赤木沢・薬師岳   (チャゲ)


ドラ猫メリー
Y村

チャゲ
皆空
■ 日 程 :   2009.8.13〜16

■ 山 域 :  中部山岳・黒部川源流赤木沢

■ 目 的 :  初級沢登り

■ 参加者 :  Lチャゲ、 皆空、 ドラ猫メリー、 Y村

■ 行動記録 (皆空) :

13日 西宮(今津)6:50発= 立山インタ13:09出= 折立(1365m)16:10着 テント泊

14日 折立 6:35発…三角点(1871m)8:29…五光岩ベンチ(2196m)10:16…太郎平小屋(2330m)11:03…薬師沢小屋(1912m)13:59着

15日 薬師沢小屋6:03発…赤木沢出合(1976m)7:45…大滝(2260m)10:13…赤木沢終了点(2428m)11:27…赤木岳(2622m)12:48…北ノ俣岳(2661m)3:21…太郎山(2373m)14:41…太郎平小屋14:50…薬師峠(2294m)5:40着 テント泊

16日 薬師峠(テン場)5:47発…薬師岳山荘(2701m)6:53…避難小屋7:31…薬師岳山頂(2926m)7:45〜7:58…薬師峠8:31(テント撤収)…太郎平小屋10:43…折立13:42=立山インタ16:26入り=西宮(今津駅)23:00着





 2年前から赤木沢に行きたいと思っていたのが今回やっと実現。当初は沢に行くメンバーが限られていたのだが、6名とメンバーも増えうれしいことであったが…
 盆休みもETCが安く利用でき、車で計画。北岳バットレスの岩トレが詰まっていたので沢のトレがあまりとれず、隙間を狙って2回計画したがそれも天候不順などでぜんぜん出来なかった。それに加えメンバーの故障などで最終的に4名になった。そして大雨が続いていたうえ予定していた日程で天候が大きく崩れる予報もあり決行するかどうかずいぶん悩んだ結果、半日遅らして決行した。
赤木沢は全員初めてのコースであり、全員が楽しめることが一番である。


13日

 快調に立山ICへ着き、近くのコンビニでビールをゲットし折立へ、駐車場はほぼ一杯。近くはテントも2張りある。受付はどこかうろうろしていたら、最終定期バスの運転手とドラ猫メリーが話している。姫の好印象からか運転手が休むテントの下で張って良いとの事、好意をありがたく受け、テントを張ってると丁度雨が降り出してきた。ラッキーであった。これからの山行を祝福しているような出来事である。
 テントではドラ猫メリーシエフによる、鯛やマグロの刺身が出てきたのには驚いた。メンバー一同感激の前夜祭でありました。



14日

 雨は残っていたがだんだん小ぶりになり出る頃には止み、霧の中を歩いてるうちに、下山者から「上は晴れてますよ」と情報をくれる。20sの荷物も軽く感じる。今日も登る人は結構多い。樹林帯の中をどんどん高度が上がると、左手に剣岳も見えてくる。やがて開けた尾根筋を丸太で囲った登山道になるが石ころがころころ結構歩きにくい。横の歩きやすいところを歩いてると「登山道を歩いて!」と標示がある。オーバーユースになるからと歩きにくい石ころ道を登山道を延々と歩くとやがて遠くに小屋の赤い屋根が見える。薬師峠でテントを張ってと思ってたら、小屋の係りから「あかん」との事、荷物を預かってもらう。そのまま沢道具を持って薬師小屋に向かう。薬師岳や水晶岳、鷲羽岳、槍ヶ岳も見え沢筋へどんどん下っていく。絶景を見ながらも好天気になり顔や首筋が痛い。やがて、薬師沢と黒部川の出合に建てられた赤い屋根の薬師小屋が突然現れる。まずはここのテラスのテーブルでビールで乾杯!小屋は2段ベッド、布団一つに二つの枕がある。最初は一つの布団に一人だったが、最後は5人で寝ることになった。夜は久しぶりに見る星空が綺麗だった。


