晩秋の御在所クライミング   (おー寒む)



mariko


ココノール

country gentleman


S水

○玉


塩ちゃん

おー寒む


チャゲ
■日 程:2009年10月11日(日)〜12日(月)〔晴〕
■山 域:御在所・藤内壁(前尾根、中尾根、一の壁、
中道から国見尾根)
■参加者:CL.気象=おー寒む、SL.食料=○玉、
SL.装備=country gentleman、医療=mariko、記録=チャゲ、
記録=塩ちゃん、記録=S水、ココノール、
パーティ編成:
11日[中尾根パーティ]ココノール−○玉、
[前尾根パーティ]country gentleman−mariko−S水、
おー寒む−チャゲ−塩ちゃん
12日[一の壁パーティ]country gentleman−おー寒む、
○玉−ココノール−mariko、
[縦走パーティ]チャゲ−塩ちゃん




▲藤内沢出会いにて

前尾根の報告             おー寒む

近畿の東の端に位置する御在所は、西の雪彦と並んでマルチピッチクライミングの主要な岩場である。どちらも登攀の歴史は古く、今も穂高や剣を目指すアルピニストの良きゲレンデであり、近年にフリールートが開拓されたことで風化することなく親しまれている。岩質は、花崗岩で小川山より結晶が粗い。花崗岩特有のクラックが至る所に発達しているのでカムがあると便利である。

10日(土)の朝10時頃、リッチな気分で新幹線に乗った。名古屋で近鉄電車、それからバスを乗り継いで、湯ノ山温泉街に正午過ぎ到着した。バスの乗客は、私一人だった。運賃は280円。それでも営業しているバス会社に感謝。温泉街を抜けて裏道登山道に入る。しかし、去年の大雨で崩壊した登山道は、まだ修復が完了していないようだ。分岐点毎に地図で迂回路が掲示されていた。迂回路は、電柱の補修用にもとからあった道のように思えた。迂回路を進むと鈴鹿スカイラインのトンネルの先(橋の反対側)に出た。残念ながら蒼滝の様子を見に行くことはできなかった。トンネルをくぐって、裏道に入ろうとしたところ、この日は、護岸工事が行われていて工事車両が頻繁に出入りしていた。
中道からバイパスを通って裏道に入ることもできるが、知る人ぞ知る裏道の裏道を抜けるのが楽なはず。下山してきた人に入口を尋ね、そこから取り付いた。しかし、尾根を越えるまでが大変だった。ボッカをしていない上にテントとギアが入った重いザックをいきなり担いでヘロヘロになった。行動予定では、明日登る予定の前尾根の下降路を下見するはずだったが、バテたので止めることにした。藤内小屋から国見峠に向かう登山道の入口付近で幕営した。その日は、仕事疲れもあったので17時前に寝ることにした。

11日(日)、5時起床。まだ早いかなと思いつつ、7時前に藤内小屋に行くと、神戸から来た仲間がもういるではないか!あまりの早さに驚いた。パーティ毎の行動予定、無線連絡方法などの確認をした後、藤内壁を目指して出発した。おー寒むの泊まり道具は、登攀から戻るまで小屋の裏に置かせていただいた。藤内小屋の女将さんありがとうございました。
藤内沢F1の下部で、各パーティに分かれて目的地に向かった。その日は、一番乗りかと思いきやP7の取り付きに先行パーティが一組いた。おー寒むは、チャゲと塩ちゃんの3名で前尾根パーティの後発隊である。塩ちゃんが6、7年前に登っている。あとの二名は、初めてであるが、三名とも登攀に関しては問題ないメンバーである。先発は、country gentleman−mariko−S水パーティである。country gentlemanパーティのラストがクラックを抜けると同時に、おー寒むパーティの登攀開始。

▲P6でビレイするおー寒む


▲1P目のクラック


▲3P目は左の
リッジルートへ

▲5P目は右端の
易しいフェース

▲8P目Bスラブ

▲中尾根に向かう
  ココノールパーティ

▲2P目の核心を登るチャゲ

▲country gentleman
パーティ、チムニー脱出

▲7P目Aスラブ


▲9P目Cスラブ


▲10P目櫓を登る



1P目(クラック・IV) ノーマルルートの下部は、壁が立っているので荷物を担いでいるとつらい。終了点まで行かず、右の立ち木で1ピッチ目を切った。

2P目(リッジ・V) 立ち木から見て左のスラブを登る。この後に出くわすリッジも核心。四面体の角をアンダー気味に掴んでから右フェースに出る。P7終了後、P6の取り付まで歩きになる。

