中央アルプス縦走   (S水)



mariko

チャゲ

S水
■日 程:9月19日(土)〜22日(火)

■山 域:中央アルプス

■目 的:テント縦走を楽しむ

■参加者:L=S水、チャゲ、mariko

■行動記録 (S水)

19日(土) 新大阪7:37発のぞみ=名古屋08:29着 快速中津川行き 8:47発=10:04着
普通松本行き 10:10発=10:49 須原着 タクシーで伊奈川ダムへ 11:35着 昼食 11:45発 
〜 下のコル13:25〜上の水場(水汲む)15:05 〜 越百避難小屋16:19着 (泊)

20日(日) 6:00発 越百山△7:05 〜 仙涯嶺△手前9:00〜 南駒ケ岳△9:45(食事休憩)10:10発〜擂鉢避難小屋横10:55 〜 空木岳△12:05 〜 木曽殿山荘13:18(水買う)〜13:45発 東川岳△14:13 
〜 熊沢岳△16:12 〜 17:30 テント場発見 (泊)

21日(月) 6:30発 〜 檜尾岳△6:50 〜 7:50 岩場 〜 8:55極楽平の次の鞍部 〜9:30宝剣岳へ向う 
宝剣岳△ 〜 天狗山荘(水買う)10:40 〜木曽駒ヶ岳頂上山荘(水もらう)11:00 〜 11:20 木曽駒が岳△〜 玉の窪山荘下でコーヒータイム 12:05〜12:25発 〜8合目 13:15 〜 7合目避難小屋 14:06 着 (泊)

22日(火)  6:10発 〜 6合目6:45 〜 5合目7:15 〜 4合目8:05 〜 東屋9:00
舗装された林道 〜 駒の湯9:30 タクシーで日帰り湯(せせらぎの四季) 10:10
木曽福島駅 11:50発 中津川・名古屋・大垣・米原で乗り換えて全て鈍行 大阪 17:43着




 今回は、出発するまでがハラハラでした。当初、ドラ猫メリーさんリーダーの計画におまかせのつもりが、参加者がチャゲ・mariko・S水の3人となり、9月に入ってから「どこに行く?」。荒川三山を考えたが、バスが8月で終了、タクシーが片道25,000円。くやしい…、ダメ。9月12日のメララ印刷の翌日、3人でのボッカトレ予定は入れたものの、何も決まっていないので急遽、印刷後にmarikoさんちへ泊まって中央アルプスのルート調べと計画作り。翌日、トレ後に有馬の一休さんで、任務分担とミーティング。ホッとする間もなく、週間予報に台風が現れ、チャゲさんが「九州案」を作成。ネットをさまよい、どっちにする・・・と悩みながら、16日(水)のメラミーティングで中ア決行に決める。ふー。

▲コスモへ上がる林

1日目 そんなこんなでいろいろありましたが、本番は「超ピーカンのシルバーウィーク予報」。チャゲ・marikoさんに「今回はS水リーダーやで」と指名され、いつもとは緊張感が違います。(そのせいか、夜、あまり眠れなかった・・・。小心者?)新大阪駅に7時すぎに着き、ガラガラの自由席をキープしてお二人を待ち構える。無事、名古屋と中津川で乗り換え、須原からタクシー。ここで大切なものを忘れたことに気づき、青ざめる私・・・、そう、トイレットペーパー。タクシーの運転手さんがセブンイレブンに寄ってくれ、事なきを得ました。(駅前はなーんもなかったんです)