15日

 朝早くからヘッドランプをつけビニールの音がうるさい。パッキングするなら廊下ですれば良いのにと思う。朝飯は一番の5時から食べたが、テラスでは沢山の人が支度をしている。ほとんどの人が沢のぼりだ。われわれはあわてることなくゆっくり準備をし、出るころにはほとんどの人が出かけた後だった。




 黒部川には小屋前のテラスから右に梯子で降り、左岸をしばらく進む。普段より増水してるようで結構水かさが多いし冷たい。腰くらいまでのところをへつりながら進んだり、渡渉を繰り返しやがて岩魚止めの滝では左岸のゴルジェ帯を滝を見下ろしながら高巻いて、滝の少し上に出る。
 そのまま左岸を進めなくなり浅いところ選んで渡渉、こちらも結構深そうだが何とか突破、ここでも行き止まり左岸への渡渉だが急流で、足がすくわれそうなところを慎重にわたる高巻くとパソコンで見慣れた黒部川の滝、赤木沢の出合いに出る。ここで釣りをしていた夜中騒がしたグループが居た。釣りをしてるから少し高巻くと右からの沢があった。これが赤木沢だ。
 赤い岩盤のナメ、遠くには山の上から続く滝が見え、渕はエメラルドグリーンだ。やっぱりうわさどうり綺麗や。少し遡上し休憩とする。さっきの釣りをしていた若いグループが追い越して行った。2段15mの滝でさっきのグループが上を見ながら思慮している。さっさと追い越し、ルートを探しながら登っていく。下を見るとまだこちらの登ってるのをじーっと見ている。無視してどんどん進んでいく(これ以降このグループには出合わなかった)。だんだん高度が上がってくると暑くなってきたので少し水に浸かって涼をとる。こんな所をどんどん登っていくとやがて大きな岸壁に突き当たる、これが30mの大滝だ!此処は登れないので左岸のリッジを登ってる人、右岸をロープを使ってる人が見える。解説書では左岸のリッジが正解である。滝を見下ろすところからトラバース、やがて大滝の上に出た。
 左俣本谷との二股に出、右手に進む。この沢は黒いコケが生えており滑って気持ち悪い。どんどん小さな滝をつめていく、連漠帯となりお花畑も出てきたが、小さな花しか咲いてなかったのでドラ猫メリーの感激の声は聞かれなかった。
 やがて伏流水となり草原を尾根に向かって歩き出すが、沢靴では滑って歩きずらいので靴を履き変える。  このまま詰めあがると赤木平だが、山頂には人影も見える岩山を目指し大きく迂回する。ハイ松帯を超え雪渓が残ってるところを上り詰めると登山道に出た。皆空と二人でこの頂に立つも山頂には何も書いてない板だけ、早々にドラ猫メリー、Y村の待つところまで引き返し太郎小屋目指す。72歳で一人で黒部小屋に向かう人や、非難小屋目指す人とすれ違い、太郎山の近くで雷鳥の親子6匹を見る。こんなに沢山の雷鳥を一度に見るのは初めてだ。
 太郎小屋で荷物を受け取り、重くなったザックを担いで薬師峠のテンバに行く、すでに沢山のテントが張られているが傾斜していてあまりよいところはない。
 ここのテンバはほとんど傾斜している。それでも少しましなところを整地してみんなを待つ、後から来たY村があの先を見てくると言ってしばらくすると大きく丸を書いている。そちらに移動し平らな砂地のいい場所だが雨が降ると溜まりそうだったが今夜は雨はそう降らないだろうとそこに設営する。
 ここで滋賀のHさんと出会う。薬師から降りてきた、薬師岳に突き上げる鳶谷を登ってきたとの事、これから折立まで降りるとの事だった。元気やー
 外で夕飯の支度をしてると雨がパラパラしだしあわててテントの中に移動、今日も宴会となった。
もちろん今夜は星空も見えない。夜半も時折ぱらぱらと降ったり止んだり、明日はガスってるかなーと思いながら寝る。




