▲ハーチス観測所跡
本来水気が嫌いな塩ちゃんとシャワークライムが大好きな皆空が、どうゆう訳か7月の北岳合宿に向けての保塁岩の岩トレのためのボッカトレで、マンネリの油コブシではなく、保塁岩の下に伸びている真水谷からの遡行をして保塁岩に着いてみたいと想っていた。当日のトレでの実施はかなわなかったが、それならばと独立した計画で企画してみた。
当初の計画は六甲ケーブル〜真水谷〜保塁岩〜前ガ辻〜杣谷峠〜山寺尾根出合〜ハチノス谷遡行〜天狗塚〜阪急六甲と結構長大な計画を練っていた。が、ここ最近の好天・高温続きでこれだけを歩き通す体力・気力は塩ちゃんには少々不安が残る。とにかくハチノス谷の遡行だけでも先に片付けることとなった。
▲2段15mの滝で、塩ちゃんのリード
長峰霊園の最奥部には駐車スペースとトイレがある。このあたりの山域入山には利用できそうである。そこを尾根に向かって進むと低いコンクリの階段があらわれ侘し
い山道となる。どんどん登るが左手に見える堰堤がだんだん下になり焦ってくるが下降路を見つけられない。戻ってみることにする。やはり脇道を見落としていた。そこからハーチス観測所跡までのトラバース道はなかなか素朴な踏跡がついていた。
▲チョックストーン5m滝
そこで入渓すると直ぐに4m、4m、3mの易しい小滝が続く。水量は塩ちゃんにとってはありがたい量だが、皆空には不満な量であろう。しばらくすると2段15m滝に突きあたる。無理せず右から巻けば全くやさしい遡行になる。はじめからこの谷のメインはこの15mとチョックストーン5m、3段20mと頭にインプットしてきており、躊躇なく直登に決定。皆空にザイルの要否を打診する。「要る〜」、とのことでアンザイレンして塩ちゃんリードで登る。一応ハーケンを持参しているが残置はしたくない。一段目に這い上がり都合のよい支点を探すが無い。ハーケンを打つか、と想いリスを探すと古いピトンが残っていた。ゴチソウサンと1ピン目をとり、さて核心での2ピン目と思いきや、それこそ在ってほしい所にペツルのボルトまでが残置されていた。ラッキー!早速
利用し落ち口にあがり立木で皆空をビレー。皆空は案ずることなくスムーズに上がってきた。
続いて4m小滝を通過し、チョックストーン5m滝に着く。下からの観察では最上部に乗ったチョックストーンが核心のようなので、ここもやはりザイルを出し落ち口の立木でビレーポイントを採った。
▲最後の3段20m滝、 ▲最後の藪漕・急登を
上部はハングってる 登る赤ヘルの皆空
その上は2m、2mと続き直ぐ二股になる。その右俣直ぐのところで3段20mが一挙に嫌悪な面でテラ光していた。ここまでの沢筋は緑の梢の中を遡行し、直接の風を感じることはなかったが、街での蒸し暑さを忘れさせてくれジットリした汗をかくことはなかった。
この20m滝の下部は上空からの陽射しがスポットライトのように照射していて、この滝の存在を強調しているかのようであった。ヌルヌルの岩肌は全く登攀意欲をかきたてることなく、二人とも高巻きで納得。
しかし、これからの行程がホントにしんどかった。この計画のほんとの核心は、この最後の高巻き・藪漕・急登であった。これは、この滝を巻いて落ち口にでて本来の右俣沢芯に戻らなかったことからであろう。尾根に逃げるとシッペ返しが待っているということを味わった山行であった。