中ア・木曽駒ヶ岳 雪上トレ報告   (mariko)



ココノール


なおみ

mariko
■日 程:2010年4月2日(金)夜発〜4日(日)予備日なし        

■目 的:雪上トレ アイゼン、ピッケルワーク、フィックスの通過、

■参加者:L=mariko(医 )、 ココノール(食・会・記)、 なおみ(装・気) 

■行動記録:

4/2 19:20 県連発 20:10JR尼崎発 

4/3 0:50駒ヶ根SAで仮眠 6:00起床 朝食後菅の台駐車場へ 菅の台バス停7:40発 千畳敷で雪上トレ(アイゼンワーク、積雪観察) 11:00千畳敷ホテル発 12:40テント場着 15:40テント設営終了20:00就寝

4/4 4:00起床 6:10トレーニング 7:10木曽駒ヶ岳 中岳でフィックスの練習 10:20下山開始 12:50ホテル着 13:20ロープウェイ 入浴、昼食後 往路を帰る。





▲千畳敷ホテルの前 雪はカチカチ 空は青空


▲2010.4.3 千畳敷カール わずか7分で雪山へ

出発日の2日、朝の雨も昼ごろには急速に回復して晴れ。久し振りにお天気の心配がない山行になった。ヒマラヤを目指しての第1回の雪上トレだ。なおみはヒマラヤ用の登山靴を購入。いきなり本ちゃんで履き初めだ。ココノールは久し振りの3000mだそうだ。marikoは雪崩講習会で雨のあと冷えてカチコチの斜面を経験した。今回も同じようなお天気変化で雪崩の心配はないものの、あの斜面どうやって登る???と思案をめぐらす。結果、お天気も良く、雪の状況もそこそこで目的のトレーニングは出来た。

JR尼崎でなおみと合流。高速までの道々、夜目にも桜が白く浮かび上がる。下界は春だ。いつものように駒ヶ根SAでテントを張って仮眠。朝方は冷えた。目が覚めると中アの雪山が見える。菅の台駐車場でパッキングを済ませる。バスにはスキー客も。沢の水流が激しい。あっという間に雪の世界へ。なおみは中アは初めてということでわくわく。南アは残念ながらガスって見えない。ホテルのロビーで装備をつけて外に出ると素晴らしい景色が広がる。これから何度も来るであろう千畳敷カールのルートをなおみに説明する。先ずは周辺でアイゼンワークだ。その前にビーコンチェック、積雪観察を行う。

ビーコンは感知する距離を確認する。ビーコンによってばらつきがある。なおみは43m。ココノールは34mから電波を拾い始める。次は積雪観察。やはり上部はカチコチだ。今までだったら大丈夫だ。と言うところだが今回は違う。とにかく確認する。その最中、ココノールがスルスルと滑って行く。ピッケル!と声を掛ける。スコップが滑ったので止めようとして自分も滑ったそうだ。今回の雪質は表面はツルツル。やっとこさ四角柱を掘り出しシャベルコンプレッションテストを行う。上部30cmほどは堅いがその下はざらめだ。途中には氷の層がある。締まり雪はない。判定はハードだ。次に上に登る前に周辺でアイゼンワークを行う。なおみの靴はまっさら。駐車場で履くことすら四苦八苦していた。一時は入らないと言う。やはり足首が硬くて膝がうまく使えない。お尻が出てしまう。慣れるしかない。今回は新人トレーニングのパーティーもあって滑落停止をやっていたが止まらない。これだけ堅ければ止まらないでしょう。私達は怖いので形だけやる。勢いがつけばどこまですべり落ちるかわからないところばかりだ。バケツを掘るには堅すぎるし。一通りの歩行練習を終える。空にはきれいな雲が流れている。さあ、気合いを入れて出発だ。ルートはカールを巻いて夏道に入る。上部に行くほど傾斜が急になる。途中で休憩するような場所はない。しかし幸いにもカチコチではない。アイゼンが効きやすい堅さだ。ラッセルよりはましか。なおみは何度か立ち止まる。ここは頑張って登り切ってもらうしかない。休憩すら足首が疲れる。やっと乗り越しを超えると風が強く視界が悪い。お天気はいいはずなのに、なんで?そのうちガスが晴れて視界が出る。小屋は屋根まで雪に埋もれかかっている。横でテントを張ることにするが、、、、、。
整地を始めると無理なことが分かった。堅い。じゃということで雪洞を掘ることにする。ところがこれも無理と分かる。途中にもう一枚氷の分厚い層がある。取り合えず上部の氷の層を掘ってその下の層まで掘り下げテント場にすると決める。ところが氷の層はなかなか手強い。テントを張り終えたのは気象通報の10分前。なんと3時間もかかった。今日は気温が高く3時間も外にいても平気だったが。天気は明日も大丈夫。安心して夕食準備を始める。ココノールが頭が痛いという。昔はそういうこともあったが久し振りだ。このところ3000mに行っていないからだろうということになる。それでも食欲はそこそこ。メニューは肉うどん。温かくておいしい。こだわりの液体つゆ持参だ。ココノールはビールを残した。高山病には良くないだろう。外に出るとお月さんが出て明るい。今日はトレーニングは出来なかったが、登って来ただけで充分トレーニングになったし、テント設営も、こういうこともあるということで経験として良かったかな。