3P目(リッジルート・IV) P6では、country gentlemanパーティがチムニーであえいでいたので手前で切った。フェース(V)を登ろうとすると下からブーイング。左のリッジルートに変更した。しかし、途中ののっぺりしたスラブは難しい。残置ハーケンには手が届かず、浅いクラックにナッツをセットした。

4P目(フェース・III) チムニーの上は、広いテラスになっている。ここでcountry gentlemanパーティとトップを交代。2mくらいのフェースを登ってP6の上部にでた。ここで、後続の2人組みに先を譲る。ここからしばらくは歩き。かなりザレているので滑りやすい。

5P目(ノーマルルート・III)  P5の下部。また、ここで別の2人組みに追いつかれる。単独クライマーも来た。我々は3人なので先を譲る。P5は、一番右端のルートを登る。追いついてきたcountry gentlemanパーティに、V級と知らず左ルートを勧める。このピッチが、2パーティの明暗を分けてしまった。申し訳ない。

P5からP4の間は、傾斜の緩い岩壁をトラバースする。しかし、スリップするとヘリを呼ぶことになりそう。それなりに練習を積んだメンバーなので、フリーで岩溝に沿って一旦下って登り返した。

6P目(凹角ルート・III)  P4は、先の2人組みを追うように、スピーディーに登れた。

7P目(スラブ・III)  P3のAスラブと呼ばれるところ。ビレイは、木の根でできる。ランニングは、残置ハーケンが1本だけあった。スラブだが傾斜が緩く、慎重に登れば落ちることはない。

8P目(チムニー・IV)  Bスラブは、先行パーティがまだいたので、左のルートを取った。残置支点がないのでカム必須である。

9P目(スラブ・III) Cスラブの終了点は、岩峰のフェースにある。そこから岩を回り込んだ反対側に少しクライムダウンすると地道に降りることができる。トップは、セカンドが地道に降りるまで確保するのが安全だろう。トップは、セカンドがロープを回収した後、空身で降りることになる。

ここからしばらく歩きで、P2までの途中に前壁ルンゼへの下降点と藤内沢への下降点がある。どちらも大雨の影響で荒れて危険な状態だそうだ。安全に下降するのなら、P2から尾根の踏み跡を辿って裏道に出るのが良いとのこと。先行していた2人組は、愛知労山のメンバーで詳しく教えていただいた。ありがとうございます。櫓の巻き道(ロープ不要)もあることを教えていただいた。

P2の下。これが前尾根の名高い櫓か〜!と下から見上げる。六甲のキャッスルウォールのカンテルート(V)を思わせる。しかし、こちらのほうが象徴的で威厳がありそう。ここで、country gentlemanパーティを待ちつつエネルギーの補充を行う。しかし、なかなか姿を見せない。10月半ばとはいえ、今日は風が強く寒い。ついに耐えられなくなり、また、他のパーティに先を越されるのも嫌なので登ることにした。

10P目(クラック・IV) 残置ハーケンが少ないので、カムで補いながらランニングプロテクションを取った。櫓の襟元くらいが核心で、苦しい体勢を強いられる。しかし、W級なので探せばホールドはある。チャゲは、岩の粒のせいで指の皮がむけたそうだ。一方、塩ちゃんは、膝を痛めており、かなりきつかったとのこと。
櫓の終了点から振り返ると、一の壁や中尾根が良く見えた。ナッツのセットに関しては、メラ一番のココノールがP1のチムニーをリードしている最中だった。中尾根は、陽が全く当たらずかなり寒いとのこと。○玉パーティに激励のエールを送った。
後続パーティが登ってきたので、我々は、櫓の喉元をトラバースして踏み跡に降りた。このときロープを出したが、中間支点が取れないので全く意味がなかった。初心者がいる場合は、懸垂で降りて巻き道を登り返す方が良い。
おー寒むがトラバースしている間に、他のパーティを挟んでcountry gentlemanパーティがやっと現れた。二人が上から様子を伺っていると櫓には登らず前壁ルンゼを降りようとしていた。そこで大声で制した。後で無線交信することにして、塩ちゃんとチャゲもトラバースを開始した。

