▲我が会の精鋭メンバー
先週から気温が上がり、雪や氷の状態が心配だったが、4月の春山といった感じだった。私にとっては寒くもなく快適に登れてよかったが、標高差がないのは、物足りなさを感じた。ゆっくり登って、昼前に抜けてしまった。
藤内沢の出合いでアイゼンを装着。岩のところどころに、雪が解けて薄氷が張り付いている。先行パーティは、練習とかでアイゼンを着けずに前進する。しかし、素人も混じっておりさっそく立ち往生。藤内滝を右岸から巻くため左俣に上がるのだが、高さ3~4m程の岩の段差を超えれず難儀する。先を譲ってもらって、我が会の少数精鋭パーティが先頭に立つ。藤内滝の右岸のトラバースは、出だしのスラブに雪も氷もなく、道幅も広く、何の問題もなく通過。十数分ほどで、ルンゼの雪面に出た。小休止した後、ルンゼを詰める。塩ちゃんが、いろいろ中又の氷瀑を解説してくれるので、カノンとどこにあるのかと辺りを見渡すのだがさっぱり分からない。それほど、氷は解けてしまったのだ。
そんな状態で登っていると、チョットいやらしい滝の前に出た。多分、コーモリ滝だと思う。ここでみんなの反対を押し切って、おー寒むがロープを出す。滝の左側の高さ2mくらいの階段状の壁を登るのだが、ベルグラが付いていやらしい。ロープを背負って登って落ちては様にならない。適当に、木の生えているところまで登り詰めビレイをする。後から追ってきた、ガイドのパーティに先を譲って、二人が登ってきた。おー寒むがロープを収納するので、塩ちゃんが先頭を代わって登りだす。
▲鋸岩の氷瀑
正面に前尾根の櫓が見えてくると、これでオシマイ?と、言った感じ。みんなあまりの短さに、チョット不満気。3ルンゼをゆっくり登り詰めていると、2人組が下ってきた。氷を目的に、ヨーロピアンスタイル(*)で登ってきたという。しかし、期待はずれで3ルンゼを下ることにしたのだという。我々も肉を削がれたゾンビのような鋸岩の氷瀑を前にして、アイスを止めて本当に良かったと思った。
重いロープ、アイススクリューとヌンチャクを担ぎ上げてこの氷の前に立ったら、呆然とするしかないだろう。しかし、それでも段差の低い氷で少し遊んだ。最後の草つき斜面を登り切ると中道の一般道に合流。ここで登攀を終了とし、装備を解いた。当初国見峠経由裏道で下降する予定であったが、おー寒むのプラブーツがぱっくり口を開けているのに気付いた。寿命が来ていたようだ。
腹が減ったので、山頂のレストランでそば(カノンは高いと言いつつも1000円のラーメン)を食べた。レストランで協議した結果、みんなで、ヨーロピアンスタイルで下ることにした。
ロープウェイから見下ろすと、本谷を登り詰めているパーティが見えた。こっちの地元の会は、アルプスの練習のために、本谷を登って練習するそうだ。六甲山より400mも高いので良い練習になるだろう。そこで、来シーズンは、本谷の登攀を提案したい。ルートを調べておくので、みなさん、よろしく!
*ロープウェイを使って登ることをヨーロピアンスタイルというらしい。