▲2010.4.4 木曽駒ヶ岳山頂 北アルプスもきれい


▲こちらは南アルプス


▲2010.4.4 中岳の斜面でフィックスの練習
回収が一苦労

4日、4:00起床。ココノールはまだスッキリしない。薬を飲めば良かったかな。いつもは翌朝には治っているんだが。で、食欲がない。ラーメンをひとり分減らす。6:00出発が10分オーバーになる。ハーネスを付けてギアーを付ける。風は少々あるが、まあ、こんなもんでしょう。木曽駒ヶ岳を目指す。稜線も水が凍っているところがある。木曽駒ヶ岳に登ると北アが見える。今日は南アも八ヶ岳もきれいに見えている。もちろん、宝剣から空木の主稜線も。なおみはカメラ撮影に忙しい。良かったね。こんな景色が見られて。

中岳の下降でフィックスの練習を2ピッチ行う。浄土乗り越しからの下りではもしかしたら必要になるかも、、ということで。marikoビレーでココノールがスノーバーでランニングを取りながら下降。ザイル一杯で支点を作って固定。なおみがフリクションノットで確保しながら下降。marikoはココノールのビレーで下降。2ピッチ目はそのままmarikoがココノールのビレーで下降。やはりスノーバーでランニングを取る。セルフ用の支点をバイルとピッケルで取り固定。なおみはフリクションノットで確保しながら下降。ココノールがmarikoのビレーで下降。しかしスノーバーは名前の通り雪用だと思い知った。今回のような氷でも良く効くが回収が大変だ。周りの氷を削らないと抜けない。こんなこと急斜面でやってられない。スクリューハーケンがいい。

テント場に戻りレーションを食べてテントを撤収する。今日はお天気がいいからか、ザイルを結んだパーティーやカメラマンが登ってくる。ダブルアックスの下降の練習をテント場の近くの斜面でする。ほんの数メートルだが。乗り越しから下を見ると途中で傾斜が強くなっているところがある。やっぱり急だ。急傾斜までは横向きに下る。雪は少し緩んでアイゼンが丁度効きやすくなっている。良かった。それでもスリップすれば止まらないけど。急傾斜は斜下降する。が方向転換が結構大変。途中からバックステップに切り替える。ちょろっと練習しただけだが、なおみは順調に下る。蹴り上げが弱いので疲れると思うが危なげはない。傾斜が緩むと再度横向きに下る。みんな慎重に下っている。傾斜が緩んで安心したのか、なおみがスリップ。でもすぐ止まった。アイゼンが団子になりだしていたのだ。日射が強くなってきた。下降のタイミングは良かった。堅すぎもせず、柔らかすぎもせず。団子の落とし方の練習も出来た。安全地帯になって、なおみも余裕が出てきたのか写真を撮りたいという。初めてだから当然。ココノールはどんどん先行する。ホテルには12:50着。観光客にインタビューされるなおみ。観光客の一人が怪我なく無事に降りてこられて良かったですと言う。極楽平に登ろうとした人が滑落、ロープウエイ駅の下で止まったとかで、今救助に行っているということだ。

ホテルロビーで装備を片付け留守本部へ下山報告する。しらび平からのバスでは芦屋のガイドと木曽駒に登ってきたという吹田のおばさんと話をする。なおみさんのお隣さんも同じパーティーだ。その女性雪山は初めてだと言う。駐車場から温泉に行って昼食も温泉の食堂で済ませる。この時もココノールは本調子ではなく昼ごはんを残した。これからどんどん3000m登らないとね。と話す。なおみが1日目の登りがしんどかったのも高度の影響もあるだろう。帰りは高速で事故渋滞にかかって少し遅くなった。



反省会 17:00 養老SAで


mariko:今回はちゃんとミーティングも出来ずに来たんだけど。

なおみ:装備リストのメールの確認をしなかった。気象のことも出来なかった。トレーニングはアイゼン、フィックスが出来たし、バイルの使い方もダブルアックスってこうするのだと初めて分かった。
アイゼンの登り下りは氷ノ山の時にも注意されたけど今日はだいぶ出来てきた。天気も良かった。昨日の登りはしんどかったけど、それを忘れさせる天気だった。一つ一つの山行を重ねる度に学ぶことがあってトレーニングは大切だと思った。ギアーが不足した。初めての靴は近郊でのトレーニ   
ングの後が良かったかな。

ココノール:天気が良かった。雪質が堅くてトレーニングになった。テント場はどうだったかな。他を捜さなかったが。スノーソーをなくした。雪に刺してほんの一瞬目を離したらなくなっていた。

mariko:予定のトレーニングがほぼ出来た。ココノールさんが言ったようにこの雪質なら上り下りだけでトレーニングになった。今回の雪質ならスクリューハーケンが有効だ。気象判断して装備も検討が必要だ。テント設営は時間がかかったけど、あれもトレーニングとしては良かったかなと。


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

それなりに楽しめた2回目の
和気アルプス
杓子岳双子尾根の報告

Copyright(c) 2009- MERAPEAK-KOBE All Rights Reserved.