おー寒むが、country gentlemanと無線で交信を行い、愛知労山の人から教えて頂いたことを伝え、巻き道を登って我々と合流することを話し合った。country gentlemanパーティが登ってくるのを待っていると、交信時間の15時になった。○玉パーティから、先に下山しキャンプ場の手続きをする提案があった。○玉パーティは、既に藤内沢の出会いに降りていた。お言葉に甘えて手続きをお願いした。

巻き道を登ってきたcountry gentlemanパーティの面々は、何やら不満顔。かなりマナーの悪いパーティに先を越され気分を害したらしい。踏み跡は、裏道まで明瞭で、途中から背の高い藪の中に入り風も防げて快適だった。裏道を下山中、崩壊現場の一つと思われる深く抉られた沢を見た。樹木や土砂がすべて流され、白い花崗岩がむき出しになっていた。賽の河原と化した裏道を降り、藤内小屋の女将さんに挨拶して、鈴鹿スカイラインに戻ると、鳥居道山キャンプ場の手続きを終えた○玉、ココノールが待っていた。

反省:ロープが交差する回数が多すぎた。申し訳ございませんでした。




御在所クライミング感想           チャゲ

▲6Pでビレイするチャゲ

初心者ルートの前尾根コース。結構取り付く人も多い。前がつかえたり、追い越されたり追い越したりいろいろあった。岩は花崗岩でザラザラ、フリクションはよく聞いたが、指の皮がむけている右手人差し指にはこたえた。最後の櫓は、おー寒む君も時間が掛かってるように感じたが、日陰で風もあり寒く余計そう感じたかもしれないが、ここは登れるのかと不安だったが、指は冷たくなり感覚はなくなるし、痛いし…が何とか登れてよかった。ルート図を後で見るとやはり少し右に振っていた。最初からルート図を見て頭に入れておくべきだった、反省点の一つである。自分にはこの程度が精一杯かな?でも楽しめて登れてよかった。
しかしこのコースは太陽があたるところでよかった。ずっと日陰の中尾根コースは辛抱できなかったやろう?誰やそんなとこあんたは登られへんてゆうてるのは…
あくる日の一の壁クライミングは遠慮させてもらい、塩ちゃんさんと御在所岳へトレッキングに出かけ中道から取り付いたが、今日はいい天気で汗もそうかかないし最高の日和である。アチコチみながら2時間掛からず山頂に、国見岳まで行って360度の展望を楽しみ、国見尾根を下る、昨日の前尾根や一の壁をクライミングしている人たちの姿もよく見えた。最後の尾根からの急下降はひざに堪えた。
一時前に藤内小屋に着き、川の大きな岩の上で昼寝してクライミングしてるメンバーと合流した。
今日はのんびりした一日だった。たまにはこんなのも良いかなー




「あのルンルンだった御在所だが・・」                 塩ちゃん

▲前尾根P4 で余裕を見せる塩ちゃん

前尾根を攀じりながら頭の中は走馬灯のごとくぐるぐる螺旋状に記憶を呼び戻しておりました。十年にはならないと思うが数回訪れた御在所、確か最初は3度ほどアイスで、クライミングでは金毘羅で顔見知りになった京都府岳連の方に誘われ中尾根バットレス。これで味をしめて一挙にヨセミテ気分に浸ろうとポーターレッジを持ち込み寒い11月に中尾根北面でビバーク、晩秋の夜長を四日市の夜景を見ながら友人と小さな焚火を囲みチビリチビリと飲ッた事。その冬には藤内沢を詰めて二ルンゼからどこかのカチカチの雪壁を登攀したことが思い起こされました。前尾根も中尾根ビバークの下降日に登ってみました。当時P7取り付きは大勢でにぎわい右を巻いてP6からスタートし、今回私たちおー寒む班はP6をリッジにとりましたが、当時はチムニールートを採りスッキリ登った記憶がありました。P6~P3間はルンルンの気分で、P2櫓も混んでおり登らず前壁ルンゼを下降して藤内小屋対面の愛知岳連前で天幕を張った記憶があります。歳月の流れは恐ろしいもので今回は記憶以上に時間がかかってしまいました。歳は取りたくないものですね〜。いずれにしてもリードのおー寒むさん、ありがとう。またの機会に冬の藤内沢を企画してください。