▲いい天気のはじまり

 想像以上に細いカーブ道をぐねぐねと行き、伊奈川ダムへ到着。駐車場には車が10台近く。腹ごしらえをして、出発。1時間あまり林道を歩くと、急登が始まる。看板に「COSMO」とあるのは越百小屋がつけているのだろう、かっこいい。でも、判読不能の看板も多い。道は整備されていて、土がやわらかく、歩きやすい。チャゲさんが先頭でペースを作ってくれる。23キロも担いでいるとは思えない、快調な歩き(とこのときは思いました。速かったですよ)。ところが、下の水場というところに、水がない・・・。これが、「水に泣かされる縦走」のプロローグでした。
 15時すぎ、上の水場の看板到着。ここから2分で水場です。冷たい水がこんこんと沸いていました。mariko・S水は水を補給。そして16時を回り、越百小屋・避難小屋到着。真っ赤な屋根と壁が目印。
避難小屋に入ると、ザックが8つくらい置いてあり、「今日は混んでる!」とびっくり。今ごろ、夕日の写真でも撮りに行ってるのかなーといいながら、3人で豪華肉なべとビールでカンパーイ。おかしいなー誰もまだ帰ってこないなあと思っていたら、越百小屋は、荷物は避難小屋の土間に置いてねというシステムだったのでした。みなさんは、小屋でくつろいだり食事をしていたのでした。なーんだ。
 チャゲさんは、島根の青年と意気投合、たのしくおしゃべり。貸切の避難小屋で、寒さ防止にツェルトを張って寝ました。夜中、強い風の音がしましたが、冷たい風ではなかったです。


▲越百山山頂

2日目 6時に小屋を出る。小屋泊の客もほとんど出発した後。少し行くと、道が悪くなる・・・、なんと、小屋下の水場へ降りる道に入り込んでいた。越百山頂へ向け、登り返す。チャゲさんのGPSに何度か助けられました。遠くから見たらボウルをさかさにしたような、まるい越百山頂。今日歩く山々がずっと見えます。

▲巨岩の隣を行く

 この後、風がどんどん強くなる。冷たい風ではないが、重いザックを担いでいても、体が振られるほどの強風。歩きにくい。8時前、風をよけて休憩。このあと千凱嶺(せんがいれい)へは、岩場が続く。南駒ケ岳のピークでは、山小屋で一緒だった人達が写真を撮っていた。多くの人はここから伊奈川ダムへ降りるそうだ。(地図では破線だが、越百小屋で、笹も刈ってあると情報を得たらしい)この後は、ほとんど人に会わず、景色も独占。しかし今日はコースタイム11時間、長い1日だ。

▲南駒ケ岳山頂にて

 空木岳はなんとなく「雄大な山」というイメージがあったが、近づくにつれ巨岩が現れて独特の表情がある。ちょうど昼ごろに頂上に着き、ニッコリ。ただし、そこから真下の木曽殿山荘までのガラガラの下り1時間が、膝に来ることこのうえない。ずっと下が見えているだけに、ツラい。ピーカンで景色もいいのだが、ひたすら下る〜。越百小屋のおっちゃん曰く、「木曽殿で水2リットル300円でわけてくれる」その言葉を頼りにしてきた。「(小屋直下の)木曽の力水、枯れてます」の看板が小屋入り口にかかっている。早速たずねてみると、「水?ありますよ。これ、300円」・・・な、なんと、500mlのペットボトル。そんなぁ〜。これしかない、とのこと。さっそく相談し、自炊用に3リットル(1800円)、後は各自の必要な水を買うことに。く、くやしい。でも、仕方ない。

▲空木の下り                        ▲まだまだ山

▲疲れてきた・・もうすぐ16時
 まあ、半日、重い水を担がなくて済んだということで、無理やり納得する。marikoさんは、手彫りの山靴ストラップに一目ぼれ。1000円だったが、水のクヤシサか、「S水さん、写真撮っといてよ。私が自分で彫るわ。」・・・楽しみにしてまーす!それ以外にも、ベンチに誰もいないなあと思ったら、「休憩1人300円」とか、あー世知辛い。ピカピカでキレイな小屋でしたけどね。
 気を取り直して、のぼり始める。あといくつ、ピークを越えるのか・・・。遠くに、泊まる予定の檜尾岳避難小屋の赤い屋根が見えるが、遠すぎる。「むりちゃうカー」と笑うチャゲさん、ちょっと本気かも。登って降りて、口数が少なくなる。16時を回り、目に見えて3人の歩くペースがダウンした。しかも、足を上げてよじ登る「ヨイショ!」ポイントや、ガラガラの歩きにくい下りが連続する。だいじょうぶかなー、いったい何時に着けるかなー。と感じていたそのとき!左手に、ぽっかりとハイマツに囲まれた広場が。「!!!ここで、テント張りませんか?」3人とも賛成。テントを張り終えると、17時半でした。

