夜中に降った雨が少し心配だったが、岩のコンディションはそれほど悪くはなかった。お盆とあって廻り目平キャンプ場に行く途中、駐車場は満車状態との看板が掲げられていた。テン場は夏の暑さよりも、岩場に向かおうとするクライマー達の熱気で茹っていた。今回は、小川山の日帰りボルダリングに挑戦した。目標は、前回登れなかった蛇腹(4級)のリベンジと新たな3級課題のRP(レッドポイント)である。金峰山から吹き降ろす風は爽やかで気持ちがいい。一汗をかいて指休めに木陰で腰を下ろしていると、薄手のTシャツ1枚では薄ら寒さを感じた。
早速、蛇腹のある扇岩に向かったが、朝9時は早過ぎたようだ。背の高い樹林に囲まれているためか岩が湿っぽい。そこで日当たりのよさそうな一筆岩に向かった。アップで登った筆スラブ(5級)は、オンサイトならずも数回登って体をほぐした。続いて達筆(3級)は、切り株からスタート。ペンで字を書くことがなくなったせいか、指の筋力が衰えて上部のあまいポケットが保持れない。この石の裏に乱筆(4級)があるのだが、木が大きく成長したせいで登れそうにない(課題の上に木が3〜4本かぶさっている)。無念さをかみ締めて昼前に退散。気持ちを奮い立たせて扇岩に移動した。
早速、左うちわ(5級)でアップを行うが一撃ならず。カエルのように何度も飛び跳ねて3回ほど登る。さて、お次は蛇腹(4級)。しばし、課題を対面にしてにらめっこ。ムーブが読めず、半分諦め気味にトライを繰り返す。そこに、5名の若者グループが登場。マットを使っていいよと言うと喜んで登りだす。2番格の若者が見事な一撃。続く、紅一輪の女の子も、マットを2枚重ねて足上げして、3トライ目に下した。オジサンは、ダイナミックなムーブに圧倒されながらも見よう見まねで数回トライしてRPできた。その後、若者達は5級の左うちわに飛びつくが、4級をたやすく登ったのにカエル状態。結局は登れたが小川山のグレードは、グレード通りではない感じがした。蛇腹を一撃で下した若者は、以前、達筆にトライしたらしいが未登だそうだ。最後に、扇子2級は、ぬめりがはなはだしいので諦めて去っていった。私も次の3級課題を目指して扇岩をあとにした。
いろいろな岩をさまよっているうちに、帰る時間になってしまった。最後にこれなら寝ててもと思える眠り岩の課題に挑戦。クライミングシューズに履き替えるのも面倒なので、アプローチシューズで眠り穴(10級)を登る。これはオンサイト!本日はじめにして最後の1本。続いて、爆睡好きな私にぴったりな熟睡(10級)。課題が落ちずに自分が落ちた。これで目が覚めて、手にチョークを着けて再トライ。RPしたが明らかに眠り穴よりムズイと感じた。黒本には、10級より下のグレードはないので、幅が広いとかいてあったが...