前尾根ルート報告        country gentleman

▲前尾根P7の取り付きテラス

パーティ編成は、country gentleman―mariko―S水で、country gentlemanリードで登りました。
P7 1ピッチ目:被り気味のクラックを越えるところで、カムの回収もありmarikoが苦労。
   2ピッチ目:出だしの一歩が緊張。カンテを登る姿は絵になります。
P6 1ピッチ目:チムニールートを登る。チムニーの手前で一旦切る。
2ピッチ目:ザックを背負って登り出すが、ザックが引っかかり、もう一歩を踏み出せないので、一旦降りて仕切り直し。ザックを下ろしてもスムーズには登れない。終了点に着いた瞬間は、ハァハァいっていました。(ここで時間が掛かり、おー寒むパーティに先行してもらう)
3ピッチ目:2mほど登るためにロープをつけて登る。
P5 藤内沢側ルートを登る。回り込んだ瞬間にこれは手強いなと感じる。ただ引き返すことはあまり考えず、どう登るかという思いでした。リングボルトも飛んでおり、ナッツのワイヤーを利用し、支点とし、スリングを多用し登り切る。スラブを登る力があれば、スムーズに登ることができるのでしょう。ただ僕自身は、緊張感のあるクライミングを楽しむことができました。ノーマルルートの終了点に着くには、クライムダウンになり、フォローが苦労しそうなので、凹角ルート終了点でピッチをきる。フォローも苦労して登る。たまたま居合わせた単独行・地元の方のアドバイスがあり、登り切る。ここで、2人はロワーダウン、僕は懸垂下降し、ノーマルルートを登り返す。

▲前尾根P3の
country gentleman

   ここで大幅に時間オーバー。多くのパーティに抜かされることになりました。
P4 抜かされたパーティ待ちが続く。ようやく空き、凹角ルートを1ピッチで登る。
P3 1ピッチ目:やさしいスラブ。
   2ピッチ目:カンテを登り、クラックの下でピッチをきる。
   3ピッチ目:真ん中のクラックを登る。カムで支点をとりながら慎重に登る。クラックに慣れていないので、緊張する。クラックを越えてからはやさしいスラブを登る。
P2には順番待ちの人があふれており、下山することにする。おー寒むリーダーから前壁ルンゼからの下降は危険であるとアドバイスを受け、一緒に国見峠経由で下山する。おー寒むパーティには待ってもらい申し訳ありませんでした。
 前尾根は派生ルートもあり、まだまだ楽しむことができます。カム・ナッツの練習にも最適です。僕自身意識して使いましたが、まだまだです。S水さんには、やぐらを残す形になり、申し訳ありませんでした。次回はリードでがんばってもらいたいと思います。

▲藤内沢側ルートを登り
終えたcountry gentleman


感 想:ミーティングで、前尾根のルート選択(P5藤内沢ルート選択)について議論になる。
パーティの目的としては前尾根を登りきることです。結果としては、このルート選択により、時間がかかることになり、やぐらを登れなかった。かつ、後続パーティに多数抜かされることになり、S水さんが不快な思いをすることになったという事実を考えると反省しなければいけません。僕自身、指摘されるまでは、やぐらを登れなかった、前尾根を完登できなかったことについて、何の思いもなかったというのが正直なところです。時間切れやったという軽いものでした。ただ、S水さんにとっては初めての前尾根であり、指摘のあったように登りきることが目的であるということに全く思いがいっていませんでした。 僕自身にもっと力があり、スムーズに登ることができておれば問題なかった。パーティの力量という観点からも判断しなければいけませんでした。
今回の山行目的は何なのか?前尾根を登ることの目的は何なのか?考えていなかったことは反省点です。
引き返すべきであったかと言われると「?」である。思ったよりも難しいとはルートに入って判断できました。ただ登れないとは思わなかった。フォローも大丈夫であろうと考えた。ここを登るために前尾根を登ったので、登りたいという思いを優先させた。結果としては、たまたま居合わせた地元の方がおり、その方のアドバイスで登ることができた。居なかったらもっと時間がかかっていたのも事実。そう考えるとパーティの力量を考え引き返すべきであったか。引き返すことはできたと思います。
指摘がなければ僕の反省は、前尾根を登り切れなかったことには全く思いが至らず、藤内沢のルートはなんでもありで、久しぶりに緊張感のあるクライミングを楽しむことができたというもので終わっていたと思います。指摘されて初めて気付くようでまだまだダメですね。