 すっかり元気を取り戻し、チャゲシェフの初披露メニュー「手巻き寿司」に舌鼓。アルファー米ではないので一味違いますよ。阪神百貨店で購入のあなご缶詰とカニ缶詰も美味ですよ。なによりきゅうりやりんごの美味しいこと!野菜や果物からとる水分って本当にいやされる〜。元気充填完了。
早々と眠りにつきました。そうそう、この日は満天の夜空で、私にとってはこの夏一番の星!marikoさんに「ミルキーウェイ(天の川)」がどこにあるか教えてさしあげました。



▲檜尾岳山頂にて

3日目 「一晩で疲れはとれへんワー」とチャゲさん。5時ごろには登山者の声が。早い!「小屋までたどり着けなかったので・・・」と小さな声で言うと、「こっちが正解よ。昨日は小屋もテントも満員だったよ。」・・・あーよかった。デリケートなチャゲさんは登山者の目が気になりトイレに行けない。
 たくましい女2人は準備万端、6時半出発。昨日はるかに感じた檜尾岳ピークにはわずか20分で到達。さらに30分弱で避難小屋への分岐を通過したが、昨日のあのペースでは6時半には着けなかったかもしれない。しかも、けっこう岩場もあり手ごわい道だった。

▲今から宝剣岳

▲雲が出てきた

▲ガスる木曽駒頂上


 ハイマツの中の道や、岩がゴロゴロの道、今日も上がったり、下ったり。会う人が増えてきた。天気もいいし、荷物も軽いし(ほとんど食べ、飲んだ)、ルンルンルン。極楽平を過ぎると、多くのパーティがあちこちで食事休憩。その先はいよいよ宝剣越えだ。こちらに向かってきた人達が、ホッと一息、記念写真を撮っている。ケルンの前で、水分補給し、チャゲさんとmarikoさんは給水チューブも岩にひっかからないようにザックに入れて出発。ハシゴや鎖はピカピカで、すごく親切。気をつけるべきは、反対方向からの人とのすれ違い。京都からきた兄ちゃん2人が、「こんなすごいところとは知らなくて」と岩場で休憩していた。marikoさんたちが降り方をアドバイスし、先に進む。小学生や、老若男女であふれるコースを10時半に通過し、「現実世界」そのものの人ごみの天狗山荘に到着。水が残り少ないので、念のため購入。ここは2リットル300円。良心的。4リットル買う。(頂上山荘の方が値段高かったら、と用心)結果的には、頂上山荘で「あ、汲んでいってくれていいすよ」とタダでもらえ、たっぷり補給することができた。(ずっしり!)

▲のぼりマスヨッ


 木曽駒山頂は私にとっては2回目だったが、人が多すぎ、携帯で話している人、ラジオ聞いている人、早々に退散。福島コース方面へと向かうと、雲がわきあがってきた。小屋を越えると、風も強くなってきた。風をよけれるポイントで、お湯をわかしてコーヒータイム。おいしい・・・。そして、静か。やはり山はこうでなくっちゃ。

▲こんな橋ばかり


 その後も、単調な下りかと思いきや、くずれかけのハシゴや木の橋が現れたり、巨岩ゴロゴロわたっていくところがあったり、変化に満ちたコースだった。(そういうことは、地図ではわからない)

のべ1時間半ほど歩き、「そろそろ・・・?」としびれをきらしてGPSで確認したらすぐそこ、果たして1分後に屋根にソーラーシステムの新しい避難小屋に到着。トイレはバイオ、中は板張り2階建てに薪ストーブ(使いませんでしたが)まである。先客のご夫婦は大津から来られた。14時半には早くも宴会がスタート。最後の長い夜を楽しみました。8時前に就寝。


▲走る!チャゲ!!