16日

朝方3時頃から足音がする。早くから薬師だけに
登るようだ。空を見てみると予想に反しいい天気
だ。皆空とY村が軽荷でチャゲ、ドラ猫メリーはノーザック
…こんなのは始めて。薬師岳には沢山の人が登っ
てる。途中雷鳥にも、この山域は雷鳥も多いよう
だ。地図では5時間になっていたが2時間で登り。
山頂の祠にY村が鐘を突き手を合わせる。
剣岳、水晶岳、鷲羽岳、槍ヶ岳はじめ穂高の山々
…360度の展望を堪能し下山する。ほんまに
登山日和である。
テントを撤収して、ゆっくり折立に下山。登山口
に着いた時はへとへとだ。ここで靴やストックを
洗い、体の汚れは白樺ハイツで汗を流し、らいちょう村でそばをいただき帰途につく。
北陸道はところどころ渋滞はしていたが、予想に反して大きな遅れはなく、阪神今津駅に着いた。



赤木沢感想


皆空

・赤木沢そのものは美しいという評判に期待が大きかっただけに、全てが美しいという幻想に対して少し物足りなさを感じた。しかし、あちこちでの沢の美しさは満足だった。
・水量が多かった性もあるかも知れないが、赤木沢に入る前の黒部源流の方が難しかった感じがする。それに黒部源流の方が水温が低くて赤木沢に入ると水温が高くなってホッとした。
・リーダーの大変さが今回初めて垣間見えた。隊員の個別の技量を把握した上で安全に山行を終えるだけの使命だけでなく、隊員の個別の事情を踏まえて個々の隊員が満足な山行になるために天候判断も含めて、事前からどう実施するかについての心遣いでその大変さが垣間見えた。
・帰国以来まともな体力トレをせず、食っちゃ寝の生活が続いていたので、太郎小屋までの重荷が結構苦しかった。よく考えればトレ不足なので当然だろう。それに、沢本番でも使う筋肉が違うのかトレ不足かは判らないが、最後は結構苦しかった。
・虫の多さに辟易とした。肌の露出を多くしたので、ブヨには気をつけるのだが多分アブより小さな虫に刺されたようだ。刺された時は感じないけれど、中崎尾根以来の油断で、暫くして腫れ上がる虫刺されが今回は十箇所程度やられてしまった。
・初日の夕食で、山で初めて鯛・マグロの刺身を頂いた。狂喜で驚いてしまった。食料担当のドラ猫メリーさんの準備のすごさには脱帽した。素晴らしいメンバーで楽しい山行だった。


Y村

以前から憧れていた赤木沢に連れて行っていただいて本当に有難うございます。苦渋の決断 さすがチャゲさんと改めて惚れ直しました。往復の長時間の運転本当にお疲れの事と思います。
澤遡行時のルートファインティング、初心者の私のフォロウにと心身共に疲れたのではないでしょうかその、チャゲさんのお陰で安全で安心して楽しんで赤木沢の遡行が出来ました。
朝6時前からの遡行でしたが、黒部の奥の廊下の水の冷たかった事、しばらく歩くと水の冷たさで足の感覚がなくなり水流の速さで足をとられ危うくドラ猫メリーさんがいなければ水の中にドボーン!の所でした 黒部の本流は男性的です。しかし赤木沢は優しかった!やっぱり女性的と言うか母親的でした。
赤木沢に入ったとたんに水が温かく感じ足のしびれもとれ、パソコンで見ていた景観がそこにあり感動しました。
空は青く何処までも青く水は透き通り広く何処までも広くとても美しい沢でした。
ゴルジュやスラブではドキドキしいの、30mの滝の高まきではハラハラしいの、腰ぐらいの所では泳ぎを楽しみいくつもの小滝を見ては感嘆をあげてツメに来たらホットするやら寂しいやら、本当にお腹いっぱいの赤木沢でした。
テントの中では良く笑いよく食べ良く飲み、とても満足の3泊4日でしたドラ猫メリーさんの海鮮丼の美味しかった事 いつも、ごちになりまーす。 会計やらペースメーカーとしての先頭歩きとても歩調がよく(でも、疲れたけど、、、自分の調整不足)あるけました。皆空さんには一番重い荷物をもっていただき初心者の私には一緒に歩いて貰うのもおこがましい程なのにその辺のおっちゃんの様に気さくに話していただき(Y村さん)と呼ばれるたびにドキドキしていました。とても素敵な仲間と良いお天気とラッキーな事が幾つも重なりまた、心に残る山行が増えました。何も出来なかった私ですがムードメーカー位はできたかな??チャゲさんの担当ナースとしてはチャゲさんが元気で異常なかったことをメラの皆様に報告いたします。チャゲさん、また山に私を連れてって!!(ん!何年前かのなんかのフレーズ??)