御在所は確か5回目       mariko

▲チムニーを登るmariko

最初は木村さんがいた。キムチ鍋を食べ過ぎて、、、、。最後のやぐらは二人ともA0でも四苦八苦だった。
2回目はcountry gentleman君がいた。前夜、兎の耳のテン場で泊まった。そのころはカムもナッツも持っていなかったはず。なのに、普通に登ったね。ピンが減っているのかなあ。country gentleman君がキムチ鍋を担当した。
3回目は前尾根から中尾根への継続のはずが、、、。中尾根の取り付きにたどり着けず、、、前尾根側壁を登った。この時もP6はチムニーを登ったが、今回みたいに苦労しなかったなあ。多分、外側を登った。夕食のカレーとごはんがおいしかった。
そして、直近は県連の交流山行。1日目は○玉、井上と中尾根を、2日目は井上と前尾根を登った。
そして今回。P7のクラックを抜けるところで苦労した。前回井上くんにA0用にヌンチャクセットしてよと頼んだのに、忘れてしまって。でも、すっと登れた。今回はカムがセットしてあった。それを回収するのに、腕力を消耗した。そうか、ここは井上君の方法の方が楽なんだ。P6のチムニーを抜けるのにはもっと苦労した。でも、これがルートらしい。初めてだった。ザック負っては絶対無理だ。そしてそして、、、、P5だ。安易に左のルートへ向った。が、country gentlemanはその積りで5級だということも知っていたという。相手を見てよ。いやー、怖かった。手がない。足はなんとかフリクションで止まってる。が、なんか、そのうち滑り出しそう。岩を登っていてもあんまり怖いと感じることはないが、ここは怖かった。ここで後続がどんどんやって来て、渋滞に巻き込まれることに。いろんなパーティーがいるもんだ。あんた、何のためにザイル結んでいるのっていうようなパーティーもいる。
正統派S水はそのマナーの悪さに、ぷんぷん。ごもっとも。で、やぐらの待ち時間も考えて、今日はいい。と言う。そうね。今度は人がいないときを見計らって、スッキリ登りましょう。なんて言ってるけど、クライミングの力は落ちるばかりだなあと感じた。
翌日は一の壁を3本登ってあとはおー寒む、country gentleman、○玉を観戦。country gentlemanは写真を撮る間もなく、11bを登ってしまった。この日は1本目はまだ風があって指先が冷たくて痛かった。もう、やめようと思ったが、だんだん暖かくなってきて助かった。
それにしても河原に大きな岩がゴロゴロ流れてきているのにはビックリした。どこからこんなに大量の岩が流されてきたのか???と思う。兎の耳のテン場なんか草木は1本もない。見通しがよくなっている。又、時間が経つと、河原にも草木が芽生えて来るのだろう。




修行がなっとらん!           S水

▲P7クラックを登るS水

スミマセン。ごめんなさい。今回の報告を見せていただくと、「S水が不快な思いをした」とありますが、それもこれも一番の原因は自分の「器が小さい!」ということにあると感じています。
トータルでは、昨年計画中止になった御在所に来れ、お天気もよく、申し分のない1日でした。藤内小屋周辺の災害の爪あとには言葉を失いましたが、初めて挑む前尾根ルートはルックスがよく、見晴らしもよく、高度感もバッチリ。country gentlemanさんを見上げながら、「うわー、あんなとこ登れるのかな」とワクワクしながら取り組みました。それが、後半「ムッツリ」になったのは、確かにマナーのよくないパーティ(声もかけずにすぐ後を登りだしたり、ザックにぶつかって何もいわないなど)の存在は大きいです。
でもそれより、まだまだクライミングにおいて自分の出来る、わかる事が少ない(リードの練習もしていないので「リードの判断」が想像つかないし、いろんな場面で自分で確信をもって判断することができない、例えばこのパーティのマナー良くない、この動きはいいの?と思うけど、ほんまにそうか?とか)ことが、自分自身に対するイライラにはね返った部分があると思います。 
だから、最後のやぐらが時間切れになったのも、以前の自分だったらもっと「くやしい〜」となったかもしれないところが、「自分は連れてきてもらっているだけなんだから、仕方ない」と思えました。P5の難所も、「うわ、country gentlemanさんどうやってこれを登ったんだ!」ビックリしながら耐え、抜けたときは、道を切り拓いてくれたことに感謝しました。だから、country gentlemanさん、ご心配なく。戻ればよかったなんてちっとも思っていません。次回に自分が御在所でリード、なんて絶対無理ですが、せめてパンプでも少しはリードの練習をして、「自分も少しは考えてます」という状態で、やぐらに行きたいなと思います。
夜の鍋タイム最高に楽しかったです。みなさんありがとうございました。