4日目 5時起床、あっさりお茶漬けで朝食をすませ、6時すぎ出発。最初はトラバース道でなかなか下らないが、次第に林の中を下降してゆき、9時には林道終点に出た。その先、舗装道路となり、小雨模様。硬い道路が疲れた膝にキビシイので、「ゆっくりランニング」をしたら使う筋肉が違うから楽かな?などと言ってたら、チャゲさん、どんどん走っていってしまう。・・・待ってくださーい!
まだまだ余裕ですね。9時半前に駒の湯に到着。残念ながらお風呂清掃中、しかし一昨年に出来た立ち寄り湯「せせらぎの四季(さと)」を教えてもらい、タクシーで移動。有馬に似た茶色のお湯で、露天もあり、そばと冷奴(と生ビール)もおいしく、最高。この後、全部鈍行で4回乗り換えて帰阪。
チャゲさん、marikoさん、本当に、ありがとうございました!!!








反省会(帰りの電車で)


チャゲ いろいろびっくりしました。避難小屋2000円とか、水300円とか。体力的には限界、年を考えないかんナー。初日23キロ、シェフのこだわりもあり・・・。疲労回復の速度が遅いのがわかった。2日目の空木の下りあたりから、右膝が痛くなった。今までの感覚での縦走(荷の重さ、行動時間)これからはあぶないなあ。荷物を軽くせなあかん。行ったことのなかったコース、行きたかったところにいけてよかったです。

mariko 結果的に言えば、自分たちの行動時間の限界を10時間にすべきだった。それがわかっていれば、初日に越百のテント場までのばして選択もあった。トレ不足だった。有馬まで4時間ではダメ、摩耶ダブルなど上り下りのトレが必要。結果的には、台風もどこかに行き、2日目もテント場がたまたまあり、寒くもなく、幸いしてよかった。個人的な感想としては、何年も前に歩いたはずの道が全く記憶にないのがこわい。

S水 地図のコースタイムだけで計画しても、実際にどんな道かは歩いてみないとわからない。自分たちがどのくらいの重さで、どのくらいのペースで何時間行動できるのかちゃんと知ることが大切と痛感した。水が心配で、初日に5,5キロの水を担いで(計22キロくらい)、意外と荷物は持てるなと思った。ただ、2日目は距離が長く途中から心配になり、景色を楽しむ余裕がなくなってきて、「がんばる」と「楽しむ」のバランスが難しいと感じた。レーションなどの荷物の無駄はだいぶなくなった。助けてもらいっぱなしの「名ばかりリーダー」でお世話になりましたが、自分で考える機会を頂き、3泊縦走は初めてだったので勉強になりました。



感想


チャゲ 台風接近もあり、山行コースは急遽決まり山域などあまり確認しないままであった事は反省点の一つである。この山行で感じた事は、23sの負荷での登りは、あくる日に疲れが取りきれなく大変きついものがあった。特に空木の下りではひざが笑うくらい…バテバテだった。加齢とともに無理はしないほうがいい事を自覚させてくれた。今後はこうしたことを考慮に入れて計画する必要がある。
食料担当であったが水が少ないことを想定しての食料になった中で、始めて取り組んだ手巻き寿司は食べやすく新たな発見である、今後もどんどん取り入れたらいいと思う。
8月の赤木沢以降、足が浮腫ので医療タイツを購入した。寝るときに脱いだり、履いたりイチイチ大変だが、それなりに効果はあった。
それにしても、越百の避難小屋で1人2000円も取られた事、木曾殿山荘で水500mlを300円で購入しなければならなかった事、快適な木曾7合目避難小屋の事はいつまでも記憶に残るだろう。
このコースは以前から一度行ってみたかった所、最後まで気を抜けない道で、天候にも恵まれ完走出来、南駒ケ岳、空木、宝剣、木曽駒が岳を除けば人が少なく良いところであった。
初めてのS水リーダー担当であった、彼女にもいい勉強になったことだろう。そしてテキパキした行動には感謝感謝です。ご苦労様でした。


メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

2009 SW(シルバーウィーク)
クライミングツアー 鳳来&御在所
廻して、腰掛けて、
武庫川ルーフで大収穫!

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