを聴きました。20年以上も毎年登ってきてはコンサートを開いているそうです。

次の朝は、ご飯も小屋で食べてから出発です。予定では北穂までだったので十分すぎる時間があります。縦走好きのちびサンボさんには忍耐が必要だったようですが、北穂とくらべると穂高山荘からの景色は、いまいちなので我慢してもらいました。途中ゆっくりと休憩しなが歩いていきます。この日も朝から真っ青な空で最高の天気です。気温も昨日と比べると暑くありません。大キレットもイメージと違いあまりアップダウンもありません。「飛騨泣き」のイメージが全然ちがったことに少しショックを受けながらも順調に登っていきます。そうこうしているうちにコースタイム通りについてしまい、ちびサンボさんの穂高縦走計画を何度もやり過ごさないといけない羽目になってしまいました。北穂ではカレーを食べて、周りの景色を堪能します。夕方に見た雲湧く滝谷は、なかなかよかったです。

最終日、どういうルートで帰るか?最初は涸沢経由で普通に帰る予定でしたが、ちびサンボさんを見習って少しはガンバって歩かないといけないなと思い、奥穂経由で重太郎新道を下りる事に決定。バスが14時の予定だったので少し早めに4時30分に出発です。今ひとつ私の調子が上がりませんでしたが、穂高山荘に到着。東邦航空の荷揚げを目の前で見ながら、小屋で頼んでおいた弁当を食べました。昼食後に奥穂の登りと後は下るのみ、紀美子平を通過して重太郎新道を下っていきますが、膝はガタガタで、足首はフニャフニャって感じです。今回初めて新しい「岳沢小屋」を見ました。少し休んでまた下りていきます。途中天然クーラで少し涼んで12時に河童橋に到着です。最後に一枚写真を撮って温泉に行きました。その後昼ごはんを食べようと思って店を探しますが、平日に関わらず結構いっぱいです。結局バスターミナルの食堂で、またカレーを食べてビールで乾杯、再び「さわやか信州号」で帰途に着きました。



感想

ちびサンボ : 暑過ぎて快適とは言えませんが、好天に恵まれ、素晴らしい景色を堪能しながらの山行でした。トレーニングの成果か、体調が絶好調だったのか、あまりしんどさを感じる事もなく、稜線をどこまでも歩いて行けそうな気持ちでした。頑張れば西穂まで行けたかな・・・なんて思ってしまいました。
次は、トレーニングを積んで春か冬にトライしたいと思います。

カノン : やっと1つ目標が達成しました。もう来年の夏はどこに行こうか色々と考えてみたりしています。今年の暑さは思った以上で改めて体力の重要性を認識ました。また、今回の山行では事前の準備もあって、あまり大きく道迷いでタイムロスをした感じはなかったのですが、それでも道を確認しながらの歩行は思った以上に時間がかかるように思いました。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

北岳・富士山コンニチハ!!
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