中尾根の報告             ココノール

▲中尾根P1を
リード中のココノール

6年前に屏風岩に行く予定が変更になり藤内壁に行った。2人パーティで前尾根から中尾根に継続登攀した。前尾根を登った後に中尾根の取りつきがわからず、いったん一の壁に行って、そこに居た仲間に確認してから取りついた。中尾根はやさしくはなかったが、比較的快調に登れた。そのときは今の2倍もトレーニングしていた。暗くなってテント場に帰りついたときには疲労感とともに充実感があった。今の自分にとって中尾根は手ごわいだろうと思った。それでも可能ならもう一度登りたいという思いが勝ってしまった。
今回は○玉と二人パーティになった。P4の取りつきまでは前回の記憶がありすんなりと着いた。
1P目V)・ココノールリード
 P4を縦のクラック沿いに登り始めると上部はハングのチムニーになる。チムニーは狭くてザックをかついでリードするのはしんどい。途中でザックにスリングをつないで上から引きあげた。ここの花崗岩は粒が粗くて下手すると皮膚が大根おろしになる。ここでさっそくA0になった。途中のテラスでピッチを切り○玉の確保態勢に入る。この尾根は全般に確保支点はペツルのボルトが整備されて安定感がある。しかし中間支点に乏しい。残置ハーケンがあるにはあるが腐食していてほとんど使えない。指で少し触れただけで曲がったものもある。魔法のハーケン曲げだ。カム・ナッツのプロテクションは必携だ。
2P目(V)・○玉リード
 ここは10mくらいのピッチである。ここも少しチムニーがある。
3P目(V)・ココノールリード
 一の壁から西方向を見るといびつな形の岩塔がそびえているのが見える。これが別名をツルムと呼ばれるP3だ。しかし登攀ルートである北方向から見ると塔ではなく広い壁状になっている。この壁のルートもチムニーになっていて上部ではけっこうしんどい。終了点間際ではトンネルになっているが、それをくぐらず上を越えた。ここから懸垂下降でツルムのコルに降りた。ここからは一の壁に取りついているクライマーがよく見える。
4P目(IV)・○玉リード
 この壁はP2の壁でありフリーでの直登は困難だ。後続パーティはアブミで登っていたようだ。○玉は少し左にトラバースして右上するバンドを登った。このバンドは容易だが、その前のトラバースは残置支点がなくカムをひとつセットした。トラバースのハンドホールドは今にも折れそうな薄いフレークでありリードする○玉は「大丈夫かいな?」とつぶやいていた。
5P目(V)・ココノールリード
 ここは6年前にフォローしたピッチだ。その時にリードしたパートナーは「むずかしい〜!」を連発していたものだ。リードしてみるとやはりむずかしかった。核心部ではカム・ナッツで支点をとってテンションをかけて休憩してしまった。残置支点はペツルのボルトがあり、その点では安心感がある。ここから懸垂下降でP1の取りつきに降りた。
6P目(V+)・ココノールリード
 「P1も登るか?」と○玉は言った。中尾根はP2で終わるパーティも多い。しかしP1が上にそびえている以上は、それを登って完登としたいと思った。結局このピッチのリードで1時間以上を要した。ここは広いチムニーで両壁に背中、手足をつけてずり上がった。バックアンドフットというムーヴなのだが上部は広くて外開きになっており、不安定でとてもしんどい体勢になった。中間支点は足元よりもかなり下だ。落ちれば大根おろしになるのは必定。もう一か所はチムニーの右から左に乗り移るのに難儀した。A0でなんとか乗り切った。完登はしたものの美しいクライミングとは言えたものではない。時間も超過した。中尾根を早く終われば一の壁に転戦するもくろみははかなくも消えた。それでも登ってよかったと思った。満足できるクライミングはまだ当分おあずけになるのか?