ドラ猫メリー

出発前は天気にやきもきさせられたが、回復していくということで決行。トレーニングも雨で出来なかった。久しぶりの沢だし、行きたかった赤木沢、楽しみにしていた。天気に恵まれ楽しい山行となりました。折立に着いた時は雨模様。地鉄バスの運転手さんの好意で、雨に当たらずテントを張らして貰った。折立からは急登と覚悟をしていたが、樹林帯の間はそうは思わなかったが、開けて来てからが長く感じた。ゴロゴロの石ころ道は足に負担を感じた。太郎小屋に着いたときはホッとした。沢用品を持ち、他のものは小屋で預かって貰う。薬師沢小屋に向かう途中、遠く水晶岳、雲の平がみえる。天気もいいし、言うこと無し。小屋は赤木沢、雲の平に行くお客で一杯。星が綺麗だと言うので外に出てみた。満天の星、流れ星も、何年?何十年?ぶり、こんな星空を見るのは。明日の天気は決まったもの。赤木沢は綺麗な沢だった。黒部本谷は水量もあり、腰まで浸かる所もある。冷たいが気持ちいい。赤木沢に入ると水温も上がり、天気もいいので明るい。滝登り、草つきを登ったりと、赤木平に着く頃にはバテバテ。くつを履き替え、稜線に着いた時は、もう座り込んだ。太郎小屋で今宵のお酒を仕入れ、テン場へ。もう少し近くだったらいいのに。薬師には皆空さんに荷物を持って貰い、空荷で登る。らくだぁ〜。お花は終わりかけだったが、雷鳥に出合い、濃い紫のリンドウが咲いていた。アルプスではもうすぐ秋の気配を感じる。折立までの下りは荷物も重く感じ、しんどかったけど満足、満足。渋滞の中、お二人の運転お疲れさまでした。念願の赤木沢を満喫でき、何事もなく終わり、チャゲリーダーに感謝、感謝。


チャゲ

長い思い入れの赤木沢でした。初めての沢であり、雨が長く続いてたこと、トレーニング不足、天候悪化、メンバーの力量などありいろいろ悩んだ山行でした。その分慎重に下調べをし取り組みました。沢は予想通り水量は多かったようです。黒部川の水は冷たく腰までの渡渉、水流の強い渡渉には緊張もしました。赤木沢は水も温かく景色も綺麗でルンルンで行けたと思います。
蛭は居なかったが、私自身小さな虫に両足15箇所以上も噛まれて赤くなっていました。風呂に入って気が付いたんですが…帰ってから痒くなってきました。

反省点は
・ 装備では、ロープを出す必要はない沢だと思いハーネスを簡易ハーネスにしたが、簡易ハーネスは動けば緩んできて緊急でしか使えないことがわかりました。ロープは使わないのにも持っていって皆空さんに重い目をさせ悪かったと思いますが、でももしものことがありますからやはり必携ですね。
・ ザックが皆さん小さかった、むずい所だったらバランスが取りにくい、今後改善してほしいと思います。
・ バンダナだけでは強い日差しが避けれない、今後は帽子は持っていくようにする。
・ トレーニング不足で皆さんバテバテでした。やはりトレーニングの重要性を再認識した。
最後に、無事全員が行け楽しく山行できて何よりだったと思います。今回は幸先がよく本当にラッキーな面も多々ありました。これもメンバーの人徳が加味したことでしょう、ありがとうございました。

メラピークKOBE(兵庫県労山に所属する神戸の山岳会)

剱岳登山報告 六甲・ハチノス谷沢登り

Copyright(c) MERAPEAK-KOBE All Rights Reserved.