御在所岩合宿の感想              ○玉

▲P1取付きで
ビレイする○玉

 御在所・藤内壁の岩登りは数年ぶりだ。昨年秋にメラで御在所岩合宿を決め。日向小屋に宿泊予約を入れた翌日だったか、鈴鹿を襲ったゲリラ豪雨が御在所岳に大きな被害をもたらした。自然の猛威の凄さを改めて感じた。幸い壁は全く被害が無かったようで安心してクライミングが出来た。

 中尾根は昔に比べると残置ピンは減っており、腐食しているから危険だ。クラッククライミングが主体だからナチプロ技術がなければ登れない。クラック、凹角など内面登攀の面白さがあり、六甲にはない好いルートだ。今回P4からP1まで約5時間かかっているが、ここを3時間ぐらいで登り切るスピードと技術、体力があればアルパインクライマーとして申し分ないと思う。自分はもはやその力は無いが、メラの仲間には是非目指して欲しいと思う。一ノ壁には5級以上のルートもたくさんあり、全部を登り切る必要があるだろう。

 今年は8月末の北岳バットレスに続き、御在所でもマルチクライミングを楽しむことが出来た。御在所は西宮から約150km位だから年1回は土日で取り組んだら良いと思う。また、冬季にはアイスクライミングも可能である。これから寒くなってくるが、来年に向けて六甲でトレーニングに励もう。




一の壁の報告                   おー寒む

▲右:3ルートをリードするココノール
 左:2ルートをリードする
 country gentleman

▲手前:右ルートをリードする○玉
 奥:テンクォータをリードするおー寒む

12日(月・祝日)、5時起床。朝食後、○玉がS水を湯ノ山温泉駅まで送る。S水は、今日の午後に仕事だそうだ。残った者は、テントや鍋を片付けて出発の準備をする。この日は、櫓で燃え尽きたチャゲ、塩ちゃんが縦走に転進。一の壁は、country gentleman−おー寒む、○玉−ココノール−marikoの2パーティに分かれて登ることにした。車を橋の手前で止め、チャゲ、塩ちゃんらと無線交信時間および15時半に、藤内小屋で合流することを打ち合わせて分かれた。寒さは昨日と変わらないが、風がないので気持ちよく登れた。
 以下、country gentleman−おー寒むの登攀報告である。
1本目、2ルート(IV) country gentlemanリード。左のフレークに沿って登るが、クラックは、広すぎてカムは使えない。ランニングは、ペツルのボルトである。下降は、左側の踏み跡を辿って降りられる。
3ルート(IV+) おー寒むリード。フェースから左のフレークに移って、また右のフェースに戻る。
1ルート(IV) country gentlemanリード。凹角をかなり登ってからスタートする。不安定な場所なのでビレイは、下でした(2ルートの出だしにある2つのペツルの支点を使う)。
テンクォーター(5.10a)  おー寒むリード。1P目が遠いので、出だしでカムを1個セットした。カチの掛かり具合がとても良い。ハングの乗っ越しもアンダーが効き、上部には掛かりの良いバンドがあるので楽勝。
ブーメラン(5.11b) 本日の目玉。トポ通りハングの上部にはペツルのボルトがなかった(錆びたリングボルトがクラックに沿って2個ほどあった)。マーブルの終了点でビレイしてもらって、トップロープを掛けることにした。終了点には、様々なステンレスのボルトが打ちまくられていた。スリングで適当に支点を作成し懸垂で降りた。60mのシングルロープなら下まで余裕で届く。お昼を済ませ、いざトライ。
 おー寒むは、ハング下までノーテンション(以下、テンションをテンと略す)だったが、ハングの乗っ越し方が分からず2テン。country gentlemanのアドバイスで右壁の棚に上がって、ハング上のカンテを左に回りこんで、左上するクラックを伝って終了点へ。
 country gentlemanは、同様の登り方でなんとノーテンで登った。トップロープとはいえ皆から拍手喝采。最後に○玉。前傾ガバではないので苦手系である。しかもリーチが要る箇所が多い。数回テンションして超えた。○玉が、ギアの回収をして降りる。いつもありがとうございます。
 ハングの出口でカムをセットすれば、リードで登れそう。来年の課題として一の壁を後にした。




一の壁感想                       country gentleman

2ルート(W級)は、ガバでありランナウトしているが余裕を持って楽しむことができました。支点も整備されており安心感があります。テンクォータ(5.10a)はフォローであり、かつおー寒むさんからのアドバイスもあり登ることができる。何手かの細かいホールドには悩まされる。ブーメラン(5.11b)はトップロープでトライ。おー寒むさんの登る姿を見て、苦労するやろなと取り付く。登り出すと不思議なことに落ち着いて、ホールド、スタンスを拾うことができる。被ってくると腕がパンプして持たないので、手を伸ばした先にホールドがあることを願い、進んでいく。ハング部分を回り込んで大休止。なんとかここまでこれた。後は落ち着いて登るのみ。リードやったらランナウトする場面。終了点までついて登れたことにびっくり。腕がパンプするというより、大胸筋がパンプする感じ。リードでという声もあったが、まったくその気が起きなかった。このへんが僕の弱さです。どうしても登るんやという思いが欠けています。もっと気持ちを強く持たなければいけませんが、それを含めて、僕自身という人間です。

事後談:帰宅後、HPでブーメランを確認すると、どうもルートが間違っているようです。3本目クリップ後、僕は大きく回り込みましたが、そこからハングを越えるようです。浅いポケットをとるのかなと思います。このルート取りなら登るのはまだ先ですね。




一の壁の報告                      ○玉

 御在所岩合宿2日目は全員で一の壁を登った。今日はココノール、marikoの3人で登った。昨日の中尾根は耐寒訓練を兼ねてのクライミングだったが、ここも陽が当たらない。登り始めは風もあって寒かったが、次第に収まってくれた。
1)ココノールリードで3ルート(IV+)を登る。中間部が少し難しい。ステップアップの登竜門と言われている。
2)○玉リードで2ルート(IV
)を登る。一ノ壁の入門ルートだ。
3)ココノールがパスしたので○玉リードで右ルート(V)を登る。2、3箇所ムーブが要る面白いルートである。
4)ブーメラン(5.11b)をトップロープで登る。country gentlemanはノーテンションで上手く登った。しかし、自分が取り付いて見ると難しかった。まず、リーチが無いので届かない。ボルトは3本でその上は数mもランナウトしており、勇気がいる。小さいカムが手前では使えるが、、、。country gentlemanはムーブに問題はないから勇気を奮い立たせてRPを狙ってもらいたい。おー寒むは大いに可能性あり。○玉は無理だろう。




行動記録                         塩ちゃん

10月10日(土)晴れ
20:10 JR西宮発〜21:00 新名神甲南PA着、天幕設営〜22:00 就眠
10月11日(日)快晴/尾根筋風強
04:30 起床〜04:50 甲南PA出発〜05:50 登山口駐車場着〜06:10 同発〜06:30 藤内小屋着〜07:05 おー寒む合流、同発〜08:00 藤内沢F1下着、装備装着〜08:15 前尾根、country gentlemanP登攀開始〜08:25 おー寒む−チャゲ−塩ちゃんパーティ、前尾根登攀開始〜14:10 おー寒む−チャゲ−塩ちゃんパーティ、櫓登攀終了〜country gentlemanPと合流〜国見峠経由裏道下山〜16:30藤内小屋着〜17:00鳥居道山キャンプ場
10月12日(月・祝)快晴/無風
05:00起床〜06:10S水出勤〜06:50登山口P〜
(ここから、チャゲ−塩ちゃんパーティの行動記録)
07:10中道登山口〜07:40四合目800m、おばれ石〜07:45同発〜07:55五合目、ゴンドラ展望〜08:08六合目900m、キレット〜08:25七合目1000m、カモシカ広場〜08:40八合目1100m〜08:55尾根遊歩道展望岩〜御在所岳頂上〜スキー場レストランで寛ぐ〜10:00スキー場レストラン発〜10:15国見峠〜10:40国見尾根分岐〜10:50同発〜10:53国見岳頂上〜10:55同発〜国見尾根〜11:30岳不動滝分岐〜12:40藤内小屋着〜14:30一の壁パーティと合流〜15:00駐車場〜15:40〜16:40片岡温泉、反省会〜土山SAで夕食、桂川PAで車乗換〜JR西宮駅前で解散

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

廻して、腰掛けて、
武庫川ルーフで大収穫!
トレーニング山行報告 「椿